『リンカーン』
(春岡勇二バージョン)
原題 | Lincoln |
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制作年・国 | 2012年 アメリカ |
上映時間 | 2時間31分 |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
出演 | ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、トミー・リー・ジョーンズ |
公開日、上映劇場 | 2013年4月19日(金)~TOHOシネマズ日劇、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS) ほか全国ロードショー |
~世界を変えた28日間~
映画を観ていて、アメリカ人ってほんとに大統領が好きなんだよなぁと思うことがある。なぜなのか? それが少しわかった気がする。「すべての人間は自由であるべき」とは民主主義の根幹をなす理念であり、アメリカという国家の精神そのものでもあろうが、それを深い葛藤の末に確立したのがこの人物だったからではないだろうか。第16代大統領エイブラハム・リンカーン。
自らの信念を貫き、そのための誤解や孤立を恐れず国家の危機に不屈の闘志で挑んだ男。スティーブン・スピルバーグ監督は、リンカーン最後の数か月前、奴隷制廃止を定めた憲法修正第13条の提出から議決までの28日間をスリリングに描く一方で、妻や息子との関係に悩む家庭人リンカーンの姿も立体的に捉えていく。奴隷制廃止か内戦の終結か、両立しえない情勢でリンカーンの採った策は…。
3度目のアカデミー賞に輝いたダニエル・デイ=ルイスの演技は、感情を抑制し内面の確固たる強さを表現する。また、夫を強く非難するかと思えば、献身的に支えもする複雑な性格の妻を演じたサリー・フィールド、政治の駆け引きに人間性をにじませるトミー・リー・ジョーンズやジェイムズ・スペイダーなど脇の演技陣も素晴らしい。緊張と緩みを巧みに交錯させる監督の手腕に、あっという間の2時間半だ。
(春岡 勇二)
公式サイト⇒ http://www.foxmovies.jp/lincoln-movie/
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