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★川の底からこんにちは (中西奈津子) |
(C) PFFパートナーズ(ぴあ、TBS、TOKYO FM、IMAGICA、エイベックス・エンタテインメント、USEN)
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『川の底からこんにちは』
〜PFFスカラシップ作品。
期待の新人監督が描くどん詰まり少女の逆境プチ革命〜 (2009年 日本 1時間52分)
監督・脚本:石井裕也
出演:満島ひかり,遠藤雅,相原綺麗,志賀廣太郎,
岩松了
2010年5月1日(土)〜渋谷ユーロスペース、他順次公開
関西では、7/10〜梅田ガーデンシネマ、7/31〜京都シネマ、7/17〜神戸アートビレッジセンター
・石井祐也監督インタビュー⇒ こちら
・ 公式サイト⇒ http://kawasoko.com/ |
どうせ“中の下の人生”なら、増税も不況も笑い飛ばしてしまえ!と綴る素晴らしき人生讃歌。鑑賞後は、体内に沈殿するモヤモヤがスッキリと洗い流される。これほどデトックス効果のある邦画は久しぶりだ。
主人公は上京5年目のOL・佐和子。仕事も恋愛も中途半端な彼女は、何事にも「しょうがない」と諦めを連発する無気力女子。そんな佐和子が、病気で倒れた父の代わりにシジミ工場の跡を継ぐことになる。だが、故郷での生活は東京よりもストレス社会だった!経営不振、おばさん従業員からの蔑み、恋人の浮気、父の病状悪化…。どん底まで追い詰められた佐和子は、とうとう“開き直る”。「頑張らなきゃしょうがない!」と物凄い剣幕でまくし立てる佐和子の決意は、こちらの目が覚めるほど強烈に心に迫ってくる。 |
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ヒロインを演じるのは今一番アツイ女優・満島ひかり。ネガティブからポジティブへ一瞬で切り換わる、彼女の媚びない“むきだし”演技は必見だ。 |
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★川の底からこんにちは (河田充規) |
(C) PFFパートナーズ(ぴあ、TBS、TOKYO FM、IMAGICA、エイベックス・エンタテインメント、USEN)
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『川の底からこんにちは』
〜ちっぽけで地味ィなシジミのパック詰め〜
(2009年 日本 1時間52分)
監督・脚本:石井裕也
出演:満島ひかり,遠藤雅,相原綺麗,志賀廣太郎,岩松了
2010年5月1日(土)〜渋谷ユーロスペース、他順次公開
関西では、7/10〜梅田ガーデンシネマ、7/31〜京都シネマ、7/17〜神戸アートビレッジセンター
・石井祐也監督インタビュー⇒ こちら
・公式サイト⇒ http://kawasoko.com/ |
木村佐和子は,高校卒業後すぐ家を飛び出した。人はそれを”カケオチ”と言う。上京して5年目で,5つ目の仕事に就き,5人目の彼氏と付き合っている。要は,4人の男に捨てられたのだ。腸内洗浄でふん詰まりは解消しても,どん詰まりの人生に将来は見えず,「しょうがない」を連発する。そんな彼女に転機が訪れる。父が肝硬変で入院したため,かわなみ町へ戻る。そこでシジミのパック詰めをしている木村水産を父から受け継ぐのだ。 |
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工場で働くおばさんパワーが凄まじい。それを前向きのエネルギーに変えてしまう佐和子がまた凄い。彼女たちの前で一席ぶちかます。”普通よりちょっと下”で何が悪い,頑張るしかないと開き直る。蟹の缶詰だと悪くても”中の上”で,それより上を目指すのはしんどい。だが,シジミのパック詰めだと良くても”中の下”だ。何となく上向きのイメージが湧いてくるから不思議だ。「川の底からこんにちは」と歌う新しい社歌が響き渡る。 |
家族がしっかりと描かれており,安定感がある。佐和子が病室に父を見舞ったとき,そっと母の遺影を置くシーンがある。その直後,佐和子がちらっと父を見る表情にハッとさせられる。駆け落ちではない,彼女が家を出た本当の理由とも結び付く。5人目のカレの連れ子・加代子の存在も効いている。彼女は,一緒に風呂に入った佐和子から「ここでちょっと泣いていくわ」と言われ,うんうんと頷く。母がいない娘同士の妙な連帯が生まれる。 |
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その佐和子を満島ひかりが演じると,そこはかとない説得力が生まれる。「プライド」ではライバルに激しい対抗心を燃やし,「クヒオ大佐」では詐欺師になぜ私を選んだのかと迫る。ひたむきで激しい感情を時折見せる,その普段とのギャップに違和感がない。佐和子の「しょうがない」は,”頑張ってもしょうがない”ではなく,”頑張らなきゃしょうがない”だ。「ダメで何が悪いの」「しょうがないから明日も頑張るね」と元気に生きる。 |
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