『王様とボク』舞台挨拶レポートはコチラ
制作年・国 | 2012年 日本 |
---|---|
上映時間 | 1時間24分 |
原作 | やまだないと『王様とボク』イースト・プレス刊 |
監督 | 前田哲 |
出演 | 菅田将暉、松坂桃李、二階堂ふみ、相葉裕樹、松田美由紀 |
公開日、上映劇場 | 2012年9月22日(土)~シネマート新宿、シネマート心斎橋、10月20日(土)~京都みなみ会館他順次公開 |
~大人になることに戸惑い悩む青春ファンタジー~
6歳から12年間昏睡状態だった青年は、18歳で奇跡的に目覚めたが、心は6歳のままだった・・・。『ブタがいた教室』の前田哲監督が、やまだないと原作の人気アニメ『王様とボク』を実写化。大人になることへの不安や揺れ動く心を丹念に描いている。
大人になることは子どもの心を失うこと、大事なものを喪失するという恐怖感を主人公たちは抱えている。何がやりたいことなのか分からない、大人になることの責任や、自分で道を切り開かなければならないのに道が見えない不安に支配されている若者たちの姿は現代を象徴するかのようだ。一方、6歳の心を持つモリオは「大きくなったら王様になる」と目を輝かせている。ファンタジーの要素を交えて「大人になるとは」という永遠の命題を表現した前田監督の意欲作。本作が初主演となる菅田将暉をはじめ、今後主演作が目白押しの松坂桃李、圧倒的な存在感をみせる二階堂ふみなど期待の若手俳優たちが等身大で表現した希望と葛藤の青春物語は、どこかほろ苦く切ない後味を残した。(江口由美)