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★ザ・ホークス
ハワード・ヒューズを売った男 |
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『ザ・ホークス
ハワード・ヒューズを売った男』 (原題:THE
HOAX) 〜アメリカを揺るがす“詐欺師”が捉えた真実とは?〜
(2006 アメリカ 1時間56分)
監督:ラッセ・ハルストレム
声の出演:リチャード・ギア、アルフレッド・モリナ、
マーシャ・ゲイ・ハーデン、ホープ・デイヴィス、
ジュリー・デルピー、スタンリー・トゥッチ他
2011年4月40日〜シアターN渋谷、5月14日〜シネマート心斎橋ほか全国順次公開
公式サイト⇒ http://www.finefilms.co.jp/hoax/ |
大富豪にしてミステリアス、電話で生声を聞くことすらままならなかった飛行機王ハワード・ヒューズのニセ自伝を書き始めた名もない作家が、マスコミやニクソン政権の野望に巻き込まれていく。1970年代のアメリカを知る一つの切り口との見方もできる実話をもとに、『ショコラ』、『HACHI 約束の犬』のラッセ・ハルストレム監督×リチャード・ギアが嘘と真実を交錯させながら野望渦巻くリアルな人間ドラマに仕立て上げた。
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作家のクリフォード・アーヴィング(リチャード・ギア)は、出版社に原稿を持っていっても却下されてばかり。「今世紀最大」の作品と大見栄を切った挙句、公に姿を現さない変わり者の大富豪ハワード・ヒューズのニセの自伝を書くことでを思いつく。首尾よく出版社を騙し、出版への第一歩を踏み出したアーヴィングは、親友のディック・サスキンド(アルフレッド・モリナ)とリサーチを進めるうちに、ヒューズとニクソン大統領の関係を記す資料を入手するのだった。 |
あまりにも大胆な計画を思いつき、堂々と嘘を重ねる一方で家庭でも妻と元愛人との間で揺れる、善人ではないが想像力豊かで憎めない主人公を、リチャード・ギアがユーモアを交えながら熱演。アルフレッド・モリナ演じる小心者で真面目なサスキンドとのコンビでニセ自伝を作り上げていく過程は、プロの詐欺師とはほど遠い素人臭さに笑いがこみあげる。一方、ニューヨークの華やかな出版業界がまんまと騙されていく様子は痛快ですらある。
だが、嘘がバレそうになる度に更なる嘘を積み重ね、一方で公にされていない政権を揺るがす事実を手にしたアーヴィングは、現実と虚構の世界、自分とヒューズを同一視する精神面での大きな変化と目に見えない大きな圧力に苛まれる。
ハワード本人、出版社、妻や元恋人らがとった行動や駆け引きには、それぞれの野望が渦巻き、“ハワード・ヒューズ自伝出版”が呼んだ波紋がドキュメンタリーのごとく赤裸々に描かれ、見応え十分だ。
詐欺師モノ、政治ドラマなど様々な要素が含まれ、非常に見ごたえのある作品だが、一番興味深く思えたのは「偽物」にも「真実」が潜んでいるという点だ。情報隠蔽が蔓延する今も昔も、マスコミで好評される「本物」が「真実」だけとは言い切れない。アーヴィングが生み出す「嘘」や「偽物」が世間を揺るがすスリリングで人間味溢れる物語は、いつの時代にも私たちが直面している問題と対峙させてくれたのかもしれない。 |
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