原題 | Zero Dark Thirty |
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制作年・国 | 2012年 アメリカ |
上映時間 | 2時間38分 |
監督 | 監督:キャスリン・ビグロー 脚本:マーク・ボール |
出演 | ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン |
公開日、上映劇場 | 2013年2月15日(金)~TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸 他全国ロードショー |
~ビンラディンを追い詰めたCIA女性分析官の執念~
2011年5月、「9.11」の首謀者オサマ・ビンラディン殺害される。このビッグニュースに世界中が驚愕。それまでアメリカ軍を中心とする多国籍軍による幾多の空爆や襲撃を経てもなお、その消息が掴めなかったビンラディン。テロ組織アルカイダの象徴的存在であり、彼を逮捕するまでは対テロ戦争は終結しなかった。このビンラディン捕獲作戦が決行された午前0時30分、すなわち「ゼロ・ダーク・サーティ」と名付けられた作戦に至るまでのCIAの調査状況や襲撃の様子を、『ハート・ロッカー』でアカデミー賞の作品賞・監督賞など6部門を受賞したキャスリン・ビグロー監督が、ライブレポートのような臨場感と迫力で、見る者を震撼させる。
「9.11」以降、アメリカはテロ組織殲滅のためアフガニスタンとイラクで戦争をし、CIA職員を大幅増員させ世界中でテロ情報収集にあたらせてきた。その内のひとり、若くて優秀な分析官マヤはパキスタン情報部に派遣され、オサマ・ビンラディンの行方を追っていた。他のアルカイダ組織の重要メンバーを次々と逮捕または殺害する中、CIAの仲間7名を一度に失う自縛テロ事件が起こる。悲しみを超り越え、追求の手を緩めず、ついにビンラディンの隠れ家らしき場所を突き止める。アフガニスタンに駐在するネイビーシールズ(特殊戦闘要員)がパキスタンにある隠れ家を急襲するには、パキスタン領空を侵犯することになり、確実にビンラディンを捕獲しなければならなかった。
CIA分析官というのは、世界中で収集された情報をコンピューターのある室内で分析するだけの仕事かと思っていたら、捕えたテロリストを尋問したり拷問までするとは、タフな神経でなければ務まらないハードさだ。マヤを演じたジェシカ・チャステイン(『ツリー・オブ・ライフ』『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』)は、華奢な体つきのブロンド美人。そんな彼女が、感情を抑えながら執念深く追跡し、各エージェントに的確な指示を出すクールな分析官役を、熱い魂を感じさせるような存在感で演じて見事だ。
ビンラディン襲撃シーンは、まさに手に汗握る緊迫感に心臓が破裂しそうだった。男性監督でもこれほどの戦闘シーンを描けないのに、キャスリン・ビグロー監督の度胸の良さは計り知れないものがある。マヤという女性分析官は架空の人物だが、彼女に似た存在の人物がいたことは確か。ネイビーシールズの短時間での作戦実行など、ここまでリアルに描いて大丈夫なのか?と心配になるほど、アメリカ軍の手の内を見せている。「ゼロ・ダーク・サーティ」……オサマ・ビンラディン捕獲作戦という歴史的瞬間にあなたも立ち会ってみませんか?
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://zdt.gaga.ne.jp/
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