監督リドリー・スコット、主演ラッセル・クロウといえば、クロウがローマ時代の剣闘士を演じてアカデミー賞を受賞した『グラディエーター』のコンビ。その二人が今度は英国の義賊ロビン・フッドに挑むというのだから期待しない映画ファンはいないだろう。しかも脚本が『L.A.コンフィデンシャル』『ミスティック・リバー』のブライアン・ヘルゲランドなのだから面白さはもう保障済み。そして、出来上がった作品は、期待に違わぬ迫力とスケール感を持ち、グダグダ考える必要なくスクリーンに展開される歴史絵巻にただ身を浸していればいい、まさにこれぞ正月映画というものだった。
ヘルゲランドは、12世紀末から13世紀初頭の史実に材を採り、クライマックスには仏軍の侵攻を、ロビン・フッドを中心に英国軍が一丸となって迎え撃つドーバー海岸の激戦を据えて観客の心を鷲掴みにする。さらには共演者にケイト・ブランシェット、マックス・フォン・シドー、ウィリアム・ハートと超豪華な演技巧者が揃い、作品の厚みも申し分ない。
タイツ姿で森にこもる、従来のロビン・フッドとはまるで違う、堂々たる歴史大作の英雄譚だ。 |