原題 | Comme un Chef |
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制作年・国 | 2012年 フランス |
上映時間 | 1時間25分 |
監督 | ダニエル・コーエン |
出演 | ジャン・レノ、ミカエル・ユーン、ラファエル・アゴゲ、サロメ・ステヴナン、ジュリアン・ボワッスリエ、セルジュ・ラリヴィエール、イサ・ドゥンビア、ヴァン・ヘイ・ミーン他 |
公開日、上映劇場 | 2012年12月22日(土)~銀座テアトルシネマ、シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー |
~でこぼこコンビのシェフが作る美味しい人生とは?~
殺伐としたニュースが目立つ昨今、気分を明るくしたいなら、断然これをお薦めしたい。おなかの皮がよじれるほど笑って、最後には、胸のあたりがやわらかくなる、そんなフレンチ・コメディだ。
シェフとして必要な味覚と嗅覚に優れ、有名シェフのレシピを正確に記憶して再現できる腕を持っているのに、周囲に合わせられない性格のために仕事が長続きしないジャッキー。彼は、安定収入を得る必要性に迫られ、やむなく老人ホームのペンキ塗りの仕事を始める。一方、20年間、三ツ星を守り続けてきた超有名レストランのベテランシェフ、アレクサンドルは新メニューがひらめかず、彼をクビにしようと画策するオーナーとの間でトラブル続き。ひょんなことから、ジャッキーとアレクサンドルがタッグを組むが…。
数多く出てくる料理に目を奪われ、思わず食欲が刺激される。伝統的な料理に対して、近年注目されている“分子料理”もこの映画には登場するが、分子料理への揶揄を含めた描き方、それは新しいものだけが良いとする風潮へのアンチテーゼなのだろうと思う。試験管から生まれるような“科学的な料理”はどうもあまり美味しそうに見えないと思う私は、大いに賛同してしまった。また、一流レストランの裏舞台、それは、星取り合戦であり、星の増減によって客足にも響くとは本当に苛酷だなと感じる。コメディタッチながら、そういうシビアな料理職人の世界も垣間見えて、なかなか興味深い。
ジャン・レノとミカエル・ユーンのコンビが、サムライとゲイシャに扮する場面では、爆笑まちがいなし!その化けっぷりと変な日本語が、とんでもないシチュエーションを招き寄せ、実におかしい。主人公の二人とも、それぞれに大事な人を二の次にして、ついつい料理に入れ込んでしまい、自分自身を窮地に追い込んでしまう。だが、物語は、自分の過ちを認められれば、やり直すことはできるし、人との関係性も修復できるのだという心温まる結末へと運んでくれる。(宮田彩未)
公式サイト⇒ http://chef.gaga.ne.jp/
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