原題 | SILVER LININGS PLAYBOOK |
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制作年・国 | 2012年 アメリカ |
上映時間 | 2時間2分 |
原作 | マシュー・クイック著『世界でひとつのプレイブック』集英社文庫刊 |
監督 | デヴィッド・O・ラッセル |
出演 | ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーヴァー 、クリス・タッカー他 |
公開日、上映劇場 | 2013年2月22日(金)~TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、TOHOシネマズ二条他全国東宝系ロードショー |
受賞歴 | 第85回アカデミー作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞他主要8部門ノミネート |
~人と違ってもいい。どん底の二人に見えた大きな光~
愛する人を失ったことがもとで、躁うつ病にかかり、人生のどん底でもがいている男と女。この二人の出会いが、こんなにもパワフルでドラマチックな展開を呼ぶとは予想しなかった。心を病んで、本来の自分を取り戻せない主人公たちが新しい一歩を踏み出すまでの悲喜こもごもにグイグイ惹き込まれる。
妻の浮気を目撃し、浮気相手を叩きのめしたがために8カ月の入院生活を余儀なくされたパット(ブラッドリー・クーパー)。退院して実家に戻ったものの、接近禁止令を出した妻と会うこともできず、職も失い、八方ふさがりだ。ある日、友人の妹ティファニー(ジェニファー・ローレンス)と出会い、ランニングにも付きまとわれ始める。しかし、ティファニーは型破りな行動の裏で、夫を亡くした傷から立ち直れず、躁うつ病と闘っていた。
『ハングオーバー!』シリーズのブラッドリー・クーパーが、妻と再び一緒に暮らすことを夢見て、躁うつ病の克服へ懸命の努力を続けるパッドをマシンガントークを交えながら力強く演じ、アメフトのノミ屋をする父親役のロバート・デ・ニーロとの賑やかな掛け合いは、懐かしの家族ドラマを見ているような微笑ましさすら感じる。一方、危うさと情熱を体現した若き未亡人役のティファニーを演じる『ハンガー・ゲーム』のジェニファー・ローレンスが、とにかく魅力的!登場シーンから強烈なパンチを食らったようなインパクトを与え、バッドに体当たりで向かっていく一挙一動に、不器用な女心を滲ませる。
ティファニーが提案したダンスコンテスト出場に向けて練習を重ねる中で、傷つけあっていた二人の関係に起きた変化は、クライマックスのダンスコンテストで踊る二人を見れば明らかだ。過去を乗り越え、目の前にある幸せを握りしめるまで、彼らを支える家族の愛情やアメリカの躁うつ病患者対策を織り交ぜながら、アップテンポで描ききった『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセル監督。衝突や人と違うことを恐れず、どん底から這い上がろうとする主人公二人の人間臭さが何よりも魅力的だった。(江口由美)
公式サイト⇒http://playbook.gaga.ne.jp/
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