「JPOP」と一致するもの
大正12(1923)年5月、江戸時代から続く芝居街・道頓堀に‟日本最初の鉄筋コンクリート造の活動写真館”として建築・開場された大阪松竹座は、本年、開場100周年を迎えました。
現在の松竹座は、平成9年(1993)3月の新築再開場以来、歌舞伎、喜劇公演、一般演劇、レビュー、ミュージカル、コンサート、落語会などの幅広い舞台公演を上演する演劇専門劇場として親しまれていますが、100年前の創建当初の松竹座は「実演のできる映画館」という当時最新のコンセプトのもと、優秀映画の上映と新進気鋭の多彩な実演を組み合わせた新しい興行スタイルの劇場として大いに人気を博しました。その後、戦前から戦中にかけては時代の情勢とともに徐々に映画上映に軸足を置き、昭和20年(1945)の大阪大空襲にも耐えた松竹座は、終戦直後の8月には早くも映画興行を再開。戦後は主に邦画洋画の封切館として数々の名作大作映画とともに、およそ半世紀に亘り映画ファン憧れの劇場として親しまれました。
今回、大阪松竹座の開場100周年を記念して、かつて映画館として長年皆様に愛された松竹座を会場に、ゴールデンウィーク期間中の特別映画イベント《道頓堀 松竹座 映画祭》を開催する運びとなり、この度、上映作品ラインナップが決定いたしましたのでお知らせいたします。
洋画上映作品は、かつて松竹座で上映された「風と共に去りぬ」「ジョーズ」「E.T.」などをはじめ、「ローマの休日」「アラビアのロレンス/完全版」「2001年宇宙の旅」等の名作を選りすぐりました。
邦画作品は松竹大船作品から「君の名は(第1部)」、生誕120年を迎えた小津安二郎作品「東京物語」、同じく生誕110年を迎えた木下惠介作品「喜びも悲しみも幾年月」、山田洋次作品「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」など松竹映画の不朽の名作とともに、近年松竹座の舞台公演でも活躍した関西ジャニーズJr.等の主演映画もラインナップいたします。さらに大阪で唯一の活動写真弁士・大森くみこ出演によるサイレント映画の特別上映にもご注目ください。
ゴールデンウィークの特別映画イベント「道頓堀 松竹座 映画祭」にどうぞご期待ください。
(オフィシャル・リリースより)
娘を殺された元夫婦と、犯行時に未成年だった加害者の女性・夏奈。癒やしようのない苦しみに囚われた3人の葛藤を見すえ、魂の救済、赦しという深遠なテーマに真っ向から挑んだ問題作『赦し』。いよいよ 3月18日(土)より、ユーロスペース、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開、関西ではシネ・リーブル梅田ほかにて3月24日(金)より公開となります。
怒りと憎悪の呪縛に囚われた主人公、克を演じるのは、フィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサと組んだ主演作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』が記憶に新しい尚玄。元妻の澄子に扮するのは、第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞したMEGUMI。そして、映画デビュー作『渇き。』などで独特の存在感を示してきた新進女優、松浦りょうが夏奈役に大抜擢。監督は世界各国の映画祭で話題を呼んできた日本在住の気鋭のインド人監督アンシュル・チョウハンの最新作です。
【日時】 3月11日(土) 12:00回終了後(13:38~13:50)
【場所】 シネ・リーブル梅田
(大阪市北区大淀中1丁目1−88 梅田スカイビル タワーイースト3・4階)
【登壇者】 尚玄、松浦りょう、アンシュル・チョウハン監督 ※敬称略
そんな本作の公開に先立ち、3月11日(土)に大阪アジアン映画祭 コンペティション部門で上映され、主演の尚玄さん、夏奈役に抜擢された松浦りょうさん、監督のアンシュル・チョウハンが登壇し、舞台挨拶とQ&Aを行いました。
まずは、監督が「ご来場いただきありがとうございます。大阪アジアン映画祭で上映でき、皆さんの前で挨拶できることを嬉しく思っています。皆さんにこの映画を楽しんでいただけたのか気になっているので、Q&Aを楽しみにしています」、尚玄さんは「ジャパンプレミアで大阪アジアン映画祭に戻ってこられて嬉しいです」と挨拶し、Q&Aに。
最初に、「大変興味深く拝見させていただきました。観た人それぞれの視点がある作品だと思います。特に、ポスターにも使われている松浦さんの振り返りのショットが印象的でした。彼女の表情にどのような演出をされたのでしょうか」という質問に対して監督は、「これは12テイク目でした。こういうものにしたいというイメージが自分の中にあったので、テイクを重ねて彼女の肩の位置や傾き加減など細かく指示をしました」と明かし、「映画の中でも特に大事なシーンになるので、観客の皆さんを見ているのか見ていないのか絶妙なバランスを意識して、自分の目指すイメージを意識して撮影しました」と、重要なシーンをどう見せるかへのこだわりを語りました。
次に、「当初の脚本から撮影時の脚本に落とし込むまでに大きく変わったことはありますか?」という質問に対して監督は、「2018年に初めて脚本を読んだ時は映画化する気持ちまで持っていけなかった」そうですが、その後、「コロナになって誰もが家に閉じこもるようになった時に読み返して、これは映画化すべきだと思いました。そこから日本で撮影できるように、少年法など日本の法律に沿って変わった部分や実際に裁判へ赴いて細かいところ調査しながら脚本を改正していきました」と時流や日本に合わせた脚本の変遷について明かしました。
最後に、尚玄さんと松浦さんへの「役作りの過程で一番難しかったこと」という質問について尚玄さんは、「全てが大変でした」と前置きし、中でも「僕は当事者ではないので、当事者じゃない人間がその人が抱えているものをリアルに表現できるのかということにすごく真摯に向き合いました」と役作りへの思いを語り、「(松浦)りょうちゃんと対峙している場面は芝居ではなかったから、監督の指示もありましたし、撮影が終わるまで一言も話さなかったです」と緊張感が漂っていた対峙シーンの裏側を明かしました。さらに、続けて「監督が早い段階で衣装を用意してくれたことがすごく幸運でした」と話し、「3週間前から衣装を着て、克として生活していました」と真摯に役に向き合い続けた日々を明かしました。
そして、松浦さんは、「私も、殺人を犯したことも刑務所に入ったこともないので、役作りとして経験できることではないし、殺人を犯してしまった方のインタビューを見て、役に落とし込んで考えました。その上で、刑務所の生活にできるだけ近い生活をして孤独を知ることで役を作り上げていきました。その時間が一番しんどかったです」と役作りについて明かしました。
