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★マジでガチなボランティア
『マジでガチなボランティア』
〜今時の若者たちの、ボランティアの在り方〜

(2010年 日本・カンボジア 1時間41分)
製作・監督:里田剛
出演:高良健吾(ナレーション)、石松宏章

2010年12月4日(土)〜東京・シネクイントほか全国順次ロードショー
公式サイト⇒ http://www.majigachi.jp
 本作はドキュメンタリー映画である。さて、ドキュ映画なんて、みなさんのイメージってどんな感じなのだろうか。まあ、ヒットした作品では、マイケル・ムーア監督の『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002年製作)とか『華氏911』(2004年)とか、ああ、それなら見た見た、という記憶があることでしょう。
 しかし、いろんなドキュ映画は毎日のように作られていて、これまで作られた映画と言い出せば、それはもの凄い数にのぼっている。一口にドキュと言っても多彩なパターンがある。ムーア監督みたいな社会派ドキュとか、ネイチャー・ドキュやら文化映画やらと言われる側面やら…。そんななかで、本作は人間を描くドキュメンタリーにして、ある種癒やしの社会派ドキュと呼びたいユニークなところがある。
 大学生のボランティアの話なのだが、それに目覚めてしまった、今時の草食人間系ギャル男の、一大ボランティアを描くのだ。しかも、呼びかけに集まったのは、同じ医学部の同窓生とか、ナンパともとられかねない勧誘で4年生大学の女子大生も。貧しい国の子供たちを救う。ポイントはここにある。主人公の石松宏章こと石松ヒロは、カンボジアを訪れて、貧しいけどキラキラしてる子供たちに、すっかり魅せられてしまった。そこで、何とか彼らを助けられないかと思った。
 そして、現地に小学校だけではなく、病院まで作ってみたいと夢みるようになる。しかも実現に向かって仲間を説得し、資金集めのためにクラブ・イベントやらを開いて、大マジでやっていくのだ。結論から言うと、小学校も病院も作ってしまった。そのプロセスのいろいろが大きな見どころだ。どうしてそんなことが実現できたのか。子供たちを救うという視点では、アフガンやイラクの子供たちもいる。しかし、そちらの方は国情柄、殺伐としたイメージはぬぐいきれないが…。
 もちろん、カンボジアも国情は穏やかではないかもしれない。但しこちらは、心の交流を含めて癒やし系のドキュになっている。インドの貧しい子供たちの希望を捉えた、アカデミー賞長編ドキュメンタリー受賞作『未来を写す子どもたち』(2005年)のタッチが、本作にも感じられた。今はあくまで途中経過。未来を映そうとする姿勢がとてもいい仕上がりだ。
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