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『L.A.ギャングストーリー』

 
       

LAG-550.jpg『L.A.ギャングストーリー』

       
作品データ
原題 Gangster Squad
制作年・国 2013年製作 アメリカ 
上映時間 1時間53分
監督 ルーベン・フライシャー
出演 ジョシュ・ブローリン、ライアン・ゴズリング、ショーン・ペン、ニック・ノルティ、エマ・ストーン、アンソニー・マッキー、ジョヴァンニ・リビシ、マイケル・ペーニャ、ロバート・パトリック、ミレイユ・イーノス
公開日、上映劇場 2013年5月3日(金・祝)~大阪ステーションシティシネマ、ほかでロードショー。「R-15+」指定映画。

 

~ギャングと警察のガチ対決で魅せるギャング映画~

 

LAG-1.jpg ギャング映画のみなさんのイメージはどんなものでしょうか。ルーツ的なことをいえば、アル・カポネをほぼ同時代的に捉えた「暗黒街」(1927年)「暗黒街の顔役」(1932年)や、「俺たちに明日はない」(1967年)が有名な、ボニーとクライドを最初に描いた「暗黒街の弾痕」(1937年)など、全てモノクロ映画だが、ギャング映画の基本ラインは、ほぼこの3作で作られたと言ってもいいだろう。

LAG-3.jpg そして、本作だが、都市名のポイントになっている天使の町・ロサンゼルスを舞台に、1949年に実際にあった、ギャング団と警察の精鋭部隊6名による、仁義なき戦いを描いている。しかし、本作は「アンタッチャブル」(1987年)を大いに意識した1本だ。つまり、アル・カポネ映画でベース・ラインが作られたところを規範としている。その一方で、ミステリー作家のジェームズ・エルロイ作品にも、多大な影響が見受けられるのだ。エルロイのLA3部作などだが、「LAコンフィデンシャル」(1997年)やら「ブラック・ダリア」(2007年)などが映画化されたので、原作は読まずとも、みなさんにもその作品性については分かるでしょう。さらに、LAものとしてハリウッドも出てくるが、「チャイナタウン」(1974年)など、かつての映画で肝になった場所も出てくるので要チェックだろうか。

LAG-2.jpg さて、「アンタッチャブル」と比較して、少し見てみよう。ショーン・コネリーの銃殺やロバート・デ・ニーロのバット殺人のエグサよりも、子供の爆死を非難された「アンタッチャブル」に対して、本作では悪役ショーン・ペンの暴虐ぶりをいろいろと見せていくのが、1つの見どころとなっている。もちろん、6人組の警察チームによる、ギャングへの摘発シーンやアクション・シーンこそが、本作の大きな見どころである。「アンタッチャブル」の監督ブライアン・デ・パルマの特性であるスロー・モーションの多用など、少々気にはなったが、一方で6人のキャラクター造形ぶりなどが「アンタッチャブル」より、多彩でユニークな設定だったと思う。

 カー・チェイス銃撃戦、大爆破シーン、マシンガン銃撃戦、1対1のガチ殴り合い対決など、アクション・シーンの充実ぶりは目を見張るものがあった。けども、ラブ・ストーリー部にも注目してもらいたい。恋する若手の2人、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーン。ハードボイルドな往年のハリウッド映画に見られた、お洒落な男女会話シーンもあるので、お見逃しなきよう。

(宮城 正樹)

公式サイト⇒ http://www.lagangstory.jp

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