観客から大きな拍手で見送られ、舞台挨拶は終了しました。
■監督・編集:アンシュル・チョウハン(『コントラ KONTORA』
■撮影:ピーター・モエン・ジェンセン 音楽:香田悠真
■出演:尚玄 MEGUMI 松浦りょう 生津徹 藤森慎吾 真矢ミキ
■プロデューサー:山下貴裕 茂木美那 アンシュル・チョウハン
■エグゼクティブ・プロデューサー:サイモン・クロウ ランカスター文江
■アソシエイト・プロデューサー:前田けゑ 澤繁実 岡田真一 木川良弘
■脚本:ランド・コルター
■助成:文化庁
■製作プロダクション:KOWATANDA FILMS、YAMAN FILMS
■配給:彩プロ
■2022年/日本/日本語/カラー/2:1/5.1ch/98分
■原題(英語題):DECEMBER
■©2022 December Production Committee. All rights reserved
■公式サイト:https://yurushi-movie.com/
3月18日(土)より、ユーロスペース、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
3月24日㈮より、シネ・リーブル梅田/シネマート心斎橋/アップリンク京都/シネ・リーブル神戸にて
(オフィシャル・レポートより)
50年にわたるキャリアの中で、『シンドラーのリスト』でアカデミー賞®作品賞・監督賞を受賞し、『プライベート・ライアン』で同賞監督賞を受賞するなど、映画史に残る名作で知られる巨匠スティーヴン・スピル バーグ。この度、本監督の新たなる代表作が誕生しました!『E.T.』、『ジュラシック・パーク』など史上最も愛され、変幻自在なフィルモグラフィを世界に送り出してきた巨匠が“映画監督”になる夢を叶えた自身の原体験を描いた最新作『The Fabelmans』(原題)が、邦題『フェイブルマンズ』として2023年3月3日(金)より全国公開が決定! 本年度アカデミー賞
2017 年映画賞を総なめし、世界を震撼させた傑作『スリー・ビルボード』から5年。いまなお演劇界・映画界の最前線に立つ鬼才マーティン・マクドナーの全世界待望の最新作『イニシェリン島の精霊』が 1 月 27 日(金)に日本公開致します。
この度、第80回ゴールデングローブ賞におきまして、作品賞(ミュージカル/コメディ部門)、主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)コリン・ファレル、脚本賞マーティン・マクドナーの<最多3部門で受賞>を果たしました。
「すべてがうまく行っていた、昨日までは。」本作の舞台は本土が内戦に揺れる 1923 年、アイルランドの孤島、イニシェリン島。島民全員が顔見知りのこの平和な小さな島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。賢明な妹シボーンや風変わりな隣人ドミニクの力も借りて事態を好転させようとするが、ついにコルムから「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされる。美しい海と空に囲まれた穏やかなこの島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つ。その先には誰もが想像しえなかった衝撃的な結末が待っていた…。
公開各国で大ヒット!マーティン・マクドナー作品の人気!
先の第 79 回ヴェネチア国際映画祭においてヴォルピ杯 男優賞【コリン・ファレル】、脚本賞【マーティン・マクドナー】の 2 冠を手にし熱い注目を浴びている本作は、10 月 21 日(金)に日本に先駆けて世界各国で公開されるや、同日公開の超大作『ブラックアダム』に引けを取ることなく、北米では全世界興収 1 億ドル突破の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に迫る、今年の館アベレージ 2 位を記録し、イギリスでは週末興行収入ランキングで 2 位、そして物語の舞台でもあるアイルランドでは 1 位発進と各国で堂々の大ヒットスタートを切りました。全米最大のレビューサイト Rotten Tomatoes でもほぼ満場一致の絶賛が続くなか、賞レースの口火を切る形でナショナル・ボード・オブ・レビュー賞でも本作が主演男優賞【コリン・ファレル】、助演男優賞【ブレンダン・グリーソン】、脚本賞【マーティン・マクドナー】の主要 3 部門を受賞。今回のゴールデングローブ賞受賞によりアカデミー賞®最有力作品としてますます前進する結果となりました!
才気に満ちたセリフの応酬とともに喜劇と悲劇のはざまを揺れ続け、突然訪れるクライマックスに震撼する、まさに“マクドナー印”の最新作『イニシェリン島の精霊』はいよいよ今月公開!賞レースの活躍にも引き続きご注目ください。
■監督・脚本:マーティン・マクドナー「スリー・ビルボード」
■出演:コリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン、ケリー・コンドン、バリー・コーガンほか
■原題:The Banshees of Inisherin
■全米公開:2022 年 10 月 21 日
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2022 年/イギリス・アメリカ・アイルランド ©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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2023年1月27日(金)より TOHO シネマズ梅田ほかロードショー
(オフィシャル・リリースより)
【元カノ】松本穂香×【今カノ】玉城ティナ×【カレ】渡邊圭祐。映画『恋のいばら』が、いよいよ 1 月 6 日(金)より全国公開いたします。本作は、一人の男性を巡る元カノと今カノによるいびつな三角関係を描き、突然恋人に振られた主人公が、彼の今カノに"ある秘密"の共犯関係を持ち掛けたことからストーリーが展開。現在 47 歳にして、これまでに 100 作以上を監督する、現在の日本映画界に於いて最も多作かつ話題作を提供し続ける城定秀夫監督の最新作となります。
12 月 16 日(金)に TOHO シネマズ 日本橋スクリーン6にて、完成披露試写会イベントを開催。松本穂香、玉城ティナ、渡邊圭祐、城定秀夫監督が登壇し、映画の見どころとともに、恋愛ありなしトークで盛り上がりました!
