© 2012『グッモーエビアン!』製作委員会
制作年・国 | 2012年 日本 |
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上映時間 | 1時間46分 |
原作 | 吉川トリコ『グッモーエビアン!』(新潮文庫刊) |
監督 | 監督・脚本:山本透 脚本:鈴木謙一 |
出演 | 麻生久美子 大泉 洋 三吉彩花 能年玲奈 竹村 哲(SNAIL RAMP) MAH (SHAKALABBITS)/塚地武雅(ドランクドラゴン) 小池栄子 土屋アンナ(友情出演) |
公開日、上映劇場 | 2012年12月15日(土)~テアトル新宿ほか全国ロードショー |
~何ともほんわかハッピーなホームドラマ~
中学3年生のハツキの視点から描かれた爽快なファミリーの映画だ。ハツキは母アキと暮らしているが,2人が姉妹のようにゴロゴロする冒頭のシーンがいい。何しろ17歳でハツキを生んだという若さだ。元パンクスで,気持ちを大らかに生きている。そこへ外国を放浪していたヤグが突然帰ってきた。彼はアキと同じバンドのボーカルだった。面白すぎて,とても一緒には暮らせそうにないウザキャラが炸裂する。大泉洋が見事なはまり役だ。
アキとヤグは,楽しいが一番を信条に日々を送っている。バカ笑いする2人に引いてしまうハツキだが,親友のトモちゃんは羨ましくて仕方がない。ハツキは,フツーが一番だと冴えない表情だ。何とかならないのかウチの親は,というポーズを見せながらも,心の底で今の生活も悪くないと思っている。フリマで“Mission From God”のCDを手に土屋アンナの店番に「ボーカルがイマイチ」と言うシーンで,ハツキの2人への心情が浮かび上がる。
小池栄子の担任から将来を決める大切な時期だと言われ,アキから自分の将来は自分で決めたらいいと言われる。トモちゃんとはきちんとサヨナラを言わないまま離れてしまった。そんな中,ハツキはヤグに教えられる。人にも自分の気持ちにもウソついたらダメ,サヨナラとアリガトウは言えるときに言わないとダメ,と。ハツキが色々考えて決めた進路が波紋を呼ぶ。思わずヤグがハツキの頬を平手打ちするが,その後の展開がとても良い。
ハツキの横に座ったアキ,麻生久美子が聞かせる。ヤグの両親のこと,彼がずっと同じ顔で笑っているワケ,そして大切なものは形じゃないことを。ヤグは15年前の15歳のとき妊娠中のアキにプロポーズした。その子の本当の父親ではないが,ハッピーの「ハツ」とアキの「キ」でハツキと名付けた。このエピソードの後のライブシーン。ハツキとトモちゃんのリアクションにぐっと来る。ヤグが歌う「羽根ならあると彼女は泣いた」に惚れる。
(河田 充規)
公式サイト⇒ http://gme-movie.com/
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