「NATO」と一致するもの

koibitonomitukekata-1028-bu-550-1.JPG


【日時】10月28日(土) 舞台挨拶/1154

【場所】新宿シネマカリテ(新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビルB1F)

【登壇者】倉悠貴、芋生悠、前田弘二監督 



変わり者のトワと、変わり者の園子。二人にしか分からない世界。

二人にしか分からなくていい関係を作り出すラブストーリー。


『まともじゃないのは君も一緒』の監督・前田弘二と脚本・高田亮が贈る〈おかしな二人の物語〉第二弾『こいびとのみつけかた』が、いよいよ全国公開いたしました。


koibitonomitukekata-pos.jpgコンビニで働く女の人・園子に片想いをしている植木屋でトワは、毎日植木屋で働きながら、彼女がどんな人か想像している。なんとか話したいと思った彼がついに思いついたのは、木の葉をコンビニの前から自分がいる場所まで並べて、彼女を誘うことだった。二人は言葉を交わすようになり、周囲にはよく理解できない会話で仲を深めていくのだが、園子にはトワにうまく言い出せないことがあり…。
 

世の中に馴染めない、ちょっぴりエキセントリックな2人が繰り広げる、〈可笑しくピュア〉なラブストーリー。


世の中の〈普通〉に馴染めない、おかしな二人のおかしな会話の応酬で繰り広げる『まともじゃないのは君も一緒』の監督・前⽥弘⼆×脚本・⾼⽥亮コンビの最新作。主演に『夏、至るころ』(20)、『OUT』(23)と主演作が続く倉悠貴、ヒロインに『ソワレ』(20)、『ひらいて』(21)の芋生悠を迎え、成田凌、宇野祥平らが脇を固める。また、川瀬陽太、奥野瑛太、高田里穂、松井愛莉らも名を連ねる。
 

 



映画『こいびとのみつけかた』の公開を記念して10月28日(土)、東京・新宿のシネマカリテにて舞台挨拶が行われ、出演者の倉悠貴と芋生悠、前田弘二監督が登壇した。

koibitonomitukekata-1028-bu-550-2.jpg

“世になじめない、ちょっと変わった”男女の姿を描いた『まともじゃないのは君も一緒』に続く、前田監督と脚本家・高田亮のコンビによる本作だが、前田監督は「『まともじゃないのは――』が出来上がって、高田さんと初めて一緒に見た時、『次、どうしようか…?』という感じで、おかしな2人の話をもう1回、メロドラマというかラブストーリーみたいな形でやってみたいなと思いました。『まともじゃないのは――』が2人の掛け合いの映画だったので、もう少ししっとりした感じの話ができないかと」と本作の着想の経緯を明かす。


koibitonomitukekata-500-1.jpgその言葉通り、本作のオープニングではわざわざ「これはメロドラマである」という宣言(?)が映し出される。倉さんは「僕はメロドラマが何なのかよくわかんなかったけど(笑)、あそこまで定義されたので『あぁ、メロドラマなんだな…』と思いながら見ました。もちろん、恋愛話ではあるけど、僕としては人間の生き方を描いたヒューマンドラマなんじゃないかと思いました。僕のメロドラマデビューがこれなので、これがメロドラマなんだなと(笑)」と語り、芋生さんも「私もメロドラマがちょっとよくわかってなくて(笑)、これを見て『メロドラマってこれなんだ!』と思いました」と率直な思いを口にする。


前田監督はこのメロドラマ宣言が当初から台本に書かれていたことを明かしつつ、その真意について「(普通のメロドラマは)こういう2人ではないというか、あんまり変わった2人じゃない話が多いですが、ある種のギャグというか『これのどこがメロドラマだ?』と思わせておいて、最終的にメロドラマになっていく――どこかヘンテコだけど、そこに着地していくのが面白いなと思いました」と語る。ちなみに、タイトルを全てひらがなにした意図についても前田監督は「漢字を入れると洋画のロマンチックコメディの邦題みたいだなと思って、それはキライじゃないんですけど、ちょっとひねってみました」と説明。芋生さんは「わかります!」と納得した様子で深く頷いていた。


koibitonomitukekata-500-2.jpg劇中、倉さん演じるトワが、黄色く色づいた葉っぱを道に並べていくシーンが印象的だが、倉さんは「僕もあのシーンは好きです!」と明かしつつ「並べる時に、間違えたことがあって…。(まとめて葉っぱを並べるのではなく)いちいち丁寧に(1枚ずつしゃがんで)置くというやり方をしてしまって、しんどかったです。ハードな1日でした(苦笑)」と撮影での苦労を明かしたが、前田監督は「それが良かったです」と語り、芋生さんも「あの姿、あのほうが絶対に良いです!」と同意。このシーンは初日に撮影され、風で葉っぱが飛んでしまうことが心配されたが、前田監督は「奇跡的に無風だったんです。8日間の撮影でしたが、天候に恵まれました」とニッコリ。ちなみに、葉っぱは前田監督が自ら拾ってきたものだそうで「すぐに色が変わってしまうので、当日の採れたてじゃないとダメで、朝早く起きて、懐中電灯を持って近くの神社で集めました」と明かした。


園子を演じた芋生さんは、お気に入りのシーンとして、トワと園子が公園で餃子とケーキを食べるシーンを挙げ「2人の空気感が、誰も入れない感じがあって、無言でも全然いい! ただ食べているだけでいい! という感じが好きです。あの日は、すごく良い陽気で、公園が気持ちよくて、2人とも風を感じたり、日が暮れてきて『気持ちいいな。ポカポカするな」という感じでした」と心地よい撮影をふり返る。前田監督もこのシーンについて「『餃子とケーキ、どっちが好き?』と聞かれて、食べて、『おいしいね』、『おいしいね』という2人だけで成立しちゃう感じ――2人にしかわからなくて良い感じで、気の利いた言葉とかを全て排除しても成立しちゃう2人が良いなとグッときました」と倉さんと芋生さんが作り出した絶妙な空気感を称賛する。


koibitonomitukekata-500-3.jpgトワと園子が演奏と歌を披露するシーンは、実際に倉さんも芋生さんも楽器を演奏し、歌っているが、倉さんは「一発で撮ってOKになりました。リアルに人前で歌って、緊張して声が震えたり、周りのみんなの顔が温かいから、自然と笑顔になったりしました。『この瞬間は大切にしたいな』と思えるシーンでした」と充実した表情を見せる。これまで楽器の経験がなかったという芋生さんは「難易度が高かったです」と苦笑を浮かべつつ「あの曲、すごく好きなんです。途中でラップも入るし、感情が乗りました」と楽しそうに明かしてくれた。


本作のトワの人物像には、前田監督自身が投影されている部分が大きいようで、倉さんは監督とつながる部分を感じるか? という問いに「つながるどころか、(前田監督は)トワって感じです」と即答し「現場でもいつもニコニコしてて、こんなピュアな人いるのかと思った」と述懐。芋生さんも「(前田監督は)リアル・トワです」と即答し「私たちが歌っているところをモニタで見ながら揺れてました(笑)。かわいすぎません?」と愛らしそうに語る。前田監督は「みんな、トワ的なところってあると思います」と照れくさそうに笑みを浮かべていた。
 

koibitonomitukekata-500-5.jpg

舞台挨拶の最後に前田監督は「つらい現実や厳しい日常があったり、世の中、おかしなことばかり起きたりして、そこへの不安もあると思います。そういうところからのガス抜きや疲れた日常の筆休みになればと思ってこの映画を作りました。映画を観て、ちょっとでも気持ちが楽になっていただけたらありがたいです」と語る。


芋生さんも「ひとりではどうしようもないくらい、しんどくなったり、つらくなったり、生きづらさを感じる瞬間があると思いますけど、そういう時にこの映画を観ると、自分だけで抱え込まないで、誰かともっと外の世界に飛び出してみようかなと思えたり、そういう人に対して周りも『逃げてる』じゃなく『生きようとしてるんだ』と捉えられて、周りももっと優しくなれたり、そういう優しい世界を望んでいる映画だなと思います。たくさんの人に観ていただき、多くの人を助けられたらいいなと思っています」と呼びかける。


最後に倉さんは「この映画は、悪い人が出てこない温かい作品で、たぶん、僕自身も数十年後とかに観てホッとする気持ちになる映画だと思っています。もしそういう気持ちになれる人がいたら、僕もこの映画に携われてよかったなと思います。まだ公開がスタートしたばかりなので、たくさん広めていただければ幸いです」と語り、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
 


◆監督:前田弘二 脚本:高田亮  音楽:モリコネン
◆出演:悠貴 芋生悠 成田凌 宇野祥平 川瀬陽太 奥野瑛太 高田里穂 松井愛莉
◆2023年/日本/99分/5.1ch/スタンダード 
◆©JOKER FILMS INC. 
◆公式サイト:http://koimitsu.com
◆制作プロダクション:ジョーカーフィルムズ、ポトフ 
◆企画・製作・配給:ジョーカーフィルムズ

2023年10月27日(金)~新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都、出町座、シネ・リーブル神戸 ほか全国公開中!


