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原題 | Les Misérables |
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制作年・国 | 2012年 イギリス |
上映時間 | 2時間39分 |
原作 | ヴィクトル・ユゴー |
監督 | トム・フーパー |
出演 | ヒュー・ジャックマン(ジャン・バルジャン),ラッセル・クロウ(ジャベール),アン・ハサウェイ(ファンテーヌ),アマンダ・セイフライド(コゼット),エディ・レッドメイン(マリウス),サシャ・バロン・コーエン(テナルディエ),ヘレナ・ボナム=カーター(マダム・テナルディエ),サマンサ・バークス(エポニーヌ),アーロン・トヴェイト(アンジョルラス),コルム・ウィルキンソン(司教),イザベル・アレン(リトル・コゼット),ダニエル・ハトルストーン(ガブローシュ) |
公開日、上映劇場 | 2012年12月21日(金)~TOHOシネマズ日劇、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)ほか全国ロードショー |
~明日が来る!と,希望に胸を膨らませて~
日本語タイトルが「ああ無情」というユゴー原作の小説があった。そこから舞台ミュージカル「レ・ミゼラブル」が生まれ,1985年ロンドンで初演された。そして今,これをベースに映画版が誕生した。ミュージカルナンバーがスクリーンで躍動する。撮影と同時に俳優の生の歌声が収録されたという。歌う俳優の表情が大きく映され,目と耳に響いてくる。ファンテーヌの「夢やぶれて」では,心の奥から計り知れない悲しみが絞り出される。
また,リトル・コゼットの天使のような歌声に魅了され,その清らかな美しさが印象づけられる。そのため,後のマリウスの一目惚れに説得力が生まれる。その彼にひたむきな思いを捧げるエポニーヌが切なく,彼女の歌う「オン・マイ・オウン」に胸が痛む。登場人物が明日に思いを馳せる「ワン・デイ・モア」には映画的な高揚感がある。エンディングで歌われる「民衆の歌」は,壮大で,きっと明日が来ると信じさせる迫力に満ちている。
大きく3つのパートに分けられる。それぞれの冒頭で登場人物が手際よく紹介されるので,心地良い。特に3部の始まりで,ひたすらマリウスの姿を追うエポニーヌの表情は見逃せない。俳優の目力と見事なカッティングが相俟って,彼女の心情がしっかり焼き付けられる。ストーリーの軸になるのはジャン・バルジャンだ。妹の子のためにパンを盗んだ上に脱獄を重ねて19年間服役し,仮釈放された。悪党,危険人物とレッテルを貼られる。
有名な銀の燭台のシーンに,まず泣かされる。虐げられてきたバルジャンに司教が与えたものは魂の救いだと,観る者の心に染みるからだ。だが,ジャベールが執ようにバルジャンを追ってくる。まるで過去から逃れられないと言うかのように。彼は,未来を若いマリウスに託したとき,やっと暗い過去から解き放たれる。ファンテーヌに導かれて神の国へと旅立つ「エピローグ」が教会で歌われ,その音響が素晴らしい。至福の時間が流れる。
(河田 充規)
公式サイト⇒ http://lesmiserables-movie.jp/
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