『映画 ひみつのアッコちゃん』セレモニー&完成披露試写会レポートはコチラ
(c)赤塚不二夫/2012「映画 ひみつのアッコちゃん」製作委員会
制作年・国 | 2012 日本 |
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上映時間 | 2時間 |
原作 | 赤塚不二夫『ひみつのアッコちゃん』(協力:フジオプロ) |
監督 | 川村泰祐 |
出演 | 綾瀬はるか、岡田将生、谷原章介、吹石一恵、大杉漣、鹿賀丈史、香川照之、もたいまさこ 他 |
公開日、上映劇場 | 2012年9月1日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、TOHOシネマズ二条 他全国ロードショー |
~魔法のコンパクトで会社を救う!?平成のアッコちゃん参上!~
「それはひみつ、ひみつ、ひみつ、ひみつのアッコちゃん♪」子どもの頃一番好きだった赤塚不二夫原作のアニメ、『ひみつのアッコちゃん』。68年TVアニメとして放映され、以降も2度に渡ってTVアニメがオンエアされたアッコちゃんが50周年を迎える今年ついに実写化される。アッコちゃんを演じるのは当代きってのコメディエンヌ、綾瀬はるか。そして相手役となる爽やかサラリーマンを演じるのは『プリンセストヨトミ』以来の共演となる岡田将生。魔法のコンパクトに「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン~」となりたいものの名を唱えると変身できるマジカル体験がスクリーンで鮮やかによみがえる。
小学5年生の加賀美あつ子、通称アッコは、ひょんなことから鏡の精(香川照之)にプレゼントされた魔法のコンパクトの力で「大人のわたし」(綾瀬はるか)になり、一目ぼれした尚人(岡田将生)と再会する。尚人が勤める化粧品会社でアルバイトとして働くうちに、大人の世界の矛盾や仕事の大変さ、そして思ったことが自由にやれない不自由さに気付くアッコ。一方会社の危機に立ち向かいたくても力不足を感じている尚人にとって、あまりにもシンプルに思ったことを所構わず言う不思議な魅力のアッコは、後ろ向きになった自分を立て直すきっかけを与えてくれる存在だった。
11歳の心で大人の体をしたアッコちゃんを綾瀬はるかがビビッドに演じ、不思議ちゃんなのに憎めない魅力的なアッコ像を体現している。幾多のコスプレはもちろん、60年代ファッションをモチーフにした原色のキュートなファッションも十分楽しめるし、アッコちゃん以外の変身した人たち(元社長役の大杉漣とか)の思わぬガ―リーな立ち振る舞いも笑えるコメディー要素も満載。いつの間にか綾瀬はるか演じるアッコちゃんワールドに飲み込まれしまう。
ひみつを抱えたアッコちゃんの恋の行方や、絶体絶命の会社を救うエピソードを交えながら、最後には鏡の精から「大人って何?」という根源的な問いが投げかけられる。体の大きさや、生きてきた長さだけではない大人の定義、そう考えると案外奥深く観ることもできる。魔法はあくまでも手段。結局好きだと思うものになったときに何を感じるか、本当になりたかったのかと自問し、自分を見つめ直すきっかけになることが、大人の今になると分かるのだ。(江口 由美)
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(C)赤塚不二夫/2012「映画 ひみつのアッコちゃん」製作委員会