日程:12月16日(金)
実施時間:18:00~18:30
会場:TOHO シネマズ 日本橋 スクリーン6
(東京都中央区日本橋室町2丁目3−1 コレド室町 2 3F)
参加者(敬称略):松本穂香、玉城ティナ、渡邊圭祐、城定秀夫監督
松本演じる元カノ・桃は、元カレの今カノをインスタで特定し、今カノに会いに行ってしまう行動力ありすぎ女子。松本は「衝動的に言ったり動いたり、頭の整理がつかないままにやっている。ふわっとして掴みどころのない人だけれど実は…という女性です」と役柄を紹介した。
玉城演じる莉子は、派手系な見た目ながらも占いを気にしてしまうギャップ女子。玉城は「ダンスをやったり、メイクも濃くしたり、表面的には強く見えるけれど、内面は女子らしいところもあって弱い部分もある。ストーリーが進む中で印象も変わっていくはず」と解説し、この日の自身のファッションについては「役の印象に合わせて派手に来ました」と笑顔を見せた。
渡邊は、今カノ・莉子と元カノ・桃の間に知らない内に挟まれてしまう健太朗役。一見クズ男に思えてしまうことから、渡邊は「物凄くピュアな心で色々なことをやったり喋ったりしているだけの男なので…健太朗を嫌いにならないで帰って欲しいです!」と観客に懇願していた。
それに対し城定監督は「渡邊さんに会ったことで、健太朗を憎めなくできそうだと思った。それで台本も修正しました。健太朗は無邪気にやっているだけなのに、女性から見るとクズなのかなと…」と苦笑い。
本作の脚本を執筆する上では「今っぽい恋愛を澤井香織さんと相談しながら書いていきました。僕はインスタとかよくわからないので、そういった現代的な点は助監督などの若者を頼りました」と振り返った。
この日の舞台挨拶では、元カノ・今カノ・カレの“いびつな三角関係”を描いている内容にちなんで、恋愛ありなしトークを展開。「恋人の携帯やパソコンを勝手に見るのは?」というお題に渡邊は「今カノが今カレの携帯を見るのはバツだけれど、そっちが見るならば俺も見るよと。対等ですよとなる」と強気。松本は「自分がされたらいやだな」と“なし”派で、玉城も“なし”派ながらも「相手の携帯を見る時は別れるとき。別れる理由を探すときに覗く」と怖いことを口にしていた。
また「恋人が他の異性と二人で飲みに行くのは浮気か?」との問いには「気持ち良くはないけれど、浮気とまではいかないかなあ?」と悩む松本。玉城も「浮気ではないけれど、嫌だとはなる。難しい話」と頭を悩ませた。一方、渡邊は「僕は心の底から行っていいと思う。信頼関係の問題。でもそっちが行くならば俺も行くよ?となる」と再び強気。しかし松本から「二人で個室だったら?」と問題提起されると、渡邊は「いやいや、個室はダメでしょう!」と“ない”派になり、玉城も「個室はダメ。いやらしい」ときっぱり拒否していた。
最後は「恋人同士では観ないでください」というキャッチコピーの本作にかけて「恋人同士で観るのは実はおススメ?」との質問が。これには全員が“あり”と回答。「年始に見て心を新たに、という意味でもいい映画」と渡邊が言うと、玉城も「恋愛においてのお互いのありなしがわかるし、会話が弾むきっかけになる映画」とプッシュ。松本に至っては「最初のデート映画としておススメ。この映画を見ることで、お互いに価値観が合うのか合わないのかがわかる」と勧めて「もし合わなかったら…切る!」と大胆発言で、玉城と渡邊をビックリさせていた。
【STORY】
私が恋したカレには、「今カノ」がいる。どうしてもカレを取り戻したいから、今カノをインスタで特定。ただ、知りたいだけだった。
24歳の桃は、最近、健太朗にフラれ、関係が終わったばかり。健太朗のインスタを見ていると、どうやら新しい恋人ができたらしい。桃は、そこから今カノ・莉子のインスタを発見。インスタを頼りに莉子を特定し、直接会いに行ってしまう。そして莉子と対峙した桃は、ある“秘密の共犯”を持ちかける。「リベンジポルノって知っていますか?」「健太朗のパソコンに保存されている自分の写真を消して欲しい」と。最初は相手にしない莉子だったが、徐々に自分も被害に遭うかもしれないと、不安を覚え始める。そして・・・。
図書館で勤務していて、地味な桃。ダンサーで、桃と同い年ながら、桃とは対照的にイマドキの洗練された莉子。カメラマンで、無邪気にすぐ女性に手を出す健太朗。ふたりの女とひとりの男の甘くて危険な三角関係が始まる――。
■監督:城定秀夫 脚本:澤井香織 城定秀夫
■出演:松本穂香 玉城ティナ 渡邊圭祐 中島 歩 北向珠夕 吉田ウーロン太 吉岡睦雄 不破万作 阪田マサノブ 片岡礼子 白川和子 ほか
■企画・制作プロダクション:アンリコ
■製作幹事・配給:パルコ 宣伝:FINOR
■音楽:ゲイリー芦屋 主題歌:chilldspot 「get high」
■©2023「恋のいばら」製作委員会
■公式サイト:koinoibara.com
■Twitter:koibara_movie
■Instagram:@koinoibara_movie2023
■TikTok:koibara_movie
2023年1月6日(金)~TOHO シネマズ日比谷、渋谷シネクイント他全国ロードショー
(オフィシャル・レポートより)
主演・中井貴一、関ジャニ∞・安田章大がロケ地大阪城に登場!
松井市長も加わり、天下の大阪城をバックに、「なにわの夢」を語り合う!?
