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『ひまわりと子犬の7日間』

 
       

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作品データ
制作年・国 2013年 日本
上映時間 1時間57分
監督 平松恵美子
出演 堺雅人、中谷美紀、吉行和子、でんでん、夏八木勲、草村礼子、檀れい、小林稔侍、若林正恭
公開日、上映劇場 2013年3月9日(土)~宮崎先行、3月16日(土)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 他全国ロードショー

 

~宮崎弁のたおやかさに癒され、母犬の健気さに感動~

 

himawari-1.jpg 保健所に収容された犬の返還・譲渡率は、40%にも満たないという。それ以外は処分、つまり殺されているのだ。『ひまわりと子犬の7日間』は、保健所に収容されても子犬を必死で守ろうとする母犬と、妻に先立たれ2人の子の父親でもある保健所職員との、かけがえのない命を守る物語である。『奇跡の母子犬』で紹介された実話を基に、長年山田洋次監督の下で共同脚本を務めた平松恵美子の監督デビュー作。主演は、『武士の家計簿』『鍵泥棒のメソッド』『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』など、主演作が続く堺雅人。出身地の宮崎を舞台にしているとあって、母子犬の健気さと共に、のびやかな宮崎弁が心地よく響いてくる感動作となっている

himawari-2.jpg 宮崎の保健所に勤務する神崎(堺雅人)は、動物保護管理所に収容される動物たちを1匹でも救おうと、娘の里美の協力も得て里親探しに一所懸命。だが、収容されて7日間が過ぎても里親が見つからない場合は処分、という規則があり、神崎はそれをずるずると引き伸ばし、上司に厳しく注意されていた。ある日、人間に激しく抵抗する母犬とその子犬たちが収容された。人間に危害を加える恐れのある動物は元より処分の対照となっていたが、神崎は子犬のことを思って、処分できずにいた。

himawari-3.jpg 妻に先立たれ、母の琴江(吉行和子)に助けられながら娘と息子を育てる神崎。犬も子供を思う気持ちは同じで、いやそれ以上かも……母犬の必死さが親として共感することもあり、獣医の美久(中谷美紀)や同僚の協力のもと、母子犬を救うために奮闘する。母犬がそれまで生きてきた物語を想像して、犬の気持ちに寄り添おうとする神崎。
 

himawari-4.jpg プロローグ、老夫婦の下で可愛がられていた犬の半生がセリフなしの映像だけで描かれる。柔らかな日差しの中、畑仕事にもお散歩にもお弁当を食べる時もいつも一緒、それはそれは穏やかな日々を幸せに暮らしていた。ところが、おばあさんが亡くなり、おじいさんは息子の処へ引っ越していき、犬は知人宅で飼われることになったのだが、おじいさんが乗った車を追いかけるうちに、迷子になってしまう。やっと帰り着いた家は取り壊される最中で、作業員に厳しく追い立てられる……夏八木勲と草村礼子扮する老夫婦が愛情いっぱいに飼っていた時の幸せな光景は、その後の母犬の行く末を思うと、胸が張り裂けそうになる。堺雅人は勿論だが、吉行和子や中谷美紀の宮崎弁が、母子犬ばかりでなく、見る者の心まで優しく包み込んでくれるようだ。

himawari-5.jpg 来年の各映画祭の主演女優賞を獲得するかも???なほどの熱演を見せた母犬と、もう可愛くてたまんない子犬たちにも注目♪♪♪

(河田 真喜子)

公式サイト⇒ http://www.himawari-koinu.jp/index.html

© 2013「ひまわりと子犬の7日間」製作委員会