原題 | THE VOW |
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制作年・国 | 2012年 アメリカ |
上映時間 | 1時間44分 |
原作 | スチュアート・センダー( |
監督 | マイケル・スーシー |
出演 | レイチェル・マクアダムス、チャニング・テイタム他 |
公開日、上映劇場 | 2012年6月1日~大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ梅田、なんばパークスシネマ、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、TOHOシネマズ二条他全国ロードショー |
~記憶を失くし、ゼロから出発する夫婦の愛~
実話を元にした夫婦の葛藤と再生のストーリーに、ありきたりな奇跡は起こらない。その代わりに、真っ直ぐに最愛の人を想い続ける気持ちが、新しい二人のストーリーを紡いでいく。幸せの絶頂で、事故により記憶を失った妻とその夫を演じるのは、ハリソン・フォードと共演の『恋とニュースのつくり方』でコメディエンヌの素質を開花させた人気若手女優レイチェル・マクアダムスと、『親愛なるきみへ』の好演も記憶に新しいチャニング・テイタム。失った記憶を思い返すことより、今を大事にすることによってまた新しい運命を切り開く二人に注目したい。
彫刻家のペイジ(レイチェル・マクアダムス)とスタジオを経営するレオ(チャニング・テイタム)は、友人だけで結婚式を挙げ、幸せな日々を送っていたが、二人の乗った車が追突事故に遭い、ペイジが昏睡状態の後記憶を喪失していることが分かる。レオと出会ってからのことを全て忘れてしまったペイジだが、実は上流階級の両親を持ち、かつてはロースクールに通う優等生だった。
レオと過ごした記憶を失うことで、家を出る前の箱入り娘状態に戻ったペイジは、レオにしてみればまるで別人。レオが必死で二人の生活を取り戻そうとすればするほどペイジの中に生じる違和感や、再びペイジをデートに誘いゼロからスタートしようとするレオの努力を滑稽さも滲ませながらリアルに描いていく。ペイジがレオと出会う前に断絶していた親子の絆や、親に認められた結婚でなかったことも明らかになり、まさに困難山積み状態だ。両親とレオとの板挟みでつらい境遇のはずのペイジを演じるレイチェル・マクアダムスが気負わないチャーミングな演技を披露し、それでも前を向いて生きる姿にむしろ勇気づけられる。
結局失った記憶が戻らなくてもペイジの内なるものは変わることはなかった。一度は別れても再び出会って恋をするなら、それはまさしく運命の二人なのだろう。ありのままの相手を受け入れられてこそ本当の愛。実話から誕生した夫婦のラブストーリーは夫婦の絆を改めて見直すきっかけを与えてくれそうだ。(江口 由美)
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