■日程:11月21日 (月)
■場所:ザ ランドマークスクエア大阪(大阪市中央区大阪城1-1ミライザ大阪城内)
■登壇者:中井貴一、安田章大、松井一郎大阪市長 (敬称略)
古美術商の小池則夫と陶芸家の野田佐輔という冴えないコンビが、本物以上の完成度で偽物を創り出しては、世の中の巨悪に立ち向かう。いわば骨董界の世直し一団なのだが、これがまた呆れるほど金運のない連中ばかりで、関西人の可笑しみがたっぷり詰まった笑劇エンターテインメント。W主演となる中井貴一と佐々木蔵之介による骨董コンビに加え、居酒屋「土竜」に集う各パーツ再現の名人技を持つ面々やTVマンに調査員などお馴染みの顔ぶれが、今度は大阪城を舞台に鮮やかな騙しのテクニックで魅了する痛快作。
一作目では千利休(堺)、二作目では古田織部(京都)、三作目となる『嘘八百 なにわ夢の陣』では豊臣秀吉の幻の茶碗(大阪)をめぐる騒動となる。大阪城の秀吉由来の遺跡から出土した茶碗の欠片を契機に、豊臣秀吉縁起物「秀吉七品」の中で唯一判明していない器「鳳凰」を追い求める欲深い会社社長や、高価な美術品を会員制で保持しようとする怪しい団体。その発見に日本中が注目する中、骨董コンビを中心に騙し騙される大騒動が展開される。
本作は戦国時代最強の武将として名高い豊臣秀吉のシンボルマークである大阪城で多くが撮影されている。大阪城内の博物館や大阪城を間近に眺望できる〈ザ ランドマークスクエア大阪〉、大阪城近辺のビルなど。近年「お城のある公園」として集客数が日本一という大阪城公園が、さらに世界へアピールできる絶好のチャンスとなることが期待されている。
年明け1月6日(金)の公開を前に、〈ザ ランドマークスクエア大阪〉で試写会が開催され、主演の中井貴一と今回謎めいた前衛アーティスト役で出演している関ジャニ∞の安田章大、さらに松井一郎大阪市長が登壇し、シリーズ化された作品の裏話や撮影現場の様子について語った。
【試写会前の舞台挨拶@3階宴会場】
――最初のご挨拶。
中井:今朝、ザーザー降りの東京から来たのですが、大阪がこんなに晴れていて、幸先がいいなと思っております。初めてこの会場を見て、今まで42年この仕事をしてきた中で一番アナログな試写会場だなと(笑) 椅子も、ちょっと痛くなるかも知れませんが、映画は痛くならないように仕上がっていると思いますので、最後までごゆっくりご覧下さい。
安田:関ジャニ∞の安田章大です。関西人としましては、こんな場所でマスコミの取材を受けることが何よりも幸せだなと。そして、中井貴一さん、松井大阪市長とご一緒に立てるようになったことを、改めて幸せに思っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
松井市長:市長の松井一郎です。僕も少し緊張しております。普段はこのような場所には参列しないものですから。今回、シリーズ3作目でやっと大阪城、大阪を舞台にしたとても楽しい作品を作って頂きました。先日は《大阪城夢まつり》というのもやりました。この映画にも出演されている中村ゆりさんにも来て頂いて、非常に盛り上げて頂きました。このように映画とコラボしながら大阪を世界にアピールできる絶好の機会を頂いて、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
――『噓八百』もシリーズ3作目となりましたが、中井さんはシリーズ化されると思ってましたか?
中井:全く思ってませんでした! 1作目は堺市で16日間で撮ったという、映画史上最短では?と思える程でした。撮影中は必死でやっていたのですが、客観的に見ると“やっつけ仕事”だったんじゃないかと思えてくる程大変な撮影だったんです。日が昇ってる間は外で撮影し、日が暮れると建物の中で、夜が更けてからホテルに戻って、また朝3時に起きてメイクするという日々でしたので、これがシリーズ化されたら「死ぬな」と思いました(笑)。それで2作目の話が出た時、僕も佐々木蔵之介君も愕然としました。普通だったら続編決定に喜ぶと思うのですが、愕然とするとは!?でも、3作目でようやく余裕が出てきて、受け止められるようになりました。また大阪に戻ってこれて本当に良かったと思っています。
――これから寅さんみたいにシリーズ化され、お正月恒例の映画になっていくのでは?
中井:…ずっと大阪に居ます!(笑)
――7年ぶりの映画出演でこのような大先輩と共演されましたが、現場の様子は如何でしたか?
安田:もう幸せでしたよ!こんな近くで大先輩のお芝居を観られるんですからね、お金払っても無理ですからね(笑)経験値やお人柄なのでしょうか、中井さんも蔵之介さんもお二人ともテンポよくお芝居をされてますが、演じてない裏でもテンポがいいんですよ、ずっと。仲がいいというか、その空気感がいいなと思いました。
中井:僕の両親は京都出身で、家族の中でも一番京都の血を引いてるんですよ。それは映画の中の僕を観て頂ければお分かり頂けると思いますが、蔵之介君や安田君とも息が合いました。「人生ユーモアがないと面白くない」という想いが根底にあって、撮影のない時から“地ならし”をしながら撮影に臨むという、特にこの映画ではそれが強く出ていたと思います。
安田:そうなんですよ。だから現場の空気が良く、みんなが円滑に楽しくやれているんだなと感じました。裏での“地ならし”も大切なんだと学びました。貴一さんがサクランボを差し入れて下さったことがあって、僕の大好物だということを知って、2回もサクランボを差し入れて下さったんです。その時にはみんなのサクランボなのに、紙コップに「安田」と名前を入れて僕専用のサクランボを用意して下さったんです。こんな大先輩います? 本当にありがたいな~と思いながら、いっぱい勉強させて頂きました。
――松井市長は大阪城が全面的に出てくる映画をご覧になってどう思われましたか?
松井市長:このシリーズは全部観ておりますが、あの1作目が16日間という短い期間で撮った“やっつけ仕事”だったということを初めて知りました(笑)。大阪城を舞台にして日本中に広げて頂けるということで、とてもありがたく思っております。今日も沢山のお客さんに来て頂いておりますが、コロナ禍の前は「城のある公園」では日本で一番お客さんが多かったんですよ。この映画をキッカケに、中井さんと安田さんには「大阪の観光大使」を引き受けて頂いて、大阪を拠点にして頂きけばと…。中井さんの映画は『ビルマの竪琴』(1985年)からずっと観てきておりまして、大ファンなんですよ。是非ともこれからも大阪を愛して頂きたいと思います。
――中井さん、観光大使のお話が出てますが…?
中井:最初堺市で撮っていた時、現場とホテルの往復だけだったので、自分がどこにいるのか位置関係が全く分からなかったんですよ。でも今回は30日と余裕があったので、堺市や大阪市で撮影の合間に人との触れ合いもできて「いいな~」と思えることもありましたし、蔵之介君に連れていってもらって美味しいお店も見つけられて本当に良かったなと思っています。住めれば住みたいなと(笑)。
――今回大阪城での撮影は如何でしたか?
中井:今回、大阪城内を使わせて頂いたのですが、あんなに沢山、国宝級の秀吉の財宝が残っているとは初めて知りました。
松井市長:展示されている秀吉の財宝は海外の人たちにも一番関心が高いものなんです。今回お持ち帰り頂く訳にはいきませんが……。
中井:そんなこと思ってませんよ! 誰もおねだりしてませんよ!(笑)
――安田さんは地元でもありますが…?
安田:関ジャニ∞のミュージックビデオを大阪城バックに撮らせて頂いたこともありますし、子供の頃ラジオ体操しに来たこともあります。
中井:安田君、今でもラジオ体操してるんですよ~!
安田:なんで知ってるんですか?
中井:撮影前に見たことあるんですが、真剣にラジオ体操してるんです!
安田:ラジオ体操第一・第二もできますよ。あとお花見もここでしたことがあり、とてもゆかりのある場所です。
――大阪城で撮影したことは他とは違いますか?
