原題 | The Best Exotic Marigold Hotel |
---|---|
制作年・国 | 2011年 イギリス=アメリカ=アラブ首長国連邦 |
上映時間 | 2時間4分 |
監督 | ジョン・マッデン |
出演 | ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、ペネロープ・ウィルトン、デヴ・パテル、セリア・イムリー、ロナルド・ピックアップ、トム・ウィルキンソン、マギー・スミス |
公開日、上映劇場 | 2013年2月1日(金)~TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OS ほか全国ロードショー |
~魔法の国インドを舞台に、シニア世代への人生讃歌~
夫に先立たれ、心機一転、今までと全く違う暮らしを始めようとするイヴリンは、その再生の地をインドに決め、エキゾチックな魅力に満ちた高級リゾートホテル『マリーゴールド・ホテル』を予約した。ところが、彼女を待っていたのは、電話やシャワーは役に立たず、ドアなしの部屋もあるという改装中のオンボロホテルと、将来への夢だけはでっかい若きインド人オーナーだった。イヴリンと同じように、イギリスから期待を抱いてここを訪れた男女が他にも6名いて、それぞれの想いや希望が交差する。そして、それぞれの新しい物語が紡がれていく。
そうそうたるベテラン俳優たちのコラボレーションは言うまでもなく素晴らしいが、もう一つ、この映画には忘れてはならない主役がいる。インドという独特の国だ。イヴリン役のジュディ・デンチは「インドは、それまで当然だと思ってきたものすべてを攻撃してくる」と語ったそうだが、混沌たる町の喧騒、鮮やかな色彩の渦が、魔法のように私たちを一気に絡め取ってしまう。そして、そういう表面的な陽気さだけでなく、この現代にあっても、未だ払拭されていないインドの身分制が、食事係の娘とのシーンで描かれ、人々の生活の陰の部分をも引きずり出す。
チャレンジする気持ちを取り戻す者、若者のように恋をスタートする者、ずっと気にかけていた人と再会する者、冷め切った夫婦関係を正面から見つめ直す者、不満と愚痴だらけの日々を脱却する者……熟年男女たちに訪れた変化は、若いオーナーの進むべき方向をも照らし、ボロホテルはいつの間にかけっこう素敵なコミュニティへと進化する。よく言われるように、「年齢は関係ない。人はいつからだって何か新しいことを始められる」ってことを、説教臭なしに、軽やかに、ユーモアも随所に効かせて描いた群像劇。人間、周囲の思惑だとかモラルを気にするより、やっぱり自分が生きやすい道を選ぶほうがイイに決まってると改めて思うのだ。
(宮田彩未)
公式サイト⇒ http://www.foxmovies.jp/marigold/
© 2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.