(オフィシャル・レポートより)


今年は日中平和友好条約締結45周年という記念すべき年です。この素晴らしい一年を祝賀し、日中映画交流をより一層盛り上げるべく、日中映画祭実行委員会は昨年につづき、10月26日(木)から11月1日(水)まで第2回「大阪・中国映画週間」をTOHOシネマズ梅田にて開催いたします。


china2023-relie.jpg上映ラインナップは、今年の東京国際映画祭でジャパンプレミア上映される中国の巨匠チャン・イーモウ監督作『満江紅(マンジャンホン)』、10年前に訪れた長江沿いで暮らす人々の生活を追った、元NHKドキュメンタリーディレクターの竹内亮が手掛けた『再会長江』、中国のトップ俳優ホアン・ボー(黄渤)とワン・イーボー(王一博)が初共演&ダブル主演で贈るサクセスストーリー『熱烈』、映画を見ながら唐詩(中国・唐時代の詩)を暗唱する「勉強を兼ねた映画鑑賞」で話題を呼んだ中国アニメ『長安三万里』や、中国で興収20億元を突破した『封神~嵐のキングダム~』など、バラエティに富んだ計16作品です。


中国映画週間初日10月26日(木)には、開幕式を行います。中華人民共和国駐大阪総領事、中国国家電影局副局長のご挨拶をはじめ、舞踊「長安三万里」、昆劇の披露、そして、オープニング上映作品の『封神~嵐のキングダム~』から監督の烏爾善(ウー・アルシャン)、主演の費翔(クリス・フィリップ)、プロデューサーの羅珊珊(ルオ・サンサン)をはじめ、中国映画週間期間中上映作品の俳優、監督、プロデューサーら総勢12名(予定)が登壇いたします。


■2023大阪・中国映画週間[公式サイト]
 http://cjiff.net/2023osaka.html

上映作品情報 ※東京版ご参照ください
 http://cjiff.net/movies.html


kururi-bu-550.jpg

◆実施日時:10月12日(木)17:25〜17:55

◆会  場:MOVIX京都 シアター12(京都市中京区桜之町400 新京極商店街内

◆登壇者:くるり 岸田繁、佐藤征史、森信行 ※MC:野村雅夫


kururi-main-550.jpg


くるり初のドキュメンタリー映画『くるりのえいが』が、いよいよ明日10月13日(金)より、なんばパークスシネマ、MOVIX京都 他全国劇場3週間限定公開&デジタル配信を開始いたします。1996年に結成して、多彩な活動を通じて日本のロック・シーンで異彩を放ってきたくるり。今回新作アルバム制作のために岸田繁と佐藤征史が声をかけたのは、オリジナルメンバーの森信行だった。結成当時のプロモーション映像、ライヴ映像を交えながら、なぜ今、またこの3人による曲作りを選択し、どのように曲が生み出されていったのか、くるりの創作の秘密に迫るドキュメンタリー映画が誕生しました。本作の監督を務めるのは細野晴臣のドキュメンタリー映画『NO SMOKING』、『SAYONARA AMERIKA』を手掛けた佐渡岳利監督。バンドのひたむきな創作の情熱から、音楽を奏でることの面白さを再発見できる必見の作品です!

この度、公開に先駆け10月12日(木)に『くるりのえいが』先行上映会 in 京都を実施いたしました。

くるり・オリジナルメンバーの3人が、彼らのホームである“京都”にて本作の撮影秘話をたっぷりと語りました。
 


kururi-bu-500-2.jpg

東京に続き、公演前2回目の舞台挨拶となったのは、くるりの地元である京都。この日行われた2回の先行上映会では、150席がそれぞれ完売ということで、人気を伺わせた。10月4日(水)に発売された14枚目のアルバム「感覚は道標」に収録されている「California coconuts」をBGMに、岸田繁、佐藤征史、森信行の3人が登場すると、会場は大きな拍手に包まれる。まず岸田が「こんにちは」と挨拶。舞台挨拶はなかなか慣れていないと断りつつ、「見た目以上に緊張してます」と笑わせると、改めて「ご覧いただきありがとうございました」と会場に感謝を伝えた。


kururi-bu-240-satou.jpg佐藤もまずは感謝のコメント。そしてこの会場に来るのはトム・ハンクス主演の『クラウド アトラス』をメンバーと一緒に観に来て以来10年ぶりくらいと明かすと、岸田が「『クラウド アトラス』越えやね」とツッコミ。佐藤は、「その次(にここへ来たの)が『くるりのえいが』を見てくれた人の前っていうのが、なんか感慨深い感じです」と笑顔を見せた。


森はまず「オリジナルメンバーの森信行です」と挨拶。「僕がいた頃のくるりを知ってる人は?」と会場に問いかけると、8割ほどの観客が挙手する様子に「あ〜、うれしい!」と笑顔を見せつつ、「知らない方もいらっしゃると思うので、それも含めて楽しんでいただければ」と話した。


司会から撮影を通して印象的だったエピソードを聞かれた岸田は、作中に出てきたエビフライに言及。「大きいのが1人3尾ついてたんですわ。その他にもあの日はエビフライと湯豆腐、メインが2つ出てくるんです。それですかね」ときっぱり。岸田は「食べることが大好き」と話すと、ライブやレコーディングの現場でもお弁当などが置いてあるが、「あんなに食事も充実しているレコーディングはしたことがないですよ、ホンマに」と、これまでのバンド歴の中でもかなり印象深かったことを告白。佐藤も、レコーディング中は朝ごはんの味噌汁が何かが一番の楽しみだったと話し、「今日取れたメカブやワカメがごちそうになる伊豆、最高でした」と伊豆レコーディングを振り返った。


kururi-bu-240-kishida.jpgそのレコーディングが合宿形式で行われたことについては、岸田が「同じ釜の飯を食うという言葉があるけど、久しぶりに集まって同じご飯を食べて、同じところに寝て、おはようってレコーディングする、それが音に反映した」とあまり日常的でない感覚が作品に影響を与えたことを示唆。森も合宿だったことは大きかったと振り返ると、「くさい言い方になるかもしれないけど」と断りを入れつつ、「感動を共有するみたいな、リフレッシュで伊豆の海に行って風が気持ちいいな、海がきれいだな、今日は暑いな、ご飯がおいしいな、そういう感覚を共有できるのがチームワークにつながるような気がしていて、それが映画の中に入ってる気がします」と話した。


「コロナ禍ではリモートで音楽制作をしていたこともある」と岸田。3人でセッションしたことについては「3人で集まって、貴重というか、懐かしくもあるんやけど、人と集まって音楽作るのが楽しいなっていう気持ちでした」と改めてバンドで音を出すということのよさを実感した様子。森も3人いっしょにモノを作ることについて「インスピレーションの仕掛けあいも、こう来たらこう出てみたいなやりとりがすごい楽しかったですね」と振り返った。そして「久しぶりに制作して(昔と)いっしょやなというところもあるし、すごく成熟している新しい形も見られて、それは新鮮な体験でした」と心境を吐露。オリジナルメンバーである森に関して佐藤は「瞬発力のすごい人やな」と評すると「4小節だけのギターリフのイントロが流れただけで、自分のなかの道筋を作って、疑いなくこれ正解ですというのが出てくる、だから曲が進んでいく」とベタ褒め。そして以前は話したことのなかったという、ドラムに対してどういう気持で臨んでいるのか、といった話もしたと明かした。レコーディングについては、曲が生まれた瞬間からレコーディングまでがむちゃくちゃ短かったと話し、「曲の良さをみんなが忘れてないうちに、じゃあ録ってみようってできたっていうのが一番良かったのかなと思います」と、やはり3人が顔を合わせてのスピード感、ライブ感が今回のレコーディングで大きなウエイトを占めていたことを話した。


kururi-bu-500-3.jpgニューアルバムの「感覚は道標」の反響について岸田は、SNSなどでいろんな声を見聞きして、「ありがとうございますというのがいっぱいある」と明かすと「曲は少しずつ育っていくものだと思うので、最初にすごく祝福していただいた感覚」と笑顔。作中でも登場する拾得でのライブについて話題が及ぶと、そのライブに行っていたという観客が多数挙手するひと幕も。岸田が「いっぱいいっぱいではあったんですけど、楽しんで演奏したと記憶しています」と話すと、佐藤も「最近のライブの平均よりBPM20くらい上がってたんちゃうかな」とうなずいていた。


kururi-bu-240-mori.JPG森は今後について「映画のなかでできたものはオギャーと生まれた瞬間の感じ、その瞬間が映画に映っているのでそれをまず楽しんでいただいて、アルバムに入っているのは実はちょっとそこから青年くらいに成長してる、次はツアーで大人になった曲が見られるかもしれない」と、曲が生き物であることを伝えると、岸田が「グレんようにしないと」と合いの手。森も「ぜひツアーに足を運んでいただいて」とアピールした。佐藤は「森さんといい付き合い方をしていけたらと思ってる」と笑わせ、過去に森と共にした「チミの名は。」というツアーを挙げると、それ以上に楽しんでいければと期待を込めた。