安田:自慢になりますね。改めて自分が関西人で良かったなと思えました。今こうして立てているのも、自分が関西人だからであり、何かしらゆかりがあったからだと幸せに思っております。
――松井市長はお正月に公開されるこの映画に関連して募金を呼びかけておられるんですよね?
松井市長:僕がなんか喋ると「お金くれ~」と募金ばかり呼び掛けていると思わてます(笑) 実は豊臣秀吉が築いた本当の石垣はこの下に埋まっているんですよ。徳川家康によって埋められてしまった物を復活させようとするための募金活動なんです。まだまだ財政厳しい折、皆さんにご協力頂けたらと思いまして、この映画のポスターとコラボして、僕からも、中井さんからも、安田さんからもお願いしている次第です。秀吉オリジナルを皆さんに見て頂くことによって、大阪の価値をさらに高めていきたいと思っております。お金の話ですいません!よろしくお願いします。
【舞台挨拶終了後、ザ ランドマークスクエア大阪の屋上レストランへ】
【大阪城をバックにトークセッション@屋上レストラン】
――大阪城バックに如何ですか?
中井:久しぶりだな~と、(大阪城を見て)相変わらずお元気だなと(笑) 秀吉のお宝がテーマなので大阪城での撮影となりましたが、こんなに近くに見える場所があるなんて知らなくて、これは凄いな!と思いました。
安田:絶景ですね~!圧巻!太閤さんもあの天守閣から大阪の街を眺めて天下を獲ったことを実感していたんだろうなと思うと、感慨深いものがありますね。
松井市長:そんなふうに言って頂けると嬉しいですね。ここ〈ミライザ〉は8年位前にできたんですが、間近に大阪城を観ながら食事が出来る人気スポットなんです。ここは民間の力で出来たんですよ。こういうことを行政がやると大失敗しますから、いつも(笑)。民間の皆さんに大阪城を維持管理して頂いて、〈城のある公園〉として日本で一番お客さんに来て頂いているんです。
中井:ここは元々何の建物だったんですか?
松井市長:日本軍の軍事博物館でした。廃墟みたいになっていたんですが、民間の皆さんが「ここ使えるじゃない!」と言って改修して頂いて、こんなオシャレなレストランや複合施設に生まれ変わったんです。
――撮影中のことで思い出されることはありますか?
中井:ここの地下にある部屋ををメイク室に使わせてもらっていたんですが、確かに廃墟感はありましたね(笑)。でももの凄くトイレとか綺麗なんですよ。それも民間の力なんですよね。
松井市長:そうなんです!
中井:大阪城の中の撮影でも、照明待ちとかカメラ待ちが苦にならない程、興味深い展示品が沢山ありました。
――安田さんは地元大阪での撮影でしたが?
安田:別の建物から大阪城を見るシーンがあって、役の上で非常に葛藤しているシーンだったのですが、実は撮影前に奈良県にある豊臣秀吉のお墓参りをしていたので、一心同体になれるというか、力を借りて役に入れる特別感がありました。大阪で生まれた者として、大阪での仕事で大阪で撮影ができることをとてもありがたいことだなと感じました。
――今回は『噓八百 なにわ夢の陣』ということで、皆さんの夢について?
松井市長:大阪を子や孫が豊かに過ごせるような街にしたいですね。東京をライバル視する気持ちがあるんですよ。東京一極ではなく、東京と大阪の二極として世界からも認知される大阪を創りたい!と思っています。
安田:関ジャニ∞は関西で育てて頂いて東京にも進出できたので、『噓八百』のように大阪を舞台に全員で映画やドラマをやってみたいなと昔から強く思っています。あと、今回中井貴一さんとご一緒させて頂いたんで、この場を借りて、また次もお仕事させて頂ければと思っています。それが夢であり目標です!
中井:よく「夢を持て!」と言われますが、今の若い世代の中には、夢をどうやって持つか分からない子たちが多いと聞きます。自分たちも学生の頃からどれだけ大きな夢を持ててきたんだろうと振り返ると、この仕事をしながら生まれた夢が本当の夢のような気がしています。今はいろんなことを諦めて変わっていくことが新しい社会みたいな言い方をするのですが、夢を継続させることが大切なことであって、そこから新たに生まれてくる夢が本物なんだというのを伝えていきたいなと思っています。僕も夢が持てなくなったら俳優を辞めようかなと思っています。
――まだまだ先のことですよね?
中井:わかんないですよ~(笑)
安田:付いてきます!
・出演:中井貴一、佐々木蔵之介、安田章大、中村ゆり、友近、森川葵、前野朋哉、宇野祥平、塚地武雅、吹越満、松尾諭、酒井敏也、桂雀々、山田雅人、土平ドンペイ、Blake Crawford、高田聖子、麿赤兒、芦屋小雁 / 升毅 / 笹野高史
・監督:武正晴 脚本:今井雅子 足立紳 音楽:富貴晴美
・製作幹事:東映ビデオ
・制作プロダクション:アークエンタテインメント
・配給:ギャガ
・©2023「嘘八百 なにわ夢の陣」製作委員会
・公式サイト:https://gaga.ne.jp/uso800-3/
2023年1月6日(金)~TOHOシネマズ梅田他 全国公開!
(河田 真喜子)
稲垣吾郎主演×今泉力哉監督、待望の完全オリジナル脚本。
創作と恋愛を軸に描く、ちょっぴり可笑しい大人のラブストーリー。
『ミッドナイトスワン』に続く温かな愛、新たな青春映画の誕生。
『半世界』など次々と斬新な役柄に挑んできた稲垣吾郎を主演に迎え、『愛がなんだ』『街の上で』などの今泉力哉監督による完全オリジナル作品『窓辺にて』は11月4日(金)より絶賛公開中です。ある悩みを持つ主人公・フリーライター市川茂巳を演じる稲垣吾郎に加え、市川の妻・紗衣役に儚げな存在感で観客を魅了し続け、『母性』の公開が控える中村ゆり、高校生作家・久保留亜役に『ホリックxxxHOLiC』など多数の話題作に引っ張りだこの玉城ティナ、市川の友人でプロスポーツ選手の有坂正嗣役に今泉監督作の常連で『街の上で』で主演を務めた若葉竜也、有坂の妻・ゆきの役に幅広い役柄でキャラクターを演じ分ける『架空OL日記』の志田未来、そして紗衣と浮気している売れっ子小説家・荒川円役に『裸足で鳴らしてみせろ』の今後が期待される若手俳優の佐々木詩音が抜擢。個性的な俳優陣が今泉組に集結し、濃密でほろ苦い愛についての群像劇を繰り広げます。
本日、11月17日(木)TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7にて、公開御礼・全国生中継つき舞台挨拶を実施いたしました。舞台挨拶では、公開を迎えた喜びや、本作に込めた思いなどたっぷりと語っていただきました!!
