topへ
新作映画
最新記者会見 記者会見(過去)
旧作映画紹介
フリーペーパーシネルフレ プレゼント
 ・ 面影
 ・ 40
 ・ テラシア島のおまわりさん
 ・ ブレンダンとケルズの秘密
 ・ 的中
 ・ サラエボ、希望の街角
 ・ ソウル・キッチン
    映画祭トップ・・
映画祭公式ホームページ
  映画祭公式ホームページ

第16回大阪ヨーロッパ映画祭
第15回大阪ヨーロッパ映画祭
 
★ 大阪ヨーロッパ映画祭2010 上映作品紹介
面影
『面影』
〜言葉の壁を越えて伝わる、家族への思い〜

(2010年 ベルギー・日本 25分)
監督:万田邦敏
脚本:万田邦敏、万田珠実
原案:濱本敏治
出演:ヤン・デクレール、小川尊、妻形圭修、西山 真来、ジュン
 昨秋の映画祭でゲストとして来日したベルギーの名優ヤン・デクレール氏を主演に迎え、万田邦敏監督が大阪を舞台に撮影した『面影』(仮題『椅子』)。大阪ヨーロッパ映画祭のオープニングとして、ついにワールドプレミア上映された。25分と短編ながら、ドラマに奥行きがあり、深い余韻が残った。撮影場所は、大阪市平野区の老舗和菓子屋と近くのお寺のほか、大阪南港のギャラリーなど数か所。

  ベルギーの家具職人エリックは、大阪のギャラリーで、若いアーティストの息子ステファンが作った椅子を眺める。自分の跡を継がず、東洋の外れまで留学に来た息子を理解できず、その事実を確かめるため日本に来たエリック。偶然訪れた和菓子屋は、ステファンの行きつけの店。折しも店の主人の息子が留学したいと父親に打ち明け、言い争いに……。エリックと和菓子屋の親子とが、初対面ながらも、言葉の壁を越え、ステファンの思い出を通じて心を通わせ、互いを思いやる姿が、深く心に残る。

  息子が話すカタコトの英語よりも、父親が話す大阪弁の方が、なぜかエリックに通じたり、ユーモアあふれるシチュエーションが笑いを誘う。はじめは固い表情だったエリックもしだいに打ち解け、優しい顔になっていく。エリックがしゃべるのはオランダ語。でも、表情に深みがあり、風格のあるたたずまいからは、リアルに思いが伝わってきた。

  主人と息子が口論している襖の向こうに、ヤンが座って食べているのがみえたり、和菓子屋の狭い空間が存分に生かされ、古めかしい店内の空気が伝わる。万田監督の的確なカメラワークと演出により、息子と父親との衝突や、ヤンとの心の交流が生き生きと伝わり、人物が豊かに浮かび上がる。親子の対立は国境を問わない。ヤンの温かみのある演技からは、親が子を思う気持ちが伝わり、心にしみた。最後はほのかな希望を感じさせて映画は終わる。

  フリートークのために来阪された万田監督に尋ねたところ、和菓子の陳列棚があるところと、調理場と、食事する席と3つの空間が上手く配置され、とてもおもしろい空間のお店で、役者をどう動かして、どこで芝居させ、どうカメラを置いたら、一番「芝居」(ドラマ)がおもしろくみえるかを考えて、現場でカメラ位置などを決めていかれたそうだ。
 阪欧共同製作の面白さと可能性を大いに感じさせた作品。ぜひ再上映の機会を楽しみに待ちたい。

・ヤン・デクレール主演『面影』(椅子)撮影現場レポート⇒こちら
・ヤン・デクレール主演『面影』(椅子)撮影撮影現場取材を終えて⇒こちら
・ヨーロッパ映画祭作品紹介⇒http://www.oeff.jp/article4116.html

(伊藤 久美子)ページトップへ
40
『40』(仮題) (Forty)

監督・脚本:エムレ・シャーヒン(2009年 トルコ・アメリカ 1時間27分)
出演:コフィ・シリボエ、クウェシ・ボアキェ
11/20(土)12:20〜、19:45〜(イシハラホール) 
※上映後、質疑応答あり(予定)

