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記者会見レポート
『スイートリトルライズ』 舞台挨拶 in なんばパークスシネマ!

衣装協力:ブランドニュース
『スイートリトルライズ』

(2009年 日本 1時間57分)
原作 江國香織
監督・脚本 矢崎仁司
出演 中谷美紀 大森南朋 池脇千鶴 小林十市 

3月13日(土)〜梅田ガーデンシネマ なんばパークスシネマ MOVIX八尾 MOVIX堺 MOVIX京都 神戸国際松竹 MOVIXココエあまがさき
作品紹介⇒こちら
公式サイト⇒ http://www.cinemacafe.net/official/sweet-little-lies/pc.html

〜中谷美紀×大森南朋で描く結婚3年目の情熱と真実〜

 他人から見れば理想の夫婦で、実際にもおだやかな結婚生活を送っているが、心は途方もない孤独を彷徨っている…。テディベア作家の瑠璃子は、聡と結婚して3年目。夫の朝食を準備して、出勤も帰宅も玄関まできちんと足を運ぶ。自分の仕事がたまさか遅くなる時も「聡はひとりで家にいるのが嫌な人だから」と帰路を急ぐ。いつも夫を思い、彼を愛しているが、なぜか心は満たされない。その空虚感を指して瑠璃子は聡に向かってこう言った。「ねぇ、この家には恋がないと思うの」 突然の告白に戸惑いを隠せない夫を横目に、瑠璃子はベアの個展で出会った青年・春夫との恋に身を沈めていく。そして、瑠璃子との日常に息苦しさを覚えていた聡もまた、後輩・しほからのデートの誘いを受け入れるのだった。





 言葉では表しきれない夫婦の理想と不安を綴った江國香織の同名小説を『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司が透明感あふれる映像で繊細に映画化。夫との関係に飢餓感を抱えている瑠璃子を演じた中谷美紀が、公開に先駆けて開催された試写会の舞台に登壇し挨拶を行った。

 袖と裾に切り替えがあるダークグレーのワンピースをサラッと着こなして登場した中谷は、大女優のオーラ全開でハッとするほど美しい。アクセサリーで飾り立てないシンプルな装いが、よけいに彼女の素の輝きを引き立てているようだ。年々、艶っぽさを増していく中谷だが、初めに本作の脚本を読んだ時は、戸惑いを覚えたと言う。「私は結婚の経験がないので、夫をもちながら他所の男性を好きになる気持ちが、初めは理解できなかった。でも、ひょっとして多くの女性がそういった気持ちを抱いたことがあるのかしら?と考え直し、演じてみたいと思うようになりました。女性は共感して、男性は後ろめたい気持ちになるかもしれません。」

 さらに、役との共通点については、あまりないと答える。「この映画は“スイート・リトル・ライズ”=甘い小さな嘘というものですが、私は“嘘”をつく(演技)ことが仕事。いかにリアリティがあるように見せるかを考えて演じました。でも、日常では誰もが、会社の上司や部下、妻や夫として、各々の立場で何かしらウソを演じているはず」と語る中谷は、誰にでも起こる物語だからこそ演じるのが難しかったと言う。

 そして、矢崎監督については、非常に個性の強い監督と評する。「私自身の印象としては、監督の演出の仕方は、濡れたティッシュペーパーを毎日一枚ずつ顔に乗せられて、どんどん息苦しくなってくる…といった感じでした。でも、人の心って本当に難しくて移ろいやすいものですよね。そのことを監督が私たちに伝えようとしても言葉ではままならない。言葉だけでは伝えきれない空気感が映像で表現されていると思います。人と人が理解し合うって本当に大変なことだなと、この映画を通じて改めて感じました。」

(中西 奈津子)ページトップへ


『スイートリトルライズ』 小林十市 トークショー in 心斎橋大丸
『スイートリトルライズ』

(2009年 日本 1時間57分)
原作 江國香織
監督・脚本 矢崎仁司
出演 中谷美紀 大森南朋 池脇千鶴 小林十市 

3月13日(土)〜梅田ガーデンシネマ なんばパークスシネマ MOVIX八尾 MOVIX堺 MOVIX京都 神戸国際松竹 MOVIXココエあまがさき
作品紹介⇒こちら
公式サイト⇒ http://www.cinemacafe.net/official/sweet-little-lies/pc.html
〜『スイートリトルライズ』バレンタイン・トークショーに小林十市が来阪〜