日程:11月17日(木)
実施時間:18:30~19:00
会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7
(東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内)
参加者(敬称略):稲垣吾郎、中村ゆり、今泉力哉監督
〈詳細は以下の通りです〉
Twitterでさまざまな感想が届いていると笑顔を浮かべる稲垣。実際に映画館に足を運んだそうで「映画を観てくださっているみなさんの後頭部を見ながら、映画を楽しみました」とうれしそうに振り返った。顔バレしなかったのかというMCの質問に「バレなかったです。変装していたので」と回答。イベント冒頭に、MCが稲垣の演じるキャラクターの職業・フリーライターを「フリーターの…」と紹介したことを踏まえ「フリーターみたいな雰囲気で座っていたので…」と説明すると、会場は大きな拍手に包まれた。
上映前のイベントのためネタバレはできないと気遣う稲垣だが、会場に来ていた観客のほとんどがリピーターと知ると、「観てくれてありがとうございます」とニッコリ。主人公の市川茂巳については「あまり共感してもらえる役ではないかもしれないけれど、僕が演じることで感情移入して観ていただいているように感じています」と、寄せられた感想から観客が抱いた思いを推測していた。また今泉監督と稲垣の相性の良さを指摘されることも多いそうで、「そういう映画ファンの声もすごくうれしいです」と微笑んだ。
中村は「知り合いのライターさんが、(映画を観て)当時、自分が気づかなかった気持ちが分かり涙が出たと言ってくれました。そういう映画体験をしていただけたことをうれしく思います」とし、感想を見るのがすごくうれしいそうで「この映画(のTwitter)はかなり見ています」と会場を見渡しながら報告していた。
同じくTwitterの感想をチェックしているという今泉監督は、気になった感想をメモしてきたと話し内容を読み上げる。その感想を聞いた稲垣は「すごく、うれしい…」としみじみ。茂巳のことを理解できないと言われることも多いそうで「『なんで怒らないの?』『どうしてなの?』ってインタビューとかでライターの人たちに本当によく怒られます」と熱烈な感想をもらっていることも明かしていた。
劇中にはインタビューシーンなども登場する。これまでの(仕事の)経験が活きているのかという質問に「最近はMCをやったりまたラジオなどでゲストの方とお話ししたり、作家の方や映画監督と対談する仕事も増えています。そういう仕事は増えるのはすごくうれしいです。昔は5人組の一番端っこで前髪を気にしているミステリアスな感じというイメージが強かったようで、最近は『意外とよく喋るね』と言われます(笑)」と照れ笑いの稲垣。茂巳役があまりにも稲垣のイメージに近いせいか、「演じてないのでは?」と言われることも多いと話し、「役者として最高の褒め言葉です。今、ここで僕が喋っているような感じで、映画では茂巳が喋っていますので」とこれから作品を鑑賞する観客へ呼びかけていた。
撮影で印象に残っていることについて中村は「何度か話してきましたが…」と前置きし「予想していなかった役の感情を稲垣さんに引き出してもらったことが印象深いです」とこの日のイベントでも稲垣との掛け合いシーンの感想を明かしていた。今泉監督は稲垣の出演シーンで個人的に気になっているシーンを2つ挙げ、「パフェを食べるシーンとトランプのシーン。パフェを食べながら静かに揺れる稲垣さんを編集時には『ダンサブル吾郎』と名付けていました」とニヤリ。また、トランプを持った手がリズムを刻んでいたと指摘された稲垣は「あーーー」と反応し、頭の中で音楽が流れているのかを問われると「記憶にないけれど、そんな指摘されることは多いです。中村さんがABEMAの『ななにー』に出てくれたときも、パフェのシーンについて(香取)慎吾くんが『パフェ(のグラス)をおさえながら食べてるのって、まんま吾郎ちゃんじゃん!』と話していて。勝手にやっちゃっているんだと思う。パフェのシーンもそうだけど、ダンサブル吾郎が出ちゃうほど、素だったんだと思います。演じていないのかも」と照れ笑いしながら「踊れと言われると踊りたくなくなるけれど」とニヤニヤ。稲垣のこの姿に会場のあちこちから笑い声が漏れていた。
形に残るものが愛情を表現するというシーンにちなみ、ラブレターの思い出を訊かれると「そりゃ〜ね〜」と微笑んだ中村は「若かりし頃はピュアな心を綴っていました」と告白。「え?ない…」とちょっぴり驚いた表情を見せた稲垣に「これから、書きましょう!」と促した中村。この中村の提案に「そっか、でも、実際に言葉でハッキリ伝えた方が手っ取り早いかな…」とモゴモゴする稲垣は「(自分の書く)字にコンプレックスがあるので…」とラブレターを書かない理由を説明。ラブレターやファンレターはもらうことが多いという稲垣は「残るし、うれしいもんです。手紙はいいですもんね」としみじみ。すると、小学生の時にもらったラブレターを思い出したようで「もらったことはあるけれど…中身を見てなくて。(本人から)渡したというのを聞いたのですが、僕の二つ上の姉が本人に返したそうなんです。その理由は訊いていないけれど…、迷宮入りですね」と首を傾げながら話した。
「監督は美しい文章で書きそうですよね」という稲垣の言葉に、今泉監督は「いつ渡そうか迷いに迷っていたら泥酔してしまって…。泥酔状態で渡したことはあります」と照れながら「でも、その手紙は(相手の方が)今でも持っていると聞いています」とラブレターのその後についても触れていた。