ここで森からツアー名が発表されることに。しかし森は「えっとなんやったっけ……」と一旦ボケてからハードにキマる!つやなし無造作ハッピージェル》というツアー名を明かすと、岸田から「どういう意味なんですか、それは?」とツッコミが。その岸田は、今後についてたまに考えると話すと、「ケセラセラでございます」。さらに「さっきもっくん(森)も言うてはりましたけど、オギャーから成長の過程で、作者である自分たちが得ていくものもあると思うんで、見守りながら育てながら、ケセラセラ、ですかね」とさらり。最後に改めて会場に感謝を伝えると「この映画は音楽作品でもあるので、繰り返し見ていただくといろんな発見があるんちゃうんかな、長く付き合ってください」と締めくくった。
 


『くるりのえいが』

出演:くるり 岸田繁 佐藤征史 森信行
音楽:くるり 主題歌:くるり「In Your Life」 オリジナルスコア:岸田繁
監督:佐渡岳利 
プロデューサー:飯田雅裕 
配給:KADOKAWA 
公式サイト:vb-eigaeigyo@ml.kadokawa.jp 

2023年10月13日(金)より全国劇場3週間限定公開&デジタル配信開始


(オフィシャル・レポートより)

 

45th PFFアワード 入選22作品.jpg


10 月 14 日(土)より、京都文化博物館で開催する「ぴあフィルムフェスティバルin 京都 2023」のプログラムが決定しました。9 月 22 日(金)に各賞が発表されたばかりの、自主映画コンペティション「PFF アワード 2023」の入選 22 作品に加え、招待作品部門「イカすぜ!70~80 年代」の 6企画 20 作品を一挙上映する 8 日間です。
 



◎映画祭「ぴあフィルムフェスティバル in 京都 2023」

■日程:2023 年 10 月 14 日(土)~22 日(日) ※月曜休館

■会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)

【公式サイト】https://pff.jp/45th/kyoto/
 



45th PFF-pos.jpg

【コンペティション「PFF アワード 2023」】

 

 

557 本の応募作から選ばれた、22 作品を一挙上映します。

現在、京都芸術大学に在学中で、審査員特別賞を受賞した『鳥籠』立花遼監督や、大阪芸術大学&立命館大学出身で大阪在住の『ハーフタイム』張曜元監督ら、入選監督も来場予定です。

また、観客の皆さんに投票いただく「京都観客賞」を実施します。ぜひ投票してください!

 

 

投票はこちら⇒(https://pff.jp/45th/award/competition.html


【招待作品部門「イカすぜ!70~80 年代」】

① 大森一樹監督再発見 

   10/14(土) 11:30~/14:00~、
   10/15(日) 11:00~

京都府立医科大学在学中に制作し、一躍その名を轟かせた『暗くなるまで待てない!』をはじめ、貴重な自主映画時代の 8 ミリ&16 ミリの全 9 作品を 3 プログラムに分けて上映します。貴重な 70 年代の京都の街並みを背景にした作品も含まれています。

かつて大森監督の助監督をつとめた緒方明監督が、東京開催に続きすべての回で、アフタートーク。貴重なエピソードを披露します。さらに、15 日(日)のプログラムには、大森監督自主映画時代の主演俳優である、南浮泰造さんに来場いただき、緒方監督との対談が実現します。


② 斎藤久志監督再発見

10/14(土) 17:00~

斎藤久志監督のプログラムでは、自主映画時代から斎藤監督作品に出演し、現在は京都芸術大学で教鞭をとる鈴木卓爾監督が来場。秘蔵映像&数々のエピソードで、斎藤久志監督の映画術をお話いただきます。

 

 

③ 日比野幸子プロデューサー再発見

10/17(火) 15:00~
10/19(木) 15:00~

PFF スタート時から審査員として参加した日比野幸子さんは、海外へとその視点を拡げ、80 年代にはまだ誰も注目していなかったアジアや東欧の新鋭を紹介し続けました。今回は、ホウ・シャオシェン監督、イ・チャンホ監督の 2 作品を紹介します。

 

④ 山中瑶子『あみこ』への道

10/17(火) 18:00~
10/18(水) 15:00~/18:00~

東京でも好評を博した、山中瑶子監督のプログラムを京都でも実施!『あみこ』+『おやすみ、また向こう岸で』の山中監督トーク回に加え、山中監督が衝撃を受けた 2 作品を上映します。

 

⑤ 鶴岡慧子監督セレクト

10/15(日) 13:45~

早逝したバーバラ・ローデン監督の初長編作品に衝撃を受けた鶴岡監督が、デビュー作の創作について伝えます。現在、神戸芸術工科大学で助教を務める鶴岡慧子監督の初長編である PFF グランプリ作品『くじらのまち』も同時上映!

 

⑥ 驚異の傑作!

10/20(金) 15:00~

山川直人監督&石井聰亙監督による、70~80 年代を代表する伝説の自主映画を 2 本立て上映。8 ミリ作品を修正したデジタル版での上映です。

 


【チケット情報】

10 月 3 日(火)朝 10 時より、チケットぴあにて発売!(P コード:553-389)

<PFF アワード> 一般(シニア含む):1,000 円/障がい者・友の会:500 円/学生:500 円

<招待作品部門> 一般(シニア含む):1,500 円/障がい者・友の会:1,000 円/学生:500 円
 


(オフィシャル・リリースより)

 
 
 
 


arisutoteresu-アリスとテレスのまぼろし工場コラボ-550.jpg


大人も泣けるアニメとして 300 万人の心を動かし、大ヒットを記録した 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などアニメに馴染みのない人たちの心も掴む脚本家であり、 監督デビュー作となった『さよならの朝に約束の花をかさざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里監督最新作。岡田監督の魅力が 200% 詰まった MAPPA 初のオリジナル劇場アニメーション『アリスとテレスのまぼろし工場』が、9 月 15 日(金)より全国公開を迎えます。主題歌は、作品世界に惚れ込んだ中島みゆきが、初のアニメーション映画へ書き下ろした楽曲「心音(しんおん)」(9/13 発売)。一足先に行われた試写会では「鳥肌ものの衝撃!」「とんでもなさすぎて震えが止まらない」「やばいくらいどハマりした」など、興奮の声が続々と上がっており、アニメーション映画の新たな未来を創り上げるエポックメイキングな作品が誕生しました。


この度、『アリスとテレスのまぼろし工場』の公開を記念して大阪の誇る“粉もん文化”の最前線に立つ「BOTEJYU® Group」とのタイアップ企画が実現いたしました!


1946 年に創業したお好み焼専門店の老舗「ぼてぢゅう®」を運営する「BOTEJYU® Group」との映画公開記念タイアップ企画が、9 月 19日(火)より始動いたします。

《変化を禁じられ、出口を失い、時まで止まってしまった閉じ込められた世界で、止められない”恋する衝動”を武器に未来へともがく者たちの物語》である本作の世界観をイメージしたまぼろしメニュー3 品が登場。【卵で閉じ込められた世界を表現した「まぼろし工場の焼そば」【1 つだけからあげに変えることで、主人公たちの衝動を表現した「まぼろし工場のたこ焼」】【ローストビーフの中にからあげが閉じ込められた「まぼろし工場のローストビーフ丼」】がタイアップ期間限定で楽しめます!

これらのメニューをご注文された方には、BOTEJYU® Group でしか手に入らない限定の絵柄の、映画『アリスとテレスのまぼろし工場』スペシャルポストカードをプレゼント!(数量限定・無くなり次第終了)


同時に X(旧 Twitter)にて、まぼろしメニューの写真に指定ハッシュタグ「#まぼろし工場」「#ぼてぢゅうフォト」をつけて投稿する写真投稿キャンペーンと、誰でも気軽に参加できるフォロー&リボストキャンペーンも実施いたします。どちらもご参加いただくと、抽選で映画非売品グッズや BOTEJYU® Group のお食事券が当たります! ぜひ店頭キャンペーンと共にお楽しみください。
 


【『アリスとテレスのまぼろし工場』タイアップキャンペーン】①

開催期間:2023 年 9 月 19 日(火)~10 月 20 日(火)

詳細は BOTEJYU® Group 公式 HP をご覧ください。

https://botejyu.co.jp/?view=news_article&id=7698

 

◎店頭キャンペーン

映画の世界観をイメージした期間限定のまぼろしメニューが登場!(下記 3 品・写真はイメージです)

まぼろしメニューをご注文された方に、BOTEJYU® Group 限定の絵柄の映画『アリスとテレスのまぼろし工場』スペシャルポストカードをプレゼント!
(数量限定・無くなり次第終了)

※店舗によってまぼろしメニューの取り扱い有無・種類が異なります。詳細は BOTEJYU® Group 公式 HP をご覧ください。


 


【『アリスとテレスのまぼろし工場』タイアップキャンペーン】②


開催期間:2023 年 9 月 19 日(火)~10 月 20 日(火)

詳細は BOTEJYU® Group 公式 HP をご覧ください。

https://botejyu.co.jp/?view=news_article&id=7698

 

◎X(旧 Twitter)キャンペーン

  • 投稿キャンペーン

まぼろしメニューの写真を #まぼろし工場 #ぼてぢゅうフォト をつけてポストした方の中から抽選で 10 名様に、映画ポスター(非売品)+BOTEJYU®  Group お食事券 3,000 円をプレゼント。

  • フォロー&リポストキャンペーン

BOTEJYU  Group X(旧 Twitter)公式アカウントをフォローし、キャンペーンポストをリホストした方の中から抽選で 10 名様に、映画プレスシート(右写真)(非売品)+BOTEJYU®  Group お食事券 1,000 円をプレゼント。

 


『アリスとテレスのまぼろし工場』

【ストーリー】

arisutoteresu-550.jpg

変化を禁じられた世界で、止められない“恋する衝動”を武器に、未来へともがく者たちの物語製鉄所の爆発事故により出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす 14 歳の正宗。いつか元に戻れるようにと、何も変えてはいけないルールができ、鬱屈とした日々を過ごしていた。

ある日、気になる存在の謎めいた同級生・睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは言葉の話せない、野生の狼のような少女・五実―。二人の少女との出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった。止められない恋の衝動が行き着く未来とは?

