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ドライヴ

(C) 2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved.
『ドライヴ』 (Drive)
〜“疾走する純愛”の流れ星のような輝き〜

(2011年 アメリカ 1時間40分)
監督:ニコラス・ウィンディング・フレン
出演:ライアン・ゴスリング,キャリー・マリガン,
    アルバート・ブルックス,ブライアン・クラストン,
    クリスティナ・ヘンドリックス,ロン・パールマン

2012年3月31日〜新宿バルト9ほか全国ロードショー
梅田ブルク7、シネマート心斎橋、T・ジョイ京都、TOHOシネマズ西宮OS 他
公式サイト⇒ http://drive-movie.jp/
 デンマーク出身の監督によるロサンゼルスを舞台としたクライムサスペンスでありラブストーリーでもある。アヴァンタイトルで主人公“ドライバー”の裏稼業が描かれる。強盗犯人を車に乗せて逃走する運転手だ。警察の無線を傍受しながら,スピードを上げたり停車したり,巧みに車の間を縫ってカーブを曲がる。刻々と変化する状況に冷静かつ的確に対応する姿から,頭脳戦を見ているような緊迫感が生まれ,後の展開への期待が高まる。
 彼は,普段は車の修理工場で働いており,時には映画のカースタントもやっている。新しく入居したアパートの同じフロアに住むアイリーンと出会い,人生が大きく変わる。その出会いのシーンを始め,2人の間に流れるときめき感にドキドキさせられる。たとえばドライブのシーンで美しく降り注ぐ陽の光など,ライティングの妙に目を見張らされる。2人のいる部屋の明かりは優しく,車の運転席に差し込む街の灯りが彼の影を浮彫にする。
 アイリーンは,17歳で出会った夫スタンダードがいたが,その服役中に出会ったドライバーに憧れの気持ちを抱く。ドライバーが出所した夫にアパートの廊下で声を掛けられるという,スリリングなシーンもある。だが,ドライバーは,アイリーンに危険が迫っていることを知り,その原因である夫の借金をチャラにしようと行動に出た。その結果,数ある強盗事件の中で最悪の1件に遭遇する。カメラは,“疾走する純愛”を追い掛けていく。

 ドキッとする銃声を合図としてクライマックスに突入する。執ように追ってくる車をテクニックでかわすカーチェイス。ナイフでの刺突シーンを直截に描かず,地面にくっきり映る2人の男の影を見せ,闇の世界の不気味さを浮かばせる。だが,最後に残るのは2人の表情だ。ドライバーの部屋のドアをノックするアイリーンの悲しみの表情には苦しみさえ浮かぶ。独り車を走らせるドライバーのクールな表情はいつもと違って血で汚れていた。

(河田 充規) ページトップへ

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