夫婦の物語を描く本作。理想の夫婦像を訊かれた稲垣は中村と顔を見合わせながら「独り(身)だから、あまり説得力ないよね…」と苦笑い。「友達みたいなのがいいです。なんでも話せるけれど、よりかかり過ぎず、お互い自立している感じ。機嫌の悪さも出し合わない感じがいいです」という中村の回答に稲垣は「そっか。機嫌の悪いことも全部伝えられるような人がいいのかなと思うこともあるけれど、難しいよね」と微笑むと、「大人同士だから」とすかさず答える中村。稲垣から「今から結婚したら、すごく気を遣っちゃうと思います。無邪気でいられる?」と訊かれた中村は「無邪気でいられる人がいい」と即答。中村の話を噛み締めながら「僕もそういう形がいいかな。ちゃんと距離感を保ちながら、家族だけど他人としても認めあうような。家族だからみたいなベタベタもないような、お友達のような」と理想を語りながら、「僕たち気が合いますね」とキリッとした表情を見せた稲垣。「お話を引き出すのが上手だから、ペラペラしゃべっちゃった」と話す中村に「いや、同じ考えを持っているのかなと思って…。しつこい?ぜひ、よろしくお願いします」と微笑む稲垣が、徐々に中村のほうに寄っていくような仕草を見せるとステージ上は劇中の夫婦関係とは違う、ホッコリとした雰囲気に包まれた。
夫婦の理想のデートについて「好きなこと、趣味は共有できた方がいいかな。スポーツとか、映画を見ることもそうだし…。食事の趣味とか部屋の温度とかもね。27度と22度じゃ違うから」という稲垣のコメントに中村は「ほっこりなのがいいですね」と笑顔。「一緒に何かを乗り越えるようなデートはどう?」という稲垣の問いかけに「山登りとか? 機嫌悪くなりそう…。富士山に登ったことがあるのですが、自分のことで精一杯で(相手を思いやれなくて)」と苦笑いの中村。すると稲垣は「夫婦二人三脚じゃなくていいの?一緒にゴールしようみたいな感じでいいの?」とグイグイ質問し、再び中村に近づくような仕草を見せて笑わせた。
この日のイベントは全国生中継つきイベント。稲垣は時折「中継ってこと忘れちゃう。ちゃんと手を振らなくちゃ…」とカメラ目線になる場面もあった。
『窓辺にて』
出演:稲垣吾郎 中村ゆり 玉城ティナ 若葉竜也 志田未来 倉 悠貴 穂志もえか 佐々木詩音 / 斉藤陽一郎 松金よね子
音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
主題歌:スカート「窓辺にて」(ポニーキャニオン/IRORI Records)
監督・脚本:今泉力哉
配給:東京テアトル
英語タイトル:by the window
©2022「窓辺にて」製作委員会
公式サイト:https://madobenite.com/#modal
2022 年 11 月 4 日(金)~全国ロードショー
(オフィシャル・レポートより)
今年は中日国交正常化 50 周年という節目の年であり、中日両国の友好交流の歴史を振り返るチャンスであると同時に、中日関係が未来に向けて発展するための新たなスタートラインでもあります。2000 年以上に及ぶ文化の交流と 50 年にわたる中日関係の発展という「大きな軌跡」の中で、映画を通じて行われた活発な両国間交流は、まさに「小さな奇跡」ともいえます。
「民を以って官を促す」、中日交流の歴史において数々の美談を残し、両国映画交流史上多くの名作の舞台として輝いた代表地・大阪で 11 月 11 日(金)から 11 月 17 日(木)の期間、「2022 大阪・中国映画週間」が初開催されることが決定いたしました。最新の中国映画の上映を通じて、中日両国の文化交流をより一層盛り上げたいと考えています(合計8作品・計 11 回上映)。
■ 上映期間 : 2022 年 11 月 11 日(金)〜11 月 17 日(木) 8 作品(計 11 回)
■ 上映会場:TOHOシネマズ梅田アネックス SCREEN9、10
■ チケット販売:金額 1,500 円(税込)
■ 販売サイト:TOHO シネマズ梅田
(URL:https://www.tohotheater.jp/theater/037/info/event/cjiff2022umeda.html)
■ 公式サイト: http://cjiff.net/2022osaka.html
■ ©NPO 法人日中映画祭実行委員会
【上映作品タイトル】
(オフィシャル・リリースより)
日程:11月5日(土)
実施時間:13:10~13:40
会場:TOHO シネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7
(東京都港区六本木 6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内)
参加者(敬称略):中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、今泉力哉監督
稲垣吾郎主演×今泉力哉監督、待望の完全オリジナル脚本。
創作と恋愛を軸に描く、ちょっぴり可笑しい大人のラブストーリー。
『ミッドナイトスワン』に続く温かな愛、新たな青春映画の誕生。
『半世界』など次々と斬新な役柄に挑んできた稲垣吾郎を主演に迎え、『愛がなんだ』『街の上で』などの今泉力哉監督による完全オリジナル作品『窓辺にて』は 11 月 4 日(金)より公開です。ある悩みを持つ主人公・フリーライター市川茂巳を演じる稲垣吾郎に加え、市川の妻・紗衣役に儚げな存在感で観客を魅了し続け、『母性』の公開が控える中村ゆり、高校生作家・久保留亜役に『ホリック xxxHOLiC』など多数の話題作に引っ張りだこの玉城ティナ、市川の友人でプロスポーツ選手の有坂正嗣役に今泉監督作の常連で『街の上で』で主演を務めた若葉竜也、有坂の妻・ゆきの役に幅広い役柄でキャラクターを演じ分ける『架空 OL 日記』の志田未来、そして紗衣と浮気している売れっ子小説家・荒川円役に『裸足で鳴らしてみせろ』の今後が期待される若手俳優の佐々木詩音が抜擢。個性的な俳優陣が今泉組に集結し、濃密でほろ苦い愛についての群像劇を繰り広げます。
11 月 5 日(土)TOHO シネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7にて、公開記念舞台挨拶を実施いたしました。舞台挨拶では、公開を迎えた喜びや、本作に込めた思いなどたっぷりと語っていただきました!!
