原題 | Haywire |
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制作年・国 | 2011年 アメリカ |
上映時間 | 1時間33分 |
監督 | スティーヴン・ソダーバーグ |
出演 | ジーナ・カラーノ、マイケル・ファスベンダー、ユアン・マクレガー、ビル・パクストン、チャイニング・テイタム、アントニオ・バンデラス、マイケル・ダグラス |
公開日、上映劇場 | 2012年9月28日(金)~TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ西宮OS、TOHOシネマズ二条 他にて全国ロードショー |
~スパイ・アクションの原点へ回帰した痛快作!~
女の人がヒロインになって派手にアクションを披露する映画は、これまでに多数の映画が出てきている。そういう中でさらに絞り込むと、本作は女スパイものということになる。アクション的には、女暗殺者映画と同等のジャンル映画かもしれない。ただ、女スパイはより緻密さが求められると思うのだが、バックにいるのが政府か民間企業かによっても、微妙に左右される。
例えば男スパイなら、ジェイソン・ボーンのシリーズや『ミッション:インポッシブル』シリーズのようにCIA系統であれば、国家のバックアップがあった上でのミッションの構図である。『007』もご存知の通り、英国女王御用達。しかし、本作の場合は、フリーランスのスパイが活躍する映画なのだ。しかも、依頼主は謎めいた民間人だ。みなさんには、この点を頭の片隅において見てもらいたい。当然のことながら、フリーだと試練の多さや難解度が高くなるだろう。もちろん、見ている側の緊張度やハラハラドキドキ感も増してくる。
さて、ソダーバーグ監督としては、『007』シリーズの3作目までを意識して作り上げたと言う。その意図するところとは、ミラクル兵器や空飛ぶ車などを使わずに、1対1対決のガチな格闘系アクションであったり、生身一つで追逃走劇などを演じて、アクション映画の原点とも呼ぶべきところで魅せたいという狙いである。そして、この映画で監督は、女子格闘家としては有名だが、演技は未知数のジーナ・カラーノを主演にキャスティングしてみせたのだ。だが、これが監督の意図を、ほぼ百パーセントに近い形で実現したといえる。
アクション・シーンのタイトでカチッとした作りが、全編を引き締まった作りにしている。冒頭からサプライズ感あるシーンから始まり、ヨーロッパ各地での緊張感あふれるミッション・シーンが展開し、後半ではヒロインが、ユアン・マクレガーら指令側の裏切りに対する、リベンジへと突き進む。DVD化されてる最新の女スパイ映画、例えばアンジェリーナ・ジョリー主演の『ソルト』などと比べてみると、本作との違いは誰が見ても明らかになるだろう。最後まで見てスカッとするだけではない。娯楽映画としてリアリティーを含め、十二分に楽しめる作りになっていた点を認識できる痛快作だ。 (宮城 正樹)
公式サイト⇒http://www.mallory-movie.com/
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