脚本・監督:岡田麿里
副監督:平松禎史
キャラクターデザイン:石井百合子  演出チーフ:城所聖明 美術監督:東地和生
音楽:横山 克
制作:MAPPA
主題歌:中島みゆき「心音(しんおん)」
出演:榎木淳弥 上田麗奈 久野美咲/八代拓 畠中祐 小林大紀 齋藤彩夏 河瀨茉希 藤井ゆきよ 佐藤せつじ/林遣都 瀬戸康史
配給:ワーナー・ブラザース映画 MAPPA
公式 HP:https://maboroshi.movie
コピーライト:©新見伏製鐵保存会


(オフィシャル・リリースより)

mori.jpg
 
『A』『A2』『i 新聞記者ドキュメント』と社会派ドキュメンタリーを撮り続けてきた森達也監督による初の長編劇映画『福田村事件』が、関東大震災からちょうど100年となる2023年9 月1日(金)よりシネ・リーブル梅田、第七藝術劇場、MOVIX堺、京都シネマ、京都みなみ会館、9月8 日(金)よりシネ・リーブル神戸、元町映画館、シネ・ピピア、以降出町座で順次公開される。
 福田村事件とは、関東大震災発生から6日後の1923年9月6日、千葉県東葛飾郡福田村(現在の千葉県野田市)で、自警団を含む100人以上の村人たちにより香川から訪れた薬売りの行商団15人のうち幼児や妊婦を含む9人が虐殺された事件。歴史の闇に葬り去られていた事件を群像劇として構築。大災害時のフェイクニュースが引き金となった虐殺や、その後戦争に突き進んでいく日本の市井の人々の姿を通して、現在に通じる報道のあり方や集団と個の問題や浮き彫りにする必見作だ。
 本作の森達也監督にお話を伺った。
 

 
【メイン】01h27m47s_iro01.png
 
―――関東大震災後、今まであまり一般的に知られていなかった福田村事件を描くにあたり、特に注力した点は?
森:戦争でも普通の事件でも、感情移入がしやすい被害者側を主軸に描く作品が圧倒的に多いです。でも加害者にも一人ひとりにもそれまでの時間があり、その行為に至る経緯がある。事件だけを切り取れば凶悪なモンスターになってしまうので、加害者の日常や喜怒哀楽をきちんと描きたいという気持ちで臨みました。
 
―――今回、フィクションを監督しましたが、ドキュメンタリーとの違いはありましたか?
森:ドキュメンタリーもフィクションもカットを組み合わせるモンタージュですから、その部分は同じです。ドキュメンタリーは撮影後にラッシュを見ながらモンタージュとストーリーを考えるけれど、フィクションは先にストーリー、つまりモンタージュを考えてから撮影するので、順番が違うだけ。ただドキュメンタリーは現実に規定されてしまうけれど、自分の想像をはるかに上回ることが起きるんです。フィクションは宇宙人を登場させることもできるけれど、自分の想像の範囲内のことしか作れない。それぞれ一長一短がありますね。そこはある程度想像がついていたので驚きはしなかったですが、こんなに大所帯で撮影をしたのは初めてで、それは大変でした。
 

【サブ1】00h35m03s0.png

 

■20年前に知った福田村事件、映画化までの道のり

―――福田村事件を映画化しようと思ったきっかけは?
森:20年前に新聞で、千葉県野田市に慰霊碑を作る動きが始まったという小さな記事を読んだんです。それだけでは詳細がわからなくて、野田市に行って話を聞いたり郷土資料館で調べたりして、ほぼ資料はなかったのだけど何とか福田村事件のアウトラインを知り、テレビの報道特集枠で取り上げられないかと各局に企画を持っていきましたが、「これは無理でしょう」と検討の余地もなかった。その後に著書「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」(03)で、章をひとつ使って事件のことを書きましたが、映像化については棚上げ状態となっていたんです。『FAKE』(16)を撮った後、次はフィクションで福田村事件なら撮れるのではないかと考えて、簡単なシノプシスを書いて映画会社を回った時期もあります。でもやっぱり駄目でした。
その後に、やはり映画化を考えていた荒井晴彦さんたちに出会う。彼らが事件を知った理由は、「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」を読んで事件を知ったミュージシャンの中川五郎さんが作った曲「1923年福田村の虐殺」を、たまたま聴いたことがきっかけだと後で知りました。偶然なのか必然なのか、ぐるりと廻って繋がったという感覚です。
 
―――福田村事件で犠牲になった行商団の中には、生き残り、地元に戻った方もおられますが、関係者の方に話を聞くことはできたのでしょうか?
森:シナリオを書くためのリサーチで香川県へ行ったときに、生き残って戻られた行商団の方のご遺族と面会することができました。その方も3年前ぐらいに、はじめてこの事件のことを知ったそうです。僕に話してくれたのは、日ごろ祖父は何も語らなかったけれど、たまに縁側でお酒を飲みながら泣いていることがあり、子ども心ながら「なぜ、じいちゃんは泣いているんだろう」と思っていたそうです。今から思えば、事件のことを思い出していたのだろうと語ってくれました。
 
―――井浦新さんが演じる澤田と田中麗奈さんが演じる妻の静子は、日本統治下の京城から故郷の福田村に戻ってきたという設定で、オリジナリティーを感じました。
森:加害者と被害者に加え、もう一つの視点が欲しいと考え、触媒となる存在として澤田夫妻を加えました。井浦さんをはじめ、俳優のみなさんは脚本から人物像を深く理解して撮影に臨んでくれたので、僕からは何も言うことがないぐらいの素晴らしい演技でした。
 
―――排他的な村社会で生きる人たちとは一線を画し、他人と対等な関係を築こうとする静子の立ち振る舞いは、性的な部分も含めてとても新鮮ですね。
森:ちょっと破天荒にしすぎたかな(笑)田中さんにはとにかく無邪気になってとお願いしました。大の字で寝そべったりするところも、日頃の田中さんとは違うかもしれないけれど。オファーをしてからしばらく脚本を読み込み、熟考した上で出演を決めてくれました。
 
―――行商団が被害に遭うことは史実でわかっていますが、そこにいたるまでの道中で彼らがどのような日々を紡いでいたか、彼らの生きた証がしっかり描かれていました。
森:映画では表立って出していませんが、行商団員の設定をそれぞれ作り、年齢や、どういう場所で育ったかを俳優たちへ事前に伝えていました。昨年8月、コロナの感染者がまだ多かった時期の撮影だったので、撮影中に俳優たちとコミュニケーションを取ることは難しかったけれど、行商団のリーダー、沼部を演じた永山瑛太さんは工夫して団員役の俳優たちとコミュニケーションを取ってくれ、そのおかげでアットホームな雰囲気が作れていたと思います。また部落問題についてもそれぞれが学び、個々人で慰霊碑にも訪れていたそうなので、これも僕から何かあえて教えたりする必要はなかったです。
 
 
【サブ4】0J6A7142.JPG

 

■女性の優秀さを映画の中でもっと描くべき

―――関東大震災後の朝鮮人虐殺を報道しようと上司に直訴する記者が女性であることも、大正という時代を考えるとあえてそうした意図を感じましたが。
森:記者だけでなく、村や行商団の女性たちの立ち位置も意識しました。基本、戦争や虐殺などは男性の文法であるけれど、子を持つ女性も自衛の意識は強い。また一方で、女性のほうが集団の熱狂に安易に巻き込まれないと感じるときもあるので、そうした複雑さを映画の中で描きたいと思いました。
 木竜麻生さんが演じた女性記者、恩田の上司である旧世代の代表のような砂田(ピエール瀧)は、この時代の少し前に実在していたリベラル系反権力主義の平民新聞に在籍経験があるという設定を、僕自身は考えています。平民新聞が政府の弾圧を受けながらどんどん部数を減らしてしまった経緯を知っているので、下手に権力に逆らうとそれと同じことが起きてしまうという恐れを砂田は抱いている。そういう矛盾を抱えた存在に対して、青臭いけど活気のある若い女性記者を対比させたかった。本作の前に、東京新聞社会部記者の望月衣塑子さんの活動にフォーカスした『i 新聞記者ドキュメント』を撮っていたので、望月さんの印象が残っていたのかもしれません。
 
