原題 | Chinese Zodiac 十二生肖 |
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制作年・国 | 2012年製作 香港・中国 |
上映時間 | 2時間4分 |
監督 | 監督・製作・脚本:ジャッキー・チェン |
出演 | ジャッキー・チェン、クォン・サンウ、ジャン・ランシン、ヤオ・シントン、リアオ・ファン、ローラ・ワイスベッカー、オリヴァー・プラット |
公開日、上映劇場 | 2013年4月13日(土)~TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)ほか全国ロードショー。 |
~ジャッキー・チェン、アクション映画を卒業!? ~
ジャッキー・チェン主演・監督によるアクション映画。しかも、「WHO AM I?」(1998年製作・香港映画)以来の監督作品だが、アクション映画への主演・出演は本作で最後にすると言う。本編のラストロールで、ジャッキー本人が、いみじくも語る。アクション映画は大変危険なので、本作での出演を最後にする。アクションには出ないけど、それ以外には出る可能性があるからか、これで引退するということではないと、明言している。
さて、日本映画を除いたアジア映画の世界的な潮流を振り返れば、これまでは香港映画が、映画史的にヒット・トレンド的にも、頭抜けていたかと思います。ブルース・リー以降、ジャッキーやジェット・リー、チョウ・ユンファやらが、ハリウッド進出したけれど、アジアのほかの国を見渡しても、ジャッキー以上に世界的に人気を獲得したアジア俳優は殆どいない。ジャッキー・アクションといえば、ブルース・リー・アクションにクイック・モーションなどによるチャップリンやキートンらのスラップスティックなコミカル・モードを加味したような、アクション造形がクセになるオリジナリティーがあった。ジャッキー映画はほぼDVD化されているので、レンタルDVDで確認する機会があれば、本作鑑賞の予習として、ジャッキー・アクションを見るのもいいかと思う。
相棒映画「ラッシュアワー」シリーズ(第1弾は1998年)や、「タキシード」(2002年)など、ハリウッドではスリリング・スピーディーなアクションを、見せ続けたけども、最近ではさすがに、よる年並みには勝てないのだろうか、部分的にはアクションも見せるけど、大っぴらにはやっていない。それでも、近作の「ベスト・キッド」(2010年)だが、オリジナル・シリーズ(1984年~1994年・全4作)の師匠役ミヤギ役のノリユキ・パット・モリタの演技を超えているようには見た。「ミッション・インポッシブル」「オーシャンズ11」などの、スパイ・ミッション系やら犯罪ものやらのセンスを濃厚に取り込みつつも、ジャッキーらしいユーモアにあふれた展開は、今さらながら、見たあとスッキリ爽やかになった。さて、ジャッキー・アクションの集大成的な作りになった本作は、5大アクションと呼ぶべき大きな見どころがある。
①は車輪を体にイロイロ付けて、自在にどこでも移動できるアクション。ボブスレーをやっているようにも、見えるかもしれない。韓国男優クォン・サンウも含む、紅一点4人チームの犯罪アクトが、どんなものなのかを、まずはさわりで示していく。
②迷路めいた庭を、番犬のイヌたちに追いかけられて逃げまどうシーン。庭の造形は「シャイニング」(1980年・アメリカ)の設定とよく似ていたか…。
③宝島チックな島探索アクト。しかし、アクションにウェイトが置かれた作り。
④これまでのアクションのベスト選集的な作りを、工場内で魅せるシークエンス。
極め付けは、⑤スカイダイブを使った空中アクト・シーン。クライマックス・シーンとも言えるが、こういう定番を外す意外な驚きのあるシーンは、ジャッキー映画には時おり出てくる。スー・チーのカメオ出演もご愛嬌なり。ということで、本作は理屈抜きに楽しめる1本になっていた。ジャッキー・アクションの最終形とも言える、渾身の1本だ。
(宮城 正樹)
公式サイト⇒ http://www.rd12.jp
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