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★アイルトン・セナ〜音速の彼方へ〜 |
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『アイルトン・セナ〜音速の彼方へ〜』
〜その瞬間を見せるまでの超絶ドキュメンタリー〜
(2010年 イギリス 1時間48分)
監督:アシフ・カパディア
出演:アイルトン・セナ、アラン・プロスト(ライバル)、ジャン=マリー・バレストル(FISA会長)、ロン・デニス(チーム監督)、ネイジ・セナ(母)、ミルトン・ダ・シルバ(父)、ヴィヴィアーニ・セナ(妹)
2010年10月8日(金)〜TOHOシネマズ梅田、敷島シネポップ、TOHOシネマズ二条ほか全国ロードショー
公式サイト⇒
http://www.senna-movie.jp
(C) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
Photographer:Angelo Orsi |
実在の人物、しかも今や故人となったセレブを描いた映画は数多い。その映画的スタイルとしては2つしかない。ドラマ映画か、ドキュメンタリー映画か。アイルトン・セナを描く場合は、ドキュメンタリーを採用した。なぜドキュメンタリーなのか。理由は簡単だ。
ドラマなら、いずれにせよスタントマンに乗ってもらって、クラッシュしてもらわなければならない。セナ級のワザをドラマで撮る場合は、いろんな危険が伴ってしまう。『デイズ・オブ・サンダー』(1990年)のトム・クルーズや、『ドリヴン』(2001年)のシルベスター・スタローンやらに、セナ役を演じてもらっても、あのスピード感やリアル感は決して生まれないだろうから。 |
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では、ドキュメンタリーでいこう。でも、本人は死んでしまっているのだから、結局新たに撮りおろす場合は、現在生きているセナの関係者の、インタビューを軸にするのが普通だ。しかし、このドキュは違っていた。セナがヨーロッパのカート・レースに出場した1978年から始まり、1984年から1994年5月1日に、クラッシュして逝去するまでの、戦いの歴史を中心に描いているのだ。 |
本作には、「アイルトン・セナ財団公認 生誕50年記念作品」というキャッチコピーが付いている。つまり、秘蔵フィルムが蔵出しされたということだ。みなさんはたぶん、ここでこんな風に思われるだろう。要するに、過去に撮られた映像を発掘し、それを35ミリ・フィルムに変換して、バランスよく編集でつなげただけなんじゃないかと。それなら、時間さえあれば、誰にだってできるじゃないかとか。ところが、それは大きな勘違い。発掘作業も大変だけど、編集作業はもっと大変。編集段階がこの映画の出来を左右するのだ。
アップやバストアップ・カットで展開される、セナの過去のインタビュー・ショットに、F1での戦い、プライベート・ショットなどが織り込まれてゆく。これらの積み重ねは、セナが事故死した緊張感あふれる、クライマックスを見せるための起承転結の起承なのだ。これがなければ、クライマックスはあり得ない。そしてそのクラッシュ前の、サイドカメラによるセナ視点の映像の連続は、とにかく「すさまじい」の一語でしか表せない! |
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