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★『11・25自決の日
三島由紀夫と若者たち』 若松監督と主演の井浦新にインタビュー |
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『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』
ゲスト:若松孝二監督、井浦新
(2011年 日本 1時間59分)
監督:若松孝二
出演:井浦新、満島真之介、岩間天嗣、永岡佑、鈴之助、渋川清彦、大西信満、地曳豪、寺島しのぶ
2012年6月2日(土)〜テアトル新宿、テアトル梅田 他にて公開
・作品紹介⇒こちら
・公式サイト⇒ http://www.wakamatsukoji.org/11.25/
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若松孝二監督(76)の「実録連合赤軍 浅間山荘への道程」「キャタピラー」に続く“昭和三部作”の第3作「11、25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(6月2日公開)が完成し30日、大阪市内で若松監督と主演の井浦新(ARATA改め)が会見した。
━━━三島由紀夫の映画を撮る動機は?
若松監督:「連合赤軍」撮ってる時から、次は三島さんをやろうか、と思っていた。左(連赤)だけじゃなく、右も撮らなきゃいけないんじゃないか、と。映画の中で奥さん(寺島しのぶ)が言ってるけど、40年経って「何か起きたか」というと何も起きていない。
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━━━三島由紀夫氏の映画化には右も左もアレルギーがありそうだが。
若松監督:右翼の人からは「よく作ってくれた」と喜ばれた。偽名じゃなく、みんな本名使ったからね。左翼はインテリの割りにはアホなやつが多いな。パンフレットに出させてもらうために鈴木邦男さん(一水会顧問)や田原総一朗さん(ジャーナリスト)のコメントもらったら、この2人はベタ誉めだった。 |
━━━関係者から了解は取り付けた?
若松監督: (三島の)原作管理者に話はしたけど、原作を使うわけじゃないから。資料調べの時「盾の会」の人もいたけど、まだ5人残ってるからね。許可してくれなかった。三島さんの家で撮影したかったけど、それはだめだった。
━━━三島由紀夫役は大変だった?
井浦新:監督は4年前から準備していたそうですが、私は2カ月前まで聞いてなかった。うれしいより驚いた。「自分に出来るのか」と思った。監督の「俺は物まねとか再現を撮ろうと思ってない。お前の好きなようにやれ」という言葉に背中を押してもらった。その言葉で楽になった。三島さんは映像見てるし、60〜70年代カルチャーに興味もあり知っていたけど(演じるにあたっては)引いて見ていた。本は読んだが、美しく描いた部分は全部排除して監督の台本をもとにした。監督には「どんな心を映し出すか」といつも言われている。三島だから、ではなく、いつもの若松組で、自決していった若者たちを夢想していった。
━━━今回の撮影期間は?
若松監督:12日間。「キャタピラー」と同じ。1回目から「本番」だからね。うまくやろう、という気にさせないんだ。1回じゃないと三島さんの感じが出ない。打ち合わせは1回もやったことがない。
━━━三島由紀夫役の決め手は?
若松監督:誰が一番三島さんに近いか、いろいろ考えたがひと回りしてみると新のところに戻ってきた。候補は何人かいたんだよ。 |
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━━━三島役に決まってどうだった?
井浦:直前に右足を骨折して、出演を聞いたのはベッドの上。監督は「困る。とにかく治せ」と。追い込まれているうちに、撮影までには立って動けるようになっていた。気持ちがしっかりしていれば出来るのか、自衛隊での訓練シーンでは足を引きずり「もう俺はダメだ」というところは芝居じゃなく本当にしんどかった。 |
━━━三島由紀夫を演じて影響を受けたか?
井浦:日本に対して、自分のとらえ方を持っている人。日本の美しさを思う人だとは思うが、左右両サイドやっても、1回自分のフィルターを通しているので思想的に影響受けることはなかった。作品と監督のことしか考えてない。
━━━ARATAから井浦新に変わったが、この映画からか?
井浦: そうです。「三島由紀夫」の映画でエンドロールに「ARATA」が最初では美しくない、と思った。
━━━なぜ三島なのか? 彼は本当は何を考えてああいいことをしたのか?
若松監督: 連赤も(三島さんも)同じように、何かを変えようと思っていた。(割腹自殺は)三島さんの意思でやったのかどうか。(盾の会の)森田必勝に「いつやるのか」と追い詰められたのではないか。自衛隊が決起して革命が出来る、なんて三島さんも思ってなかった。死に場所を探していたと思う。だから、森田一人を連れて行った。永山則夫(永山則夫事件(1968年)=死刑判決→1997年執行)にも金嬉老(金嬉老事件(1968年)=無期懲役判決→のちに釈放)にも赤軍のハイジャック事件にも影響受けたけど(何故かは)僕自身もホントは分からない。
━━━その後に船戸与一(原作)の「海燕ホテルブルー」を撮っているが、連赤、三島を撮った後、何を撮りたいのか?
若松監督:次にやりたいのは「731部隊」だね。国家が隠そうとしているものをやりたい。残しておかなければならない。今の楽しみは映画撮ることだからね。
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