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『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』

 
       

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作品データ
原題 First Position
制作年・国 2011年 アメリカ 
上映時間 1時間34分
監督 ベス・カーグマン
出演 アラン・ベル,ミケーラ・デ・プリンス,レベッカ・ハウスネット,ジョアン・セバスチャン・ザモーラ,ミコ・フォーガティ,ジュールズ・フォーガティ,ガヤ・ボマー・イェミニ
公開日、上映劇場 2012年12月1日(土)~Bunkamuraル・シネマ、 12月22日(土)~梅田ガーデンシネマ、1月5日(土)~シネ・リーブル神戸、京都シネマ ほか全国順次公開


~身体表現の極致を目指す子供たちの輝き~

 2000年に発足したユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)は,プロのダンサーへの登竜門で,奨学金やスカウトを求め9~19歳の男女が競うバレエコンクールだ。これに参加する6人を中心に据え,世界15以上の都市で行われる予選やNYファイナルの様子等が描かれる。彼らは踊りたい,成功したいという熱意で練習を重ね,重圧に耐え,舞台に立つ。成功に必要な条件として,体格と技術,個性のほか,多くの人がバレエへの熱意を指摘する。

firstposition-2.jpg ナポリに住むアラン11歳は,マチュー・ガニオの父デニス・ガニオに師事している。レベッカ17歳は,バレエは言葉以外で自分を表現する手段だという。シエラレオネ出身のミケーラ14歳は,内戦で親が射殺され,養女となり米国にやって来た。コロンビア出身のジョアン16歳は,英国ロイヤルバレエ団初の黒人プリンシパルのカルロス・アコスタに憧れている。ミコ12歳はバレエに生きると決めているが,弟ジュールズ10歳は少し冷めている。

 家族の精神的,経済的な支えも不可欠だ。ミコとジュールズの母は,2人の踊る姿が好きで,生活をバレエに捧げている。弟がもうやる気が湧かないと言ったときのショックは察するに余りある。ミケーラは養母に温かく見守られている。ジョアンは母がいつも「続けなさい,おまえは成功する。」と言ってくれたと感謝する。彼が故郷に戻って両親に会うシーンは,懐かしく温かい空気に包まれるだけでなく,バレエに懸ける原点を映し出す。

 バレエは確かな技術に裏打ちされた身体表現の美しさで人々を惹き付ける。日々の練習が欠かせず,食事は踊る力を蓄える手段だ。しかもサッカーと似て現役で活躍できる期間が短いと言われる。無理な姿勢の連続で,靱帯損傷や疲労骨折がアスリート並みに多いという。6人中1人は,アキレス腱炎を押してファイナルに出場し,いい表情でしなやかな動きを見せる。他の5人も各様で,ミスをして落胆する姿もあるが,総じてレベルが高い。(河田 充規)

公式サイト⇒ http://firstposition-movie.com/
© First Position Films LLC

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