文化と人種のるつぼ、イスタンブールを舞台に、境遇の違う3人の男女の数奇な運命を描く群像劇。イスタンブールの下町やそこに住む人々の風情をドキュメンタリーのように散りばめた映像が魅力的。40という数字をモチーフに、人生を決める運、不運が交差する様を若い感性で表現した意欲作。
(江口 由美)ページトップへ
テラシア島のおまわりさん
『テラシア島のおまわりさん』(仮題) (Mikro eglima)

(2009年 ギリシャ/キプロス 1時間25分)
監督 フリストス・ゲオルギウ
出演 アリス・セルベタリス、ヴィッキー・パパドプールー
11/21(日)10:30〜(イシハラホール)
11/23(火・祝)16:00〜 (イシハラホール)

エーゲ海の小さな島に赴任した新人警官の奮闘ぶりがユーモアにあふれ、微笑ましい。崖下に落ちて死んでいた男のことを、島出身の美人テレビ司会者と調べるうちに、予期せぬ真実が明らかになる。島の人達とのほのぼのとしたドラマに心暖まり、ほのかなラブロマンスが爽やか。青く美しい風景に目を奪われる。

(伊藤 久美子)ページトップへ
ブレンダンとケルズの秘密
『ブレンダンとケルズの秘密』 (仮題)(THE Secret of Kells)

(2009年 フランス・ベルギー・アイルランド 1時間15分)
監督: トム・ムーア
声の出演: イヴァン・マクガイア クリステン・ムーニー
11/21(日)12:30〜(イシハラホール)
※上映後、質疑応答あり(予定)

世界の宝と称される西欧最高の写本「ケルズの書」が完成するまでの道程を1人の少年の冒険劇として描く。2010年のアカデミー賞ノミネートを受けただけあり、とにかく美術表現が素晴らしい。ケルト文様の繊細な曲線と豊かな色彩が背景の随所に織り込まれており、まるで伝統工芸を眺めているような錯覚に陥る芸術アニメ。

(中西 奈津子)ページトップへ
的中
『的中』 (仮題)(Will not stop there)

監督:ヴィンコ・ブレシャン(2008年 クロアチア・セルビア 1時間40分)
出演:イヴァン・ヘルチェグ、ナーダ・シャルギン
11/21(日)15:00〜 (イシハラホール) 

元クロアチア軍兵士を主人公に、ポルノ映画に出演していたセルビア人女性との謎めいた同居とその行方を描く人間ドラマ。戦争の傷を負った二人を見守るようなナビゲーター役のジプシーが奏でる音楽も味わい深い。次々明かされる重い過去とは対照的に、どこかファニーな東欧らしいユーモアが効いた快作。
(江口 由美)ページトップへ
サラエボ、希望の街角
『サラエボ、希望の街角』 (On the Path)

監督:ヤスミラ・ジュバニッチ(2010年 ボスニア・ヘルツェコビナ・オーストリア・ドイツ・クロアチア 1時間40分)
出演:ズリンカ・ツヴィテシッチ、レオン・ルチェフ
配給:ツイン、ニューセレクト
11/20(土)17:45〜(イシハラホール)
11/23(火・祝)15:00〜(兵庫県立美術館ミュージアムホール)

『サラエボの花』のヤスミラ・ジュバニッチ監督最新作。幸せなカップルに訪れた突然の転機。そしてそこから浮かび上がってくるのは、戦争、人種や宗教、価値観の違いだった。カップルの普遍的なテーマを扱いながら、今のボスニア・ヘルツェコビナの人々が抱えている問題を映し出す注目作だ。
(江口 由美)ページトップへ
ソウル・キッチン
『ソウル・キッチン』 (Soul Kitchen)

監督・脚本:ファティ・アキン(2009年 ドイツ 1時間39分)
出演:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライプトロイ
配給:ビターズ・エンド

11/22(月)18:45〜 (イシハラホール)
※上映後、質疑応答あり(予定)

世界三大映画祭を制覇したファティ・アキン監督の最新作は、まさにNO MUSIC、NO MOVIE!常連俳優たちが、レストランを舞台に繰り広げられる悲喜劇を盛り上げる。アキン流コメディーの極意は、美味しい料理とソウルフルな音楽。五感で感じ、見終わってHAPPY気分になれること間違いなし!
(江口 由美)ページトップへ
 
 
ページトップへ
             
HOME /ご利用に当たって