『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』
原題 | The Place Beyond The Pines |
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制作年・国 | 2012年 アメリカ |
上映時間 | 2時間21分 |
監督 | デレク・シアンフランス |
出演 | ライアン・ゴズリング、ブラッドリー・クーパー、エヴァ・メンデス、レイ・リオッタ、ローズ・バーン、ベン・メンデルソーン、デイン・デハーン |
公開日、上映劇場 | 2013年5月25日(土)~新宿バルト9、梅田ブルク7、シネマート心斎橋、T・ジョイ京都、6月29日(土)~シネ・リーブル神戸 ほか全国順次公開 |
~運命的出会いをした二組の親子が示すものとは?~
2011年“最もセクシーな男性”のトップの座を競ったブラッドリー・クーパーとライアン・ゴズリング。最初ブラッドリーが1位となったが、ライアンのファンが抗議デモを行い、その順位が入れ替わったというから“ライアンファン”恐るべし! ブラッドリーは『ハングオーバー』シリーズや『世界にひとつのプレイブック』と急速な活躍を見せてきたが、日本では昨年公開の『ドライヴ』でライアンに魅了されたファンが多く、人気も高い。そんな二人が出演する『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』が注目されない訳がない。『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督が、ライアン・ゴズリングと再びタッグを組み、二組の親子の運命的出会いがもたらす人生の明暗を、くっきりと浮かび上がらせている。
移動サーカス団のバイクショーで活躍していた天才的ライダーのルーク(ライアン・ゴズリング)は、1年ぶりに訪れた街で昔の恋人ロミーナ(エヴァ・メンデス)に会う。彼女が自分の子供を産んでいたことを知ると、サーカス団を辞めロミーナが住む街にやってくる。ロミーナは既に他の男性と結婚しているにもかかわらず、ルークは3人で暮らすことを望み、その金策のため、車の整備士とコンビを組んで銀行強盗という暴挙に出る。
何度かは天才的ライダーの腕前で逃げおおせたが、とうとう警察に追い詰められ、民家に立て籠もる。そこに踏み込んだのが、新米警官のエイヴリー(ブラッドリー・クーパー)だった。だが、その時エイヴリーが犯した警官としての重大なミスでルークを死なせてしまう。そこからは野心家のエイヴリーが主役となって物語は展開される。
銀行強盗のルークを射殺し英雄となったエイヴリーは、警察内の陰謀に巻き込まれそうになるが、判事を務める父親に助けられながら、出世街道を進む。そして15年後、政界に進出したエイヴリーは大統領選に出馬するほどの地位にいた。そんな時、ルークとエイヴリーのそれぞれの息子が高校で出会う。
義理の父親に愛情いっぱいに育てられたルークの息子ジェイソン(デイン・デハーン)は、温厚で優しい学生だった。一方エイヴリーの息子AJ(エモリー・コーエン)は、両親が離婚し、母親も手におえない問題児となり、父親と一緒に暮らすため転校してきたのだ。周りを支配するタイプのAJは、ジェイソンをも巻き込むトラブルを起こしてしまう。そして、AJの父親が自分の父親を殺した警官だったことを知ったジェイソンは、ある大胆な行動に出る。
ライアンとブラッドリーが絡むシーンはほんの一瞬で、実際に現場では顔を合わせていないと思う。別撮りしているようだ。それにしても、「親の因果が子にたたる」ではないが、ルークの章、エイヴリーの章、子供たちの章、という分かりやすい展開で、二組の親子が背負う宿命の非情さを痛切に響かせる。犯罪者の息子ジェイソンと、政府側とはいえ虚栄と欺瞞に満ちた父親を持つAJとは、どちらが幸せなのか? ラストシーンの問いかけが、さらなる感動を生む。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://www.finefilms.co.jp/pines/
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