 潤いを失った夫との結婚生活に寂しさを感じ、他の男性と恋に落ちてしまうヒロインの孤独を情感たっぷりに描いた江國香織の同名小説を『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司が映画化。表向きは仲むつまじく寄り添いながらも、お互いに外で恋人を作り小さなウソを重ねていく夫婦を、中谷美紀と大森南朋が演じる。そんな中谷が扮する瑠璃子の恋の相手・春夫を演じた小林十市が、大阪市内でバレンタイン・トークショーを開催。撮影秘話や自身の恋愛観について語った。

 祖父は人間国宝の故五代目柳家小さん、弟は噺家の柳家花緑という落語家一家に生まれながら、20歳でスイスのベジャール・バレエ・ローザンヌに入団した小林は、2003年に同バレエ団を退団したのち、日本の舞台演劇を中心に俳優活動を続けている。現在も舞台『冬のライオン』に出演中だが、映画への本格的な参加は意外にも初めてだという。

 「映画の話が来た時は、ビックリしました。しかも、相手役が中谷美紀さんだったので、初めは「本当かな?」と疑いましたね(笑)原作を読んだイメージでは、春夫は僕じゃないと思った。でも、監督がそのままでいいからと言ってくれたので出演を決めました。撮影は、監督の演出通りに芝居をするんですけど、初日は他人事のように「おい、お前、中谷美紀と何やってるんだ」って客観視している自分がいて(笑)すごく不思議な体験でしたね。」

 ストーリーの重要なエピソードとして、中谷と小林のラブシーンが度々登場するが、中でもバレエを踊るようにベッドへ流れ込む場面が一番印象に残る。「あの場面は、監督がくるくると回るようにしたいと話していたので、「あっ、僕、回れますよ。」って(笑)どんな風にするか、監督や中谷さんとも意見を出し合った。そうするうちに、映画も舞台と一緒で、皆で作り上げていくものなんだと実感できて楽しかったですね。」

 映画の中の春夫は瑠璃子が既婚者であるにも関わらずとても大胆に迫っていく。時には、彼女の夫を「他の男」と呼んでしまうほど独占欲が強く、嫉妬心をむき出しにする“肉食系”だ。そんな春夫をまっすぐに演じた小林も一途に突っ走り女性を口説き落としたことがあると明かしてくれた。「僕がバレエ団に入った時、ひと目ぼれをした女性がいて1年追いかけたことがあります。一度フラれて、もうダメだなと思って引きかけた時に、相手から来てくれた。それが今の妻で、もう出会って20年になります。」長年の幸せな実績があるからか、映画のようにW不倫を重ねる夫婦関係には「共感はできない」としながらも、「人間関係に正解がないように、この映画も色々な見方、人それぞれの感じ方ができると思う。」と一筋縄ではいかない大人のラブストーリーの魅力を語ってくれた。

 そして最後に、オフィシャル・ブログで恒例となっている“ブログジャンプ”をトークショー会場で実践してくれるというサプライズが!セルフタイマーを10秒にセットして、ジャンプ!さすが、毎日の日課だけあってタイミングばっちりの一発OK。普段、ブログでしか見られない“生のジャンプ”の瞬間に立ち会えたとあって会場は大きな盛り上がりを見せた。

http://www.juichi-kobayashi.com/diary/(小林十市オフィシャル・ブログ)
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『スイートリトルライズ』 小林十市 単独インタビュー

トークショー後、特別に時間を割いて頂き、シネルフレの単独インタビューを慣行。さらに詳しく映画や私生活、今後の在り方について語ってもらった。

―――ブログでジャンプ写真を拝見して感動しました。ブログジャンプを始めたきっかけは何かあったんですか?
きっかけは踊りをやめて、舞台で芝居を始めるようになってからですね。やっぱり、動いていると調子が上がってくるので、その調子の良い自分を撮ってみようと思ったのが最初です。初めはスタジオで撮っていたんだけど、ある時、日常生活で“ポンッ”と人が浮いていたら面白いかなと思って外で飛び始めた。セルフタイマーで10秒なのであっという間ですよ。

―――今までのジャンプ写真を集めた写真集の出版予定はないのですか?
今、プロの写真家が出している「ソラリーマン」という本があるんですよ。サラリーマンの格好をして空を飛ぶから“ソラリーマン”。その人が、写真集を出しちゃったので、先にやられたなぁ…と。まぁ、僕も買ったんですけど(笑)事務所の社長からは、自費出版すればって言われてます(笑)とりあえずブログを見て、セルフタイマーで1人で飛んでる姿を想像して「バカだな〜」と楽しんでもらえれば、それでいいかな。」

