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『テッド』

 
       

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作品データ
原題 TED
制作年・国 2012年 アメリカ 
上映時間 1時間46分
監督 セス・マクファーレン
出演 マーク・ウォールバーグ、ミラ・クニス、セス・マクファーレン(声の出演)、ノラ・ジョーンズ他
公開日、上映劇場 2013年1月18日(土)~TOHOシネマズ スカラ座、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、TOHOシネマズ二条他全国東宝系ロードショー

~毒舌おっさんキャラのテディベアに悶絶!~

ted-2.jpg ギャップが笑いを生むのはよくある話だが、本作で登場するテディベア・テッドは群を抜いている。かわいい見かけとは裏腹に、中身は毒舌中年オヤジ。それもそのはず、テッドは主人公ジョンが8歳の時のクリスマスプレゼントとして颯爽と現れ、以来27年間ジョンと共に生きてきたのだから。青春の酸いも甘いも噛みしめて、もう“ピュア”じゃいられない訳だ。大人になりきれない35歳男と相棒のテッドが繰り広げる究極のバディームービー、おとぎ話ではないリアルな現代を生きるからこその毒舌に爆笑必至だ。

ted-4.jpg 友達がいなかった少年ジョンの唯一の友達、テッドが本当にしゃべりはじめ、奇跡のテディベアとして全国区の人気者になり・・・とさらりと栄光の日々を映し出してから、あっという間に27年後の情けない二人の姿が映る。名子役で名を馳せた俳優がその後送る人生を皮肉るかのようなダークキャラのテッドは、薬に女に好き放題だが、結局親友はジョンだけだ。そのジョンも未だパッとしない人生を送っており、テッドと80年代のお気に入り映画を見て盛り上がる、中身は少年のイタい中年男。そんな依存しすぎな二人の関係が、カッコよく悪と闘うバディームービーとは一線を画したコミカルな騒動を次々と巻き起こす。

ted-3.jpg 『ザ・ファイター』や『ディパーテッド』で実力派俳優としてのキャリアを見事に築き上げたマーク・ウォールバーグが、コメディーでもイキイキと“彼女が呆れ果てるテッド依存症男”を好演。テディベアのテッド相手にライブ感溢れるオヤジトークや、果ては殴り合いまで繰り広げ、中年男のリアルな日常満載だ。ジョンにはもったいないぐらい魅力的な彼女、ロリー(ミラ・クニス)が真剣に嫉妬する姿に、「こんな彼氏を持つと苦労するね」と思わず同情してしまう。大人になれない男たちが蔓延る今だからこそ、ロリーの葛藤ぶりやジョンの精神的な成長が隠し味のように効いてくる。

 80年代映画ネタ(『フラッシュ・ゴードン』主演サム・ジョーンズが本人役で登場)を盛り込み、しっかりと映画マニアの心を掴むあたりも心憎い。自らテッドの声も担当し、原案、製作、共同脚本まで手掛けた才人セス・マクファーレン監督の長編デビュー作。自由奔放な斬新キャラを主軸に、実在セレブだろうがこき下す毒舌ぶりも痛快だった。(江口 由美)

公式サイト⇒http://ted-movie.jp/
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