―――恩田が上司に立ち向かっていく姿は、権力の前でもひるまない望月さんに重なりますね。
森:ドキュメンタリーの世界でも、『教育と愛国』の斉加尚代さんや『ハマのドン』の松原文枝さん、『標的の村』の三上智恵さんに『ちむりぐさ』の平良いずみさんなど、最近は女性監督が優れた作品をたくさん作っています。今のジェンダーの流れというよりも、女性の優秀さをもっと作品の中にも取り入れなくてはいけないという想いがありました。ここは小声で言うけれど、生きものとしては、多分女性の方が男性より優秀だと思っています。
 
 
【サブ2】00h16m04s.png

 

■村の中の異物的存在

―――一方、村の権力闘争とは無縁のところにいる船頭の倉蔵を演じた東出さんも、見事な役作りをされていました。
森:企画が始まってすぐに、「森が監督するなら役は何でもいいから、出させてください」と申し出てくれたのが東出さんでした。日に焼けた体作りだけでなく、和船の漕ぎ方も習いに行き、免許も取ったそうです。この作品の東出さんはものすごくいいと思いますよ。
 
―――なんでもやると出演を希望した東出さんを船頭役にキャスティングした理由は?
森:船頭は村の異物と捉えています。彼の不倫相手である咲江(コムアイ)も他の村から嫁いでいるので村の異物的な存在で、異物だからこそ最後の虐殺のシーンでは他の村人たちとは違う動きをするわけです。東出さんは背が高すぎることも含めて、存在するだけでその異物感が漂っていますから、彼がいいんじゃないかなと。
 
―――船頭が仕事をしている舟の上は、村とは少し離れ、どこかファンタジックな空間になっていますね。
森:それはあると思います。村人は百姓だから地に足をつけているけれど、倉蔵は田畑を持っていないから舟の上で自由でいられる。一方で財産がないということも意味するわけです。
 
 
【サブ13】0J6A4566.JPG
 

■加害者をしっかり描くことで見えてくること

―――関東大震災後の大虐殺は歴史的なことが積み重なり、負のうねりになっていることがよくわかります。
森:100年前のような大虐殺はさすがに起こらないと思いますが、ヘイトクライムやヘイトスピーチは今も日常的に起こっています。今回は加害者の日常や喜怒哀楽をしっかり描きたかったので、それだけの時間設定は必要になるし、加害者の人たちの日常の喜びや悲しみも全て描くことが重要でした。
 
―――行商団へ処刑を求めた人たちの描写から、当時の大義名分が浮かび上がりますね。
森:自衛や防衛を大義にすることは今も同じです。プーチンはウクライナに侵攻した理由を、ウクライナがNATOに加盟すればロシアの安全保証が脅かされることと、ウクライナ東部にいるロシア系住民を虐殺から保護するという大義名分を掲げました。かつての大日本帝国も、侵略の大義はアジアの解放です。アメリカがベトナム戦争に介入した理由は、共産主義は放置すれば際限なく隣国に感染するというドミノ理論を信じたから。世界中の軍隊の存在理由は自衛や防衛です。本音と建て前はともかくとして、自衛意識の高揚は気をつけなければいけないと思っています。
 
―――豊原功補さんが演じた村長の葛藤も後半にかけて増していきます。
森:当時は大正デモクラシーの時代ですが、結局国家と世論に負けて、軍国主義に走ってしまうわけで、それはデモクラシーやリベラルの弱さです。人権や平等などへの意識は理論ですから、怖いとか危ないなどの情念に負けてしまう。村長の存在は、時代のメタファーにもなると思います。
 
―――森さんがドキュメンタリー『A』『A2』で長年とらえ続けてきた問題と重なる部分があるのでしょうか?
森:強く意識してきたわけではないけれど、『i 新聞記者ドキュメント』もしかり、集団と個というのが僕の大きなテーマなので、きっと繋がっているのでしょうね。個が集団となったとき、どうしても同調圧力に負けてしまうし、暴走が始まったら誰も止められない。
 
 
【サブ6】01h00m11s.png

 

■映画の存在意義とは?

―――韓国をはじめ、海外では実在の事件を素早くフィクション映画にして世に問うという実録ものは数も多く力作が多いですね。
森:最近の韓国は、自分たちの負の歴史をしっかりエンターテイメント作品にして世に送り出している。ナチスやホロコーストの映画は、ひとつのジャンルのように毎年量産されています。ハリウッドも先住民虐殺や黒人差別をはじめ、自分たちの負の歴史を映画にしている。そうした視点で見れば、日本だけが取り残されているような印象を持ちます。負の歴史の映画はほぼない。
 
―――本作公開で、日本からもようやく負の歴史に真正面から切り込むフィクションが現れたと言えるのでは?
森:僕が若いころに観た『ソルジャー・ブルー』はアメリカ先住民の虐殺を彼ら側から描いていて、正義の騎兵隊がいかに残虐な存在だったかを提示した。他にも一連のアメリカン・ニューシネマを観ながら、視点で世界は変わることをとても強く実感したし、今も影響を受けていると思います。映画で多くを学べたと思う。権力と世相に迎合する映画ばかりでは発見がない。負の歴史や新たな視点を教えてくれる映画は、もっと増えてもいいのでは、と思っています。
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『福田村事件』(2023 日本 136分)
監督:森達也
出演:井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、松浦祐也、向里祐香、杉田雷麟、カトウシンスケ、木竜麻生、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明他
9 月1日(金)よりシネ・リーブル梅田、第七藝術劇場、MOVIX堺、京都シネマ、京都みなみ会館、9月8 日(金)よりシネ・リーブル神戸、元町映画館、シネ・ピピア、以降出町座で順次公開
(C) 「福田村事件」プロジェクト2023
 
 
 

 

大ヒットホラー映画『呪怨』シリーズを手掛け、ハリウッドで自らリメイクした『THE JUON/呪怨』が、日本人監督として初めて全米興行収入1位を獲得!近年では『犬鳴村』など話題の「恐怖の村シリーズ」を手がけた、Jホラーの巨匠・清水崇監督の最新作『ミンナのウタ』が、8月11日(金)全国公開いたします。主演として、GENERATIONSが全員本人役で出演します!


この度、公開を記念して、『 時解 eScape café 』 とのタイアップが決定!

期間限定で、各店舗にて配布される謎解きカードをゲットして、「ミンナのウタ」コラボオリジナル謎解きに挑戦できます!!

各店舗内で無料で配布しているカードを取れば誰でも参加可能です!謎解きをクリアした方に、抽選で映画の関連グッズが当たるキャンペーンも実施。あわせて道頓堀店にてパネル展も実施致します。

また、遠方の方などは時解公式LINEからもコラボ謎解きに挑戦可能!
この機会にオリジナル謎に是非挑戦してみてください!!

 


◆期間:2023.7.15(土)~2023.8.31(木)
    ※POPUPは7/20(木)休み、7/25(火)までの実施

開催場所:時解 eScape café
     【道頓堀店/なんば店/期間限定 POPUP(なんばなんなん)】



①店内にてタイアップ謎解きカード(1枚謎)配布

映画『ミンナのウタ』「ミンナノウタ」呪いのカセットテープ (2).jpg

各店舗にて、タイアップ謎解きカードを配布致します。道頓堀店・なんば店にて脱出ゲームの参加ではもちろん、カフェ利用でもゲットできます!期間限定のPOPUP店舗では、立ち寄るだけでゲットできますので、是非この機会にタイアップ謎解きに挑戦してみてください!
★LINEアカウントに回答し、正解者の中から映画オリジナルグッズが当たるキャンペーンを実施。

 

映画『ミンナのウタ』×時解 タイアップ告知ビジュアル (2).jpg

②時解 公式LINEアカウントにてオリジナル謎解き配信
時解公式アカウントにてオリジナル謎解きを数問配信!
LINEのおともだち登録をして、本格的な謎解きに挑戦してみては。

※7/15(日)10:00に配信予定/以降はトーク画面内タブより参加可能。
※公式LINE登録はこちら ⇒ https://lin.ee/uUWh7rb

★正解者の中から、映画オリジナルグッズが当たるキャンペーンを実施。

 

③道頓堀店にて、劇中パネル展の実施
期間内、道頓堀にて劇中パネル展を実施致します。

 


《 時解 eScape cafe 》

(光明興業株式会社)【道頓堀店/なんば店/期間限定POPUP店】

■公式サイト : http://www.tokitokiescape.com/
■POPUP概要:https://www.tokitokievent.com/popupshop
■公式LINE :https://lin.ee/uUWh7rb

 


『ミンナのウタ』

【ストーリー】
人気ラジオ番組のパーソナリティを務める、GENERATIONSの小森隼。収録前にラジオ局の倉庫で30年前に届いたまま放置されていた「ミンナノウタ」と書かれた一本のカセットテープを発見する。その後、収録中に不穏なノイズと共に 「カセットテープ、届き…ま…した…?」 という声を耳にした彼は、数日後にライブを控える中、突然姿を消してしまう。


マネージャーの凛は、事態を早急且つ秘密裏に解決するため、元刑事の探偵・権田に捜査を依頼。メンバー全員に聞き取り調査を進めるが、失踪した小森がラジオ収録の際に聞いた「女性の鼻歌のような、妙なメロディーが頭から離れない」と言っていたことが判る。そして、リハーサル中に他のメンバーたちも “少女の霊”を見たと証言。ライブ本番までのタイムリミットが迫る中、リーダーの白濱亜嵐、凛、権田は捜索に乗り出す。やがて、少女の霊の正体は、“さな”という女子中学生だということが判明するが、彼女が奏でる“呪いのメロディー”による恐怖の連鎖が始まり・・・。

一体、彼らに何が起こっているのか? この先に待ち受ける、想像を絶する結末とはーーー!?
 