―――トークショーでは、映画の瑠璃子と聡の夫婦関係は共感できないと話していましたが、脚本を読んだときの感想はいかがでした?
初めに脚本を読んだ時は、自分の役が思っていたより大きな役だったので、プレッシャーを感じました。瑠璃子と聡の夫婦については、正直、何だこの夫婦って(笑)劇中にある瑠璃子の「守りたいものにウソをつく」というセリフは、なるほどなと思う部分もあるけれど、じゃあ、どうして結婚するんだろうと僕は考えてしまう。だったら聡と別れて春夫と一緒になったらいいじゃんって思うけれど、でも、そうなるとまた逆に満たされない何かが出てくるんでしょうね。聡が自室にカギをかけたり、家の中なのに携帯電話で会話をしたり、ある意味新鮮な夫婦関係だと思った。

―――そうですね。とても不思議な違和感をもった聡と瑠璃子の夫婦関係ですが、エンディングに向かうに連れて「1人でも2人でも寂しいもの」だとか「一緒の物を見て、一緒に思い出すことが大切」とか、少しずつ夫婦の在り方が見えてくるように思います。そこで、奥様と連れ添って20年(結婚暦は6年)の小林さんにズバリ。結局、夫婦ってどんなものだと思いますか?

僕には娘が1人いるので、子供がいるとまた夫婦関係も変わってくると思うけれど、やっぱり一緒に時間を共有することは大切ですよね。それと、ウソはない方がいいと思う。そういう信頼関係って作ろうと思っても、簡単には作れないものだしね。食欲も性欲も物欲も全部ひっくるめて受け入れられる関係が理想。全てをさらけだせる安心感と、お互いが帰れる場所であってこそ夫婦かな。

―――それはとても理想ですね。では、劇中で春夫が彼女のワガママを聞いて非売品のテディベアを探すエピソードがありますが、十市さんも女性のワガママを聞きいれる方ですか?
今でもしますよ。妻から「おもちが食べたいんだけど」って言われたら、フランスまで送ります(笑)一度なんて、ティファニーの気に入った指輪があったらしく、雑誌に掲載されていた切抜きを部屋に貼り付けられたことがありました。“コレがいい!”っていう無言のメッセージですよね(笑)それは、もちろん買いましたよ!

―――普段は舞台を中心に活動されているので、途切れ途切れに撮影を行う映画の現場は、集中力の使い方が大変ではなかったですか?
「はい、本番!」と言われた時にすべてを出さないといけないので、緊張感はありましたね。お芝居だと稽古を重ねて、失敗しながら良い物に作り上げていく。期間が長い舞台だと本番をやりながら発見できることもあるけれど、映画は行った当日が本番なのである意味シビアな世界ですよね。でも、監督や中谷さんを含め、とてもいい現場作りが出来ていたので、この映画に出演できてよかったなと思います。

―――バレエの経験が映画に活かせた部分はありますか?
そこは意識しないで臨んだのですが、結局は出ているみたいです(笑)伊豆で回りながらのラブシーンは、軸の持っていき方とか、体の使い方とかでは協力しましたけど、浜辺で春夫が瑠璃子に手を差し伸べる普通のシーンも、監督いわくダンサーの十市さんならではの出し方だと。僕は普通だと思っているんですが、やっぱり滲み出ているみたいですね。自分では分からないですけど(笑)

―――バレエダンサーとしてベジャール・バレエ・ローザンヌに在籍していた頃、モーリス・ベジャールさんに教わって一番印象に残っていることは?
ベジャールさんは生活全てが舞台中心で、人生そのもの。生の舞台って、その人自身が出てしまう部分があるので、踊りの技術だけじゃなく、普段をどのように過ごすかが重要なんです。ベジャールさん自身が大事にしていた舞台芸術に関わっていく生き方を学んだと思う。

―――では、最後に小林さんが表現者として目指すべきことを教えてください。
僕が芝居を始めて5年になるんですが、ようやく最近、言葉をなぞるだけではない解釈の仕方というのが見えてきた。現在は舞台『冬のライオン』で平幹二朗さんや麻美れいさんなど、ベテラン俳優と仕事をしているので、技術を見て学ぶことはできるけれど、根本的には小林十市という人間が成長しないとダメなので、表現者というよりも“どう生きて行くか”ということを大切にしていきたいですね。

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