原題 | The Hobbit: An Unexpected Journey |
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制作年・国 | 2012年製作 アメリカ |
上映時間 | 2時間50分 |
原作 | J.R.R.トールキン「ホビットの冒険」(岩波書店より発売中) |
監督 | ピーター・ジャクソン |
出演 | イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ、ケイト・ブランシェット、イアン・ホルム、クリストファー・リー、イライジャ・ウッド |
公開日、上映劇場 | 2012年12月14日(金)~大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ梅田、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマほかでロードショー |
~『ロード・オブ・ザ・リング』を遡る新3部作~
『ロード・オブ・ザ・リング』3部作シリーズ(2001年・2002年・2003年)は全世界的に大ヒットした。それはJ.R.R.トールキンのファンタジー小説「指輪物語」を原作にしたものだった。しかし、「指輪物語」には前作がある。みなさんも知っておられると思うが、「ホビットの冒険」(岩波書店より発売中)だ。
ピーター・ジャクソン監督は、まず、第2弾の「指輪物語」を映画化し、そして、この第1弾へと遡り系で、3部作にて映画化しようとしているのだ。まさに、『スター・ウォーズ』シリーズで、ジョージ・ルーカスがやった試みと同様のセンスである。さらに、『ロード・オブ・ざ・リング』でこの物語の虜になった人たちへも、十二分に訴求できる仕上がりとなっている。何といっても、前作シリーズでお馴染みのキャラクターたちが、少しずつ出てきて、クリーチャー・ゴラムにまつわる指輪譚などは、前作へのキー・ポイントを握っているシークエンスだ。
さて、前作はファンタジー映画のジャンルに括られていたが、本作はロードムービー・スタイルは踏襲しつつも、アクション映画性、ジャクソン監督が『キング・コング』(2005年)で示したモンスター映画性へと、比重を掛けた作品となっている。さらに言うと、今回シリーズでは、前作のイライジャ・ウッドと同様、日本では余り知られていない俳優たちを主演クラスで起用している。映画『ラブ・アクチュアリー』(2003年)、TVドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』などに出演していたマーティン・フリーマンしかり、イギリスのテレビドラマなどで、本国では有名らしいリチャード・アーミティッジしかり。未来のスターを作り出そうとする意図は、本作でも受け継がれている。
祖国を悪の竜に奪われ、今や流浪の民になったドワーフ13人が、祖国を取り戻すべき戦いへと旅立っていくストーリー展開。彼らに協力するホビット役主人公、加えて、魔法使いのガンダルフがサポーター役となる。ということで、第1弾の大きな見どころは、目的地へ辿り着くまでの途上での「一難去って、また一難」というアクション・シーンである。もちろん、3Dで見れば、臨場感はもの凄いものがある。狭い洞窟内での剣戟、集団追逃劇、崖の上下アクションなど、洞窟内アクトは特筆すべきところがあった。洞窟内アクションでは、スピルバーグの『レイダース』(1981年)や『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(1984年)に勝るとも劣らない仕上がり。とにかく、第2弾(2013年12月13日日本公開)、第3弾(2014年7月18日公開)への期待が高まる第1弾である。(宮城正樹)
公式サイト⇒http:/www.hobbitmovie.jp
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