『カルテット!人生のオペラハウス』
原題 | Quartet |
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制作年・国 | 2012年 イギリス |
上映時間 | 1時間38分 |
監督 | ダスティン・ホフマン |
出演 | マギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズ、マイケル・ガンボン、デイム・ギネス・ジョーンズ、ジョン・ローンズリー |
公開日、上映劇場 | 2013年4月19日(金)~TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ、TOHOシネマズ梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー |
~デイム・ギネス・ジョーンズなど本物の音楽家も登場! 名曲に、名優に勇気付けられる歓び♪~
オペラ『椿姫』「乾杯の歌」で始まり、『リゴレット』「美しい恋の乙女よ」で終わる映画。ヴェルディやワーグナーの音楽にあふれる世界に浸れるだけで、身も心も幸せになれる。御年75歳のダスティン・ホフマンの初監督作は、英国の美しい田園風景の中に佇む引退した音楽家が身を寄せる館〈ビーチャム・ハウス〉が舞台で、ミラノに実在する作曲家ヴェルディの〈音楽家のための憩いの家〉がモデルとなっている。かつての栄光と愛憎を引きずるオペラ歌手たちが、ホーム存続をかけたコンサートで“伝説の四重奏(カルテット)”を復活させようと奮闘する。最後まで音楽家としての尊厳を保ち、誇りをもって生きることの素晴らしさを謳っている。
かつて大スターだったプリマドンナ:ジーン(マギー・スミス)は、身寄りもなければ財産もなくなり、〈ビーチャム・ハウス〉にやってきた。そこには、かつて結婚していたレジー(トム・コートネイ)や、カルテット仲間のシシー(ポーリーン・コリンズ)とウィルフ(ビリー・コノリー)もいた。丁度ホーム存続をかけたコンサートの準備中で、一世を風靡したカルテットの復活を切望されるが、ジーンは歌を封印しており、頑として拒絶する。コンサートの成功の鍵を握る〈伝説のカルテット〉。かつての夫だったレジーを裏切り、乱暴で傲慢だったジーンは、果たして友情を取り戻すことができるのか?コンサートは成功するのか?
レジーを裏切ったことが人生最大の失敗だったと後悔しているジーンを演じたマギー・スミス(78歳:『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』)や、オペラを愛し、友情を大切にする誠実なレジーを演じたトム・コートネイ(75歳:『モネ・ゲーム』)、脳梗塞の後遺症で不自由な体ながらも、いつも女性を誘惑することばかり言っているエロジジイのウィルフを演じたビリー・コノリー(70歳:『Queen Victoria 至上の恋』)、少々認知症気味だが仕草が可愛いシシーを演じたポーリーン・コリンズ(72歳:『アルバート氏の人生』)とイギリス演劇界の名優や、デイム・ギネス・ジョーンズやジョン・ローンズリーなどの本物のオペラ歌手やクラシックやジャズ界の演奏家が、年季の入ったユーモアと若者に負けないくらいのキュートさで人生の機微を彩る。
人は、人生を振り返りつつも前を向いて生きていくしかない。老いて、今さら何を恐れることがあるだろうか、今やらずに、いつやるの? 前向きに生きる人の姿勢は実に美しい。それだけで周りを勇気付けてくれるようだ。何度でも見たくなるような楽しい映画に出会えて、ハッピー♪
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://quartet.gaga.ne.jp/
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