優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。
角田光代の衝撃のベストセラー、ついに映画化!
あの事件から閉ざし続けた記憶。
よみがえる、あまりにせつない真実
―心を揺さぶるヒューマン・サスペンスの最高峰
直木賞作家・角田光代が手掛けた初の長編サスペンスであり、最高傑作の呼び声高い「八日目の?」。05年から読売新聞にて連載され、07年第2回中央公論文芸賞を受賞。各メディアから絶賛と驚愕をもって迎えられたベストセラー小説が、遂にスクリーンに登場する。
今日まで母親だと思っていた人は、自分を誘拐した犯人だった。21年前に起こったある誘拐事件―。不実な男を愛し、子を宿すが、母となることが叶わない絶望の中で、男と妻の間に生まれた赤ん坊を連れ去った女、野々宮希和子(永作博美)と、その誘拐犯に愛情一杯に4年間育てられた女、秋山恵理菜(井上真央)。実の両親の元に戻っても、「ふつう」の生活は望めず、心を閉ざしたまま成長した恵理菜は、ある日自分が妊娠していることに気づく。相手は、希和子と同じ、家庭を持つ男だった。封印していた過去と向き合い、かつて希和子と暮らした小豆島へと向かった恵理菜が見つけた衝撃の真実。そして、恵理菜の下した決断とは…?
映画化にあたっては日本映画屈指のスタッフ、キャストが集結した。主人公、秋山恵理菜を演じるのは、大ヒット作『花より男子ファイナル』、『僕の初恋をキミに捧ぐ』などに主演し、人気・実力共にトップ女優の地位を獲得した井上真央。本作では、複雑な過去を持ち、不倫相手の子供を身ごもるという、今までのイメージを覆す難役に挑み新境地を見せている。対する愛人の赤ん坊を誘拐する野々宮希和子には、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』や『脇役物語』で、国内外の数多なる主要な女優賞を獲得した永作博美。そしてルポライターの安藤千草に小池栄子。わが子との4年間を奪われた実の母親、秋山恵津子は森口瑤子が演じる。加えて、田中哲司、市川実和子、平田満、劇団ひとり、余貴美子、田中泯、風吹ジュンら名だたる俳優陣が数々のシーンを彩った。監督は『孤高のメス』で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した成島出。そして脚本は、『サマーウォーズ』などで高い評価を得ている奥寺佐渡子が担当した。
主題歌は中島美嘉。アーティスト活動を休止していた中島が、原作に深い感銘を受け、この映画のために「Dear」を提供した。小豆島の美しい風景とあいまって、物語に一層の輝きと深い余韻をもたらしている。
蝉は、何年も土の中にいて、地上に出て七日間で死ぬという。でももし、八日目まで生きた?がいたとしたら、その蝉は幸せなのだろうか?何もかも失い自分は「からっぽ」だと、まるで他の人が知る筈もない“八日目”を生きているようなものなのだと思っていた女たちが、哀しみや孤独を乗り超え、自分の足で一歩踏み出していく姿に、あなたは心をうたれるに違いない。
出演: 井上真央 永作博美 小池栄子 森口瑤子 田中哲司 渡邉このみ 市川実和子
余貴美子 平田 満 風吹ジュン 劇団ひとり 田中 泯
原作:角田光代(中公文庫)
監督:成島出(「孤高のメス」)
脚本:奥寺佐渡子(「サマーウォーズ」)
主題歌:「Dear」中島美嘉(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
挿入歌:「ドーターズ」ジョン・メイヤー(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル)
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
制作協力:日活撮影所
配給:松竹
公開:4月29日(金・祝)全国ロードショー