出演 : GENERATIONS 白濱亜嵐 片寄涼太 小森隼 佐野玲於 関口メンディー 中務裕太 数原龍友 早見あかり / 穂紫朋子 天野はな 山川真里果 マキタスポーツ
主題歌:「ミンナノウタ」GENERATIONS(rhythm zone / LDH JAPAN)
監督:清水崇 / 脚本:角田ルミ 清水崇 / 音楽:小林うてな 南方裕里衣
製作:「ミンナのウタ」製作委員会 / 製作幹事:松竹 テレビ東京
企画・配給:松竹
制作プロダクション:ブースタープロジェクト ”PEEK A BOO films”
©2023「ミンナのウタ」製作委員会
上映時間:102分 *映倫区分:G
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/minnanouta/

2023年8月11日(金)ROADƧHOW


(オフィシャル・リリースより)

 
 


あの日、私たちは突然世界から遮断された――

「このコロナ禍で何を感じているのかが忘れ去られる前に、

映像に残し、記録として確認しよう」


全世界を揺るがしたパンデミック<コロナ>。

2020年1月、日本で最初の感染者、2月には死者が発表され、不穏な空気が流れ始めた。最初の段階ではまだ実感できていなかった人も多数いるなかで、4月7日に新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)に基づく「緊急事態宣言」が初めて発令され、私たちの生活は一変。都道府県知事から飲食店やスポーツジム、映画館やライブハウスなど幅広い業種に休業要請があり、全国的かつ大規模なイベントは中止や延期などの対応が主催者に求められた。そのなかには、映画の舞台挨拶イベント、演劇公演、音楽コンサートなどもあり、エンタメ業界にとっても未だかつてない事態となった。

tokyo2020-pos.jpg
東京組曲2020』は、映画監督・三島有紀子2020年の4月22日に実際に体験したことを元に、20名の役者たちが各自撮影、その映像全体を三島が監修して一緒に作ったドキュメンタリー。NHK在籍当時はドキュメンタリー番組を手掛けていた彼女だが、現在、劇映画監督として活躍し続けるなか、NHK退社後、初のドキュメンタリー映画となる。


最初の緊急事態宣言後、街から人が消えた。皆、どうしているのか、何を感じているのか・・・。先行きのみえないコロナ禍に陥り、誰もが不安な日々を過ごしていた。

4月22日は、ちょうど三島監督の誕生日。明け方、どこからか人の泣き声が聞こえてきたその時に、この映画の企画を思いつく。「このコロナ禍で何を感じているのかが忘れ去られる前に、映像に残し、記録として確認しよう」

本作は、3つのポイントをもとに撮影された。

一つめは、役者たちの暮らしぶりや感じていることを三島監督が引き出す形で共に作ること。

二つめは、役者たちが自分もしくは同居人が撮影すること。(緊急事態宣言下、不要不急以外の外出自粛を余儀なくされるなか、日常を共にする同居人が撮影することは可とされた。情景カットなどは三島監督も撮影に参加。)

三つめは、「明け方(朝4時)に女の泣き声がどこからか聞こえてくる」というシチュエーションをすべての出演者共通の出来事として描くこと。この女の泣き声は事前に録音。8分にも及ぶその声を実際にイヤホンで聞いてもらい、その時の感情の動きやリアクションが記録された。

日々の日記をつけようと決めた男性、舞台が延期となり自宅で過ごすなかで家事に追われる女性、楽しみにして

いた出演作品の映画の舞台挨拶が中止になった女性、自宅で一人黙々と仕事をする女性、など20人の役者たちのコロナ禍第一波で過ごした自分たちの日常がつぶさに切り取られた。

また本作の制作スタッフとして、ラストカットの撮影に今井孝博、音楽は田中拓人等が参加。作品のキーとなる女の泣き声は、女優の松本まりかが担当した。
 



――本作が生まれた経緯を教えて下さい。

緊急事態宣言下で2020年5月にクランクイン予定だった撮影が延期になり、やがて中止になってしまいました。そういったなかで自分が立っている場所の断層がズレている感覚に見舞われたんです。いま私が立っているのかもわからないし、どの世界に生きているかもわからない。さまよっているような感覚で、少しでも違う場所で毎日を過ごしたいと思い、自宅のベランダにテーブルを置いて仕事を出来る空間を作りました。ちょうど自分の誕生日(4月22日)、眠れずにベランダで過ごしていたのですが、朝4時くらいに女の人の泣き声が聞こえてきたんです。


tokyo2020-Kamo Mihoko.jpg私の体感としては10分くらいでしょうか。それを聴いているうちに、すごくつらい思いをしているこの世界の一個人の泣き声ではなく、ここに生きている人たちみんな、或いは自分、さらには地球の泣き声なのではないかと感じ始めました。そのときふと、私が今までしてきたことは誰かの感情に客観的に寄り添うことだったのではないかと気づいたんです。NHK時代に作っていたドキュメンタリーはまさにそうでしたし、劇映画でも現場では役者さんではなく役名で呼ぶようにしていて、その人の肉体に生まれる感情を大切に撮ってきました。そういった経緯で「自分が知っている周囲の人はいまどんな思いで暮らしているのか」と考えて、ワークショップなどで出会った役者のみなさんに「こういう記録を残そうと思っているんだけど、いま何を感じていますか」とリモートで声をかけたのが始まりです。


tokyo2020-Ootaka Yoko.jpg――役者陣の反応はいかがでしたか?

皆さんたくさんお話をしてくださって、その中で「もうちょっと深く話を聞いてみたい」という方たちと「じゃあどういうところを撮っていこうか」と詰めていきました。たとえば舞台挨拶がなくなってしまった大高洋子さんのパートは最初固定カメラで夫婦が映っていたのですが、夫から見た妻の視点のほうが良いんじゃないかと提案したり、方向性や視点を決める役割を私が担いました。


「対象に撮影を任せる」「演出を提案する」という意味ではこれまで撮ってきたドキュメンタリーと全く異なる部分はありますが、こちらからシチュエーションを投げかけてリアクションを撮るという意味では同じです。だからこそ、どういうものが出てくるかは未知数でしたね。主婦も担う田川恵美子さんが部屋で踊りながら叫ぶシーンなどは、完全に予想外でした。

tokyo2020-Tagawa Emiko.jpg

――各々機材も異なるため、編集は大変だったのではないでしょうか。

山口改くんは自分で映画も撮るから性能のいいカメラとマイクを使っていますが、みんな大体iPhoneでした。とはいえiPhoneにも色々バージョンがありますからね。どう揃えていくかは悩みましたが、撮影部の今井孝博さんと相談して下手に整えてしまうよりそれぞれが置かれた現実をそのまま見せていく形を選びました。


編集はトータルで1ヶ月半くらいはかかりましたね。今回はまず木谷瑞さんと個々人のパートの編集をして、そのあとに加藤ひとみさんと「どう並べていくのか」と全体の編集を行っていきました。たとえば医療従事者のお父さんがいる役者のパートは、木谷さんと「お父さんの留守電に語りかける声をベースに編集しよう」と話して、加藤さんと話しながらこのパートを最後に持ってきたという形です。

tokyo2020-Osada Masahide (2).jpg

――本作はいまお話しいただいた「生活の記録」と「泣き声を聞いた各々の反応」という2つのパートで構成されています。泣き声を担当された松本まりかさんについても教えて下さい。

この泣き声をやってもらうとしたら松本さんしかいないだろう、きっと彼女だったらこの趣旨を理解してくれるはずと思いお願いしました。「誰かの声ではなくみんなの声で、そこには様々な感情があるはず。単に悲しいだけではなく悔しい人もいるだろうし、肉親を亡くした人や仕事がなくなった人、会いたい人に会えない人、政府のやり方に対する怒りを持っている人……そうした多様な感情がプロセスの中で見えてきてほしい。そして、その泣き声を聞いたときにみんなから何が生まれるかを引き出したい」というお話をしましたね。


それを聞いた松本さんが「寝転びながらやっていいですか」と提案してくれて、地面に這いつくばりながら慟哭に近い悲しみや怒り、誰かが横にいてくれた時の泣き方までの長いプロセスを見事にやって下さいました。カットをかけた後も松本さんが戻ってこられず、背中をさすった覚えがあります。


それを踏まえて、役者陣には「この泣き声を聞いたときの反応を基本的には一発撮りでお願いします」と伝えて、撮ってもらいました。

tokyo2020-Komatsu Hiroki.jpg

――改めて、2020年4月のコロナ初期段階でもう映画づくりに動いた三島監督のアクションの早さが驚きです。

何か崇高な目的があったというわけではなく、自分の弱さゆえだと思います。コロナ禍というなんだかよくわからないものに差し掛かって、それを得体のしれないままにした方が恐怖じゃないですか。実態は未だにわからないけど我々人間に何が起こっているのかはわかるから、それを知っておきたいという気持ちでした。

