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ダーク・シャドウ

(C) 2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
『ダーク・シャドウ』 (Dark Shadows)
〜真っ当な愛,ズレまくりのファンタジー〜

(2012年 アメリカ 1時間53分)
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ,ミシェル・ファイファー,
    ヘレナ・ボナム=カーター,エヴァ・グリーン,
    ジョニー・リー・ミラー,クロエ・モレッツ,
    ベラ・ヒースコート,ガリバー・マクグラス

2012年5月19日(土)〜丸の内ルーブル、梅田ブルク7 ほか全国ロードショー
公式サイト⇒ http://wwws.warnerbros.co.jp/darkshadows/index.html

 1760年リバプールからアメリカの最東北部(現在のメイン州)にやって来たコリンズ家は,街を拓いて水産会社を立ち上げる。ところが,コリンズ家の息子バーナバスが使用人の娘アンジェリークを振ったため,両親が非業の死を遂げ,その後知り合った恋人ジョゼットは断崖から身を投げる。バーナバスも跡を追って飛び降りるが,死ねない。魔女アンジェリークの呪いでヴァンパイアにされたのだ。しかも,棺に入れられ土中に埋められる。
 この導入部だけでもゴシックホラーの雰囲気に満ちていてワクワクさせられる。そして時代は飛んで1972年,バーナバスが196年振りに地上に復帰する。おどろおどろしさは全くなく,やっと広い世界に飛び出したバーナバスの嬉々とした解放感が伝わるような,大量殺りくシーンが展開する。そのとき,街ではアンジェリークの経営する会社が幅を利かせており,コリンズ家はすっかり凋落し,エリザベスを当主として何とか命脈を保っていた。 
 オリジナルはアメリカで1966年から5年間放映されたTVシリーズだという。だが,今回の映画版は,バーナバスが家族のためコリンズ家の再興を目指すシーンでカーペンターズの「top of the world」が流れるなど,70年代の雰囲気だ。アナクロ的なズレの面白さも随所に見られ,例えば70年代の舞踏会(要するにパーティ)では,アリス・クーパーが現在からタイムスリップしたように本人役で出演している。そして,舞踏から武闘へと展開する。

 クライマックスはコリンズ家vs.アンジェリークの壮絶な戦いだ。エリザベスの娘キャロリンが豹変というより狼変するのは,意外だが不自然ではない。孫デヴィッドの母ローラへの想いは,魔女に対し絶大な効果を発揮する。家族だけが本当の財産だというバーナバスの父の教えのとおりだ。単なる憎しみは相手を滅ぼすが,アンジェリークの愛する故の憎しみは呪いを生み出した。だが,水より濃い血で結び付いた家族の力が呪いを封印する。

(河田 充規) ページトップへ

(C) 2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
   
             
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