(C) 2009 Last Night Productions, Inc.
原題 | LAST NIGHT |
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制作年・国 | 2010年 アメリカ=フランス |
上映時間 | 1時間32分 |
監督 | マッシー・タジェディン |
出演 | キーラ・ナイトレイ,サム・ワーシントン,ギョーム・カネ,エヴァ・メンデス |
公開日、上映劇場 | 2012年5月12日(土)~新宿ピカデリー、梅田ガーデンシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹、MOVIXエコあまがさき他全国ロードショー |
~ジョアンナとマイケル,2人の選択は?~
一口にラブストーリーと言っても,ここには恋の甘い香りはない。冒頭から夫婦間の距離を感じさせるシーンが続く。ジョアンナとマイケルは結婚3年目になる夫婦で,ニューヨークに住んでいる。マイケルは,不動産開発の仕事で同僚のローラと同じ企画を担当していた。ジョアンナは,パーティで2人の親しげな様子を見て,互いに気があると疑う。翌朝,気を取り直してマイケルを出張に送り出した後,突然アレックスに声を掛けられる。
ジョアンナは,アレックスと少し付き合って別れた後,マイケルと結婚していた。そのことを知りながら,アレックスは恋しさを募らせてジョアンナに会いに来た。その夜,マイケルは出張先でローラと一緒に過ごす。彼女は,愛する男性を亡くして孤独を抱えた状態でマイケルを誘惑するが,彼をジョアンナから奪おうとしたわけではない。ただアレックスと同様に自分の感情に素直だった。そのころ,ジョアンナはアレックスと一緒だった。
2組の男女の状況をクロスカットの手法で繋ぐことで,離れた場所のジョアンナとマイケルが駆け引きをしている感覚を生み出している。2人が内側から湧き上がる感情を抑えて現実と折り合おうとする様子が描かれていく。ただ,中編にまとめられるストーリーを引き伸ばしたようで,やや冗漫な印象があることも否めない。監督は,サイドストーリーを広げないで,ジョアンナとマイケルの心の揺れに観客の神経を集中させたかったようだ。
ジョアンナは,善悪の問題を離れて感情に素直に行動するが,行き着くところまで行ってしまわず,途中で立ち止まる。一方,マイケルは,善悪の問題が頭をもたげて行動を抑制するが,途中で踏み止まれず,行き着くところまで行ってしまう。彼は,後悔して出張を切り上げ,すぐジョアンナの下に戻った。これに対し,ジョアンナは,マイケルを待っていたわけではなかったように見える。ラストの2人の表情に何を思うかは,観客次第だ。(河田 充規)
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