言葉は悪いのですが、映画のなかでも映し出されているような、例えば「チーズを作って頑張って毎日楽しもう」という姿って、どこか滑稽な姿だと思います。でもあの頃、私たちの多くは滑稽でしたよね。その弱さや滑稽さも含めて愛おしく、人間の全部を見ていたいという感覚でした。あと、背中を押された作品でいうとジャ・ジャンクー監督の短編映画『来訪』があります。


tokyo2020-Arano Tetsuro-500.jpg――コロナをテーマにした作品ですね。ちょうど2020年の4月に発表されました。

その中で、映画制作の打ち合わせをする男性2人が、裸の肉体がぶつかり合う映像を観るシーンがありますよね。「撮っておかないと忘れ去られてしまうのだ」というような感覚にもなりましたし、撮らねばならないという気持ちにしてくれました。今、出来ることはなにか、そう考えたときに行きついたのが本作の方法でした。腹をくくるという気持ち含めて、コロナ後の映画づくりが変わったように思います。


tokyo2020-Yamaguchi Kai.jpg――「文化芸術は不要不急である」という主張に対する反発も、当時は強くありました。

誤解を恐れずいうと私は「絶対に不要不急じゃない」と言い切れます。というのも、神戸の震災(阪神淡路大震災)を取材した経験からです。最初は当然、寝るところ・食べるところ・排泄するところがまず必要になります。でもその次に必要になるのは、文化芸術なんですよね。人生を破壊されたと思っている人々にとって、気分を明るくしてくれる落語や映画、演劇に小説に音楽――そういったものがないと本当に生きていけないということを目の当たりにしました。生きることは楽しむことなんだと肉体に気づかせてくれる、心の命綱みたいなものなんですよね。文化芸術に触れた瞬間、避難所にいる皆さんの表情が目に見えて変わりましたから。


tokyo2020-Matsumoto Akimi (2).jpg――『東京組曲2020』は、5月13日に公開されます。奇しくもその週初め5月8日「感染症法上の位置づけが「5類」に移行、入場時の検温等、感染対策は事業者の自主的な判断が基本」となりますね。

結局真相は藪の中で、より「コロナって何だったんだろう」と思う気持ちが強まってしまうかもしれませんが、コロナが登場して世界がどう動いて人間がどう右往左往したのか、そこに一つの幕が下りるように思います。


短編『よろこびのうた』『IMPERIAL大阪堂島出入橋』含めて今作3本において、「コロナを描きたい」というよりもコロナによって生まれた「人間って何だろう」という一部が少しでも見えたらいいなという想いで作りました。自分にとって人間研究の意味合いが大きいです。その考え自体は原作ものであろうがオリジナル作品であろうが変わっていなくて、どんな作品でも「自分自身がこの期間に考えていること」を入れ込もうとしてきました。そういった意味では、本作も人生のある一定期間の思考を描いた表現かと思います。


tokyo2020-Yashiro Mao.jpg――出演者も観客も、皆が当事者であるという意味で特殊な作品になりましたね。

本当にそうですよね。観に来てくださる方全員と話したいくらいの気持ちです。

「会いたい」「触りたい」といった、あのときに強烈に感じた欲求がいまはもうほぼできるようになっていますよね。でもじゃあ、今、我々は意識的にそれができているのか。そのことを問い直すと言ったら偉そうですが、ちょっと心に留めてもらえたらと思います。


(聞き手:SYO) 


『東京組曲2020』

tokyo2020-550.jpg

英題:Alone Together 2023年 日本 1時間35分
監督:三島有紀子
音楽:田中拓人
撮影:出演者たち 今井孝博(JSC) 山口改
出演:荒野哲朗 池田良 大高洋子 長田真英 加茂美穂子 小西貴大 小松広季 佐々木史帆 清野りな 田川恵美子 長谷川葉月 畠山智行 平山りの 舟木幸 辺見和行 松本晃実 宮﨑優里 八代真央 山口改 吉岡そんれい (五十音順)
松本まりか(声の出演)
配給:オムロ
製作:テアトル・ド・ポッシュ
公式サイト:alone-together.jp/ 
twitter:@aTogether2020  ハシュタグ:#東京組曲2020
©️「東京組曲2020」フィルム パートナーズ

2023年5月13日(土)~シアター・イメージフォーラム、6月10日(土)~シアターセブン、元町映画館 ほか全国順次ロードショー


【お知らせ】
tokyo2020-imperial-500.jpg①全上映回で英語字幕入りです。

②同時併映:短編『IMPERIAL大阪堂島出入橋』(15分)=⇒

③舞台挨拶:
◆6月10日(土):シアターセブン、元町映画館にて
  登壇者:三島有紀子監督、大高洋子さん、加茂美穂子さん、小松広季さん、松本晃実さん

​6月11日(日)シアターセブン、元町映画館にて
  登壇者:三島有紀子監督、加茂美穂子さん、小松広季さん、松本晃実さん


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 
 
 


日時:2023年5月29日(月)
会場: スターライズタワースタジオ(東京都港区芝公園 4-4-7 東京タワーメディアセンター内)
登壇者:あのちゃん、ヒコロヒー、ミーガンガールズ


『ソウ』『死霊館』や『アナベル』シリーズで知られる巨匠ジェームズ・ワンと、 『ハロウィン』『透明人間』のジェイソン・ブラム率いるブラムハウスが待望の再タッグを組み、心に傷を負った少女の親友になるようプログラムされた AI 人形 <M3GAN>の行き過ぎた愛情と狂気を描く、制御不能サイコ・スリラー『M3GAN/ミーガン』。全米興収9,504万ドル〈約131億円〉、全世界興収 1 億 7,611 万ドル〈約 243 億円〉突破(2023 年 5 月 25 日現在)の大ヒット作がついに、6月9日(金)より全国公開!


交通事故で両親を亡くし、悲しみからふさぎこんでしまった9歳の少女ケイディ。おもちゃメーカーの才気あふれる研究者ジェマは、この姪を引き取ることになるが、仕事ひと筋の独身者にとって育児はハードルが高い。そこで彼女は研究段階の AI 搭載の人形 M3GAN(ミーガン)を、実験を兼ねてケイディにあたえる。ケイディは“彼女”との交流によって笑顔を取り戻していった。ケイディが親しめば親しむほど、彼女によかれと思えることを次々と実行していくミーガン。しかし彼女の中に芽生えたケイディへの愛情は、やがて狂気へと変わり、とてつもない惨劇を引き起こす......。


megan-5.29ivent-550.jpg
この度、あのちゃんヒコロヒーさん、そしてミーガンガールズが本作の魅力をアピール!公式アンバサダー就任イベントを実施いたしました! イベントでは、全世界で話題沸騰の“ミーガンダンス”を、可愛くも不気味な「ミーガンガールズ」たちが披露!そして本作の公式アンバサダーに就任した、歌手・モデル・タレント・そして俳優とマルチに活躍するあのちゃんが 、先日解禁された特別動画(5/26(金)解禁)でも披露した“ブロンド”ヘア&ミーガン衣装で共に華麗に登場しました!

さらに、ミーガンのお友達になりたい代表ゲストとしてお笑い芸人のヒコロヒーさんも会場にかけつけ、作品の魅力、そしてこじらせ気味なお友達 AI 人形ミーガンに因み、“最近こじらせてるなと思うこと”をフリップトークしたりと、このイベントだからこその熱い女子トークを繰り広げました!
 


<以下、レポート文>

megan-5.29ivent-500-2.jpg

イベントの開始とともに音楽に併せて、キュートなブロンドヘアでミーガンの格好に扮したあのちゃんと、彼女を取り巻くようにミーガンガールズが登場。そして「ミーガンとお友達になりたい代表」ゲストとして、ヒコロヒーさんも参戦。「ミーガンとお友達になりたい一心でここにきました!」と挨拶を述べた。このままミーガンガールズも並んで立ったままなのかと思いきや、あのちゃんからの「座ってもらって見ていてください!」という指示に従い、自分たちで椅子をもって後ろに移動。「僕の言うことは聞くの」と話すあのちゃんに、ヒコロヒーさんは「いや、段取りやろうけどなぁ」と冷静にツッコんだ。ヒコロヒーさんもミーガンガールズに指示を出してみるが聞いてくれず、どうやら、あのちゃんのお願いにだけ反応する様子を窺わせた。


megan-5.29ivent-240-4.jpgミーガンガールズたちの目線が気になる中、質疑応答へ。あのちゃんは「不気味で怖かったけど…ケイディを守ろうとして、どんどん狂気的になっていったから嫌いじゃなかった。それに今 AI が進歩して世界中の人が色々やってるじゃん。だから未来が怖くなった」、ヒコロヒーさんは「ミーガンというキャラが個性的でしたよね!突然踊ったりとか突拍子もない行動をしだすのが不気味でありながら面白かったですね」と各々本作の感想を述べ、後ろでトークを聞くミーガンガールズたちも納得のジェスチャー。