<稲垣吾郎さんからのコメント>
本日は『窓辺にて』公開記念舞台挨拶にお越しいただき誠にありがとうございます。現在療養中のため、今泉監督や出演者の皆様と一緒に登壇できずとても残念です。先日【「第35回東京国際映画祭」コンペティション部門観客賞】という素晴らしい賞をいただきました。これも、いつも応援してくださっている皆様がいらっしゃるお陰だと感謝しています。 そして、ずっとご一緒させていただきたいと思っていた今泉監督の作品に出演できたことは僕にとって素晴らしい宝物となりました。
日々、回復に向かっています。中村さん、玉城さん、若葉さん、今泉監督、そして観客の皆様とまたお会いできるのを楽しみにしております。『窓辺にて』をどうぞ宜しくお願いいたします。
稲垣吾郎
★<映画『窓辺にて』公開初日舞台挨拶レポート>★
新型コロナウイルス陽性のため、イベントを欠席した稲垣からのコメントを受け、今泉監督は「本作の出演を“宝物”と言ってくださったのがすごくうれしいです」とニッコリ。第 35 回東京国際映画祭 コンペティション部門観客賞受賞に関しては「(作品が)お客さんに届いたときが、創作の過程でとてもうれしいこと。光栄に思います」感謝の気持ちを伝えた。
本音が言えない夫婦役を稲垣と演じた中村は撮影を振り返り「稲垣さんと対峙し気持ちを吐露するシーンでは、脚本では理解できていなかったものをストンと理解することができました。本当は脚本の段階で理解していなきゃダメなんですけれど…」と俯きながら、稲垣の演技に助けられた部分が大きかったことを明かした。映画祭でのレッドカーペットでは、隣を歩いた稲垣が薄着の中村と玉城を気遣ってくれたそう。中村は「寒くない?大丈夫?」と優しく声をかけてくれた稲垣と「初めて何気ない話ができました」と微笑んだ。
稲垣との撮影について玉城は「お互い『こういう演技にしましょう』と話すタイプではありません。カメラ前で互いの持っている感情を差し出すような形で、お芝居ができました」と笑顔を浮かべ、「役では私が引っ張っていかなきゃいけない感じでしたが、『なんでも来い』という感じで稲垣さんが引っ張ってくれたのが印象的でした」とうれしそうに語った。スクリーンで稲垣との共演シーンを観た感想については「(2 人の姿を)引きで観ることで関係性が浮き出ると感じることが多かったです。出来上がった映像で気づくことがたくさんありました」とコメントした。
稲垣&中村の共演シーンでは 12 分の長回しも。台本では 8、9 分のシーンだったと話した今泉監督は「2 人がお芝居をする中で、セリフや気持ちの間(ま)がプラスされた結果です。稲垣さんは台本にはないセリフを自分で 2、3個足していたことに気づいていなかったらしくて…。ただ(台本に)書いてあることをやるのではなく、(2 人が芝居とキャラクターに)向き合っている空気でした」と現場の様子に触れ、「撮影で芝居をチェックする時は冷静に観るように心がけていますが、稲垣さんから『監督、チェックのときに泣いてませんでした?』と何かのインタビュー時に指摘されて(笑)、見られていたことは恥ずかしかったけれど、稲垣さんから『俳優としてはうれしかったです』と言われました」と笑顔で稲垣からかけられた言葉を伝えていた。
今泉組には 4 回目の参加となる若葉は「現場にどんな方がいても変わらないのが今泉組のすごいところ。今泉監督の温度で現場が進んでいるので、いつものように真摯に取り組みました」といつもと変わらない姿勢で撮影に挑んだと明かす。稲垣の印象については「小さい頃から見てきた方を目の前にすると独特の緊張感があります。手の届く距離、頑張れば肩を“ポンポン”できる距離に稲垣吾郎がいることがとても不思議でした」とスターとの共演の感想を伝えた。
本作で扱うテーマ、浮気や不倫について今泉監督は「浮気や不倫はよくないことという前提はあります」と前置きし、それが理由で芸能人が断罪されたり業界から消されたりする現象について「『それって行きすぎてないか?』と思うところがあって…。当事者で話し合ってうまくいきそうなことが、SNS などによって離婚に追い込まれるのはどうかなと思います。(浮気や不倫は)よくないことだけど、いろいろな葛藤や感情があったりします。純粋に好きという気持ちまで全部なきものにされるのはちょっと違うかもと感じていて。僕は映画の主題にはならないような、取るに足らないことを掬い取りたいと思っています」と解説。続けて「浮気や不倫のシーンはありますが、楽しいこととしては描いていません。(浮気や不倫をそのまま描くのではなく、そのことで)悩んでいる時間を描くことで、キャラクターを嫌わないで済むかなという考えがあり、あえてという気持ちで(悩んでいる姿を)描いています」とテーマ選びとキャラクターの描き方について説明した。
本作のテーマにちなみ「何かを得るために手放していることはある?」という質問に中村は「欲しいものがあまりないので、思い浮かばないけれど…」と困り顔。しばらく考えて「大好きなラーメンのためなら行列に並びます。ラーメンのために時間を手放している、それくらいかな…」と微笑んだ。玉城は「人の縁もモノも手放してからこそ得られるものがあると思っています。買い物をして 1 つ手に入れたら 1 つ手放す。割と断捨離しています!」とコメント。若葉は「何かを手に入れるために何かを捨てるという感覚がそもそもなくて…。断捨離もほとんどしません」と回答。モノは手放さずためまくっているという今泉監督は「アイドルの卒業や解散、映画にも登場するスポーツ選手の引退などはマイナスと捉えていません。抱えすぎると窮屈になるし、手放したから手に入るものがあります」と話すも自分自身は「部屋は紙や脚本が山積みです。思いを書いたノートも捨てられないです。奥さんは捨てたがります。その(奥さんと自身との)感覚の違いもおもしろいと思っています」とうれしそうに答えていた。
イベントでは「誰にも言えない悩みの解決法」について語り合う場面も。今泉監督は稲垣の言葉に触れ「(映画のように)奥さんに浮気されたらショックを受けるかもしれないけれど、2、3 日落ち込むくらいかなとおっしゃっていました。感情を乱すことはなく『明日のこととか考えてしまうかも』とおしゃっていたのがすごく稲垣さんらしいし、演じた茂巳っぽいなと思いました」とニコニコ。若葉は「相談相手は人生の中でごく少数」だと明かし、玉城は「どんな立場の人でも悩みはあると思います。隣の芝生は青く見えちゃうけれど、やっぱり自己解決かな…。誰にも言いたくない悩みはあるけれど、割と自分で解決策を見つけようとするタイプです」と説明。中村は「悩んでいる状況からとりあえず逃げます。どんな悩みも常にあるけれど、一回入り込むとしんどいので、逃げ出して海とかに行って入ります」とニコニコ。「海に行くのではなく、入るのですか?」と MC から確認されると「入ります!」と中村が即答すると、会場は笑い声に包まれた。
最後の挨拶で今泉監督は「世の中では大変な出来事もたくさん起きているけれど、これからも小さなことに目を向け(それをテーマにして)映画を作り続けていきます」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
『窓辺にて』
出演:稲垣吾郎 中村ゆり 玉城ティナ 若葉竜也 志田未来 倉 悠貴 穂志もえか 佐々木詩音 / 斉藤陽一郎 松金よね子
音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
主題歌:スカート「窓辺にて」(ポニーキャニオン/IRORI Records)
監督・脚本:今泉力哉
配給:東京テアトル
英語タイトル:by the window
©2022「窓辺にて」製作委員会
公式サイト:https://madobenite.com/#modal
2022 年 11 月 4 日(金)~全国ロードショー
(オフィシャル・レポートより)