何をしでかすかわからないミーガンの個性が可愛さでもあり怖さでもある本作。ミーガンのもつ魅力について聞かれると、あのちゃんは「手元に置いておきたくなる。守ってくれるってめちゃいいと思って。人間よりも頭の能力が高いから頼りがいがある」これにはヒコロヒーさんも「確かに。あのちゃんの横にいてくれたら、今言いたいこととか言ってくれるよね」と共感。くわえてあのちゃんは「僕より喋るのが上手くて尊敬してます。歌も上手で。それに不気味なのが凄く趣味にあいました!」と語る。


megan-5.29ivent-240-2.jpgヒコロヒーさんも「何をしでかすかわからない。例えばダンスとか、突然なんでそういうことをするの⁉という可笑しさもあり、人知を超えたという意味で、何なんだこのキャラは!?みたいなところもあってそこが魅力だと思います」とミーガンの魅力に言及した。


このイベント冒頭で披露されたミーガンガールズのダンスは、劇中でミーガンが踊る通称<ミーガンダンス>で、海外でも「コワかわいい」と、大きな話題に。あのちゃんは先日、この劇中シーンをイメージした特別映像にも出演した。ここで改めてその映像を観ることに。丁度ステージ上のモニターがミーガンガールズで隠れてしまったため、あのちゃんが「どいて!そっちに行って。そう、ベストポジションです」と指示を出した。


megan-5.29ivent-500-5.jpg映像終了後、開口一番あのちゃんが「どう?すごいキレあったでしょう」とヒコロヒーさんに問うと「すごいキレなかったよ…?(笑)」と返答。劇中シーンに挑戦したこのダンス映像は限られた時間の中でかなり頑張ったとのことで、「直前にたくさん教えてもらった。やっぱりミーガンダンスは難しいからやりがいあると思う。人間にはできない関節の動きが力を抜けばできると思ってたからそこが難しかった」とあのちゃんは撮影時を振り返った。


アイコニックな衣装に関しては「本当に可愛い。ヒコロヒーさんもミーガンみたいなロン毛似合いそう」と比較的髪の長いヒコロヒーさんへ言うと「え、私の髪型、坊主にみえてる?」とツッコミ。再び笑いが巻き起こった。あのちゃんは「僕は元々黒髪ボブなので、このミーガンの髪型は自分じゃないみたいで違和感。普段の髪型はもう長いのでもう飽きました(笑)」と続け、新鮮さを感じていた様子だった。


megan-5.29ivent-500-1.jpgミーガンはお友達 AI 人形で、対象を守るために行動するキャラクター。そんなミーガンがもし家にいたら一緒に何をしたいか?もしくは何を頼みたいか?との質問には、まずあのちゃんが「冷蔵庫からお茶とかとってほしい。あとは…サウナとか一緒に行きたい。友達がいなくて、サウナに興味あっても一歩踏み出せないから、ミーガンだったら一緒に行ってくれると思う」「温度とか湿度とか、結構気をつけなきゃいけなさそうだけど…?」とのヒコロヒーさんの疑問には「多分、余裕だと思う」と返した。ヒコロヒーさんは一緒にしたいことして「人にお金借りる時に一緒についてきて欲しいですね(笑)太もも見せてもらったり。色仕掛けで」と述べ、あのちゃんから「最低ですね…」と突っ込まれた。


絶叫映画界のニューヒロイン「ミーガン」の魅力をミーガンの“お友達”として伝えるなら、どんな推しポイントでアピールする?という質問には、あのちゃんは「友達として推しポイントを紹介するなら、歌が歌える子なので友達になって以来、一緒にアコースティックライブしてます!と言います」と独特な回答。これにはヒコロヒーさんも思わず「もう一発売れたくて、変な嘘つきだした!?(笑)」と反応した。対して、ヒコロヒーさんは「今一番言ってほしい言葉を言ってくれるみたいなところは推したいですよね!すごく気が利く発言をしてくれる感じ。友達として紹介するなら、金髪のすごい奴がおんねん!一緒に麻雀やろうや!という感じでやりますね(笑)」と回答。


megan-5.29ivent-240-3.jpg本作では、ミーガンのケイディに対するこじらせぶりが狂気を生んでゆく事にちなみ、「私、こじらせているなぁ…」と思うことについてフリップトークをすることに。あのちゃんはこじらせていることについて【歯鑑賞】と回答。「人の歯を観るのがすき。歯磨きしてるときに YouTubeで歯の治療動画をみながら歯を磨いたり、自分の歯が抜けたら、収集したり。歯に執着というこじらせ。がちゃがちゃの歯がすきで。永遠と何時間もみちゃう」と続ける。「前は、さらば青春の光の森田哲矢さんが好きって言ってたけど今は?」というヒコロヒーさんの質問には「今はウエストランドの井口浩之さんです。墓場みたいな歯。東野幸治さんも歯の隙間がスゴイからよく見てみてください」と謎のこだわりを覗かせた。


続けてヒコロヒーさんは【言いがかりをつけてしまう】と回答。「最近、物事の悪い面がみえてしまうというか。この前、ソファーを買いに行こうと見に行った時に、なんでこのソファー偉そうやねん!と思ってしまって、座布団を買って帰りました。座布団の方が謙虚で可愛らしかった…(笑)」と独特なこじらせをアピールした。


続くミーガンとの相性を図るための〇×テストでは――

megan-5.29ivent-240-1.jpg

一問目、【親友が浮気をされていたら、平和的な解決策をアドバイスする?】という質問に対し、あのちゃん、ヒコロヒーさん共に×をあげた。「平和に終わったら、復讐とかできないから」とあのちゃんが答えた。


二問目、【買い物中、残りひとつとなっていたお目当ての商品に手を伸ばした瞬間、他の買い物客も同時に手を伸ばしてきました。その商品を譲る?】との質問にはあのちゃんは〇、ヒコロヒーさんは×と意見が分かれた。「絶対、うわってなって手をひっこめちゃう。タクシーとかも、急に後から来て止めた人へ譲っちゃう。譲ったきっかけから譲り続けてしまって交通整備にまわってしまう…」と意外な一面を語り、笑いを誘った。


三問目は、【恋人の様子がなんだかおかしい…?こっそりスマホを覗いてみる…?】という問いにはあのちゃん、ヒコロヒーさん、共に×をあげ「みていいことないでしょ!こわいです」と両者、同意見を述べた。


○×質問を終え、ヒコロヒーさんはミーガンの性格に近しい回答を答えることができたため、ミーガンと友達になれそうな雰囲気に。あのちゃんは「ヒコロヒーさんはもはやミーガンになれるんじゃない?相性ばっちりだと思います。ミーガンガールズのみなさんはどうですか?」とガールズに問うと、手で大きな〇を作り、お近づきになれたことをアピール。


megan-550.jpgのサムネイル画像イベントの締めくくりにはまずヒコロヒーさんが「本当に、サイコ・スリラーとして期待通りの部分もあるし、そんな感じでくるんだ!?という意外な部分もある。ユーモア、ユニークあり、きっちりおっかない部分もある色んな意味で面白い作品だと思います!」続けてあのちゃんが「ミーガンが可愛いって思って観たら、怖い部分もありますし、どんどん狂気的になる姿は痛快でした。そして、怖いんだけど面白いところも沢山あって、ミーガンに惹かれていきましたので皆さんも是非みてください」と述べ、本イベントを締めくくった。
 

 


megan-500-1.jpg

【STORY】

“死ヌマデ”守ってあげるー。恐ろしく一途な狂気のお友達AI人形

おもちゃ会社の優れた研究者であるジェマ(アリソン・ウィリアムズ)は、子供にとって最高の友達であり、親にとって最大の協力者となるようにプログラムした、まるで人間のようなAI人形<M3GAN(ミーガン)>を開発している。ある日、交通事故で両親を亡くし孤児となった姪のケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)を引き取ることになったジェマは、ミーガンに対し「あらゆる出来事からケイディを守るように」と指示し、力を借りる事にするが、その決断は想像を絶する事態を招くことになる―。
 

◆キャスト:アリソン・ウィリアムズ(『ゲット・アウト』)、ヴァイオレット・マッグロウ、ロニー・チェン(『シャン・チー/テン・リングスの伝説』『クレイジー・リッチ!』)他
◆監督:ジェラルド・ジョンストン、
◆脚本:アケラ・クーパー(『マリグナント狂暴な悪夢』)
◆製作:ジェイソン・ブラム(『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ、『ハロウィン』、『透明人間』)、ジェームズ・ワン(『ソウ』、『死霊館』、『アナベル』シリーズ)
◆配給:東宝東和
◆©2023 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

◆公式サイト:https://m3gan.jp/
◆公式twitter:https://twitter.com/m3gan_JP
◆公式Instagram:https://www.instagram.com/universal_eiga/

2023年6月9日(金)~TOHOシネマズ梅田他 全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

 

gingachichi-main-550.jpg

 

『銀河鉄道の父』  特製グッズ プレゼント!
 

◆『銀河鉄道の父』特製扇子:1名様   ◆『銀河鉄道の父』特製手ぬぐい:2名様


 

◆提供:キノフィルムズ

◆締め切り:2023年5月5日(金・祝) 

◆公式サイト:https://ginga-movie.com/

◆公開日:2023 年 5 月 5 日(金・祝)~全国ロードショー


Movable Type | Movable Type Pro

Movable Type

Movable Type

エラーが発生しました。

タイムアウトしました。お手数ですが検索をやり直してください。