topへ
記者会見(過去)
旧作映画紹介
シネルフレバックナンバー プレゼント
 
 
招待券プレゼント
 
プレゼントの応募方法はこちら
 
ご連絡・お問合せは・・・
【シネルフル】
HP管理者:

河田 充規
河田 真喜子
原田 灯子
藤崎 栄伸
篠原 あゆみ



        
  シネルフレメンバーによる2008年度ベスト5の発表


【邦 画】

【洋 画】
       1.「おくりびと」
      2.「トウキョウソナタ」
      3.「ぐるりのこと」
      4.「接吻」
      5.「歩いても歩いても」


      1.「ノーカントリー」
      2.「つぐない」
      3.「イースタン・プロミス」
      4.「画家と庭師とカンパーニュ」
      5.「アウェイ・フロム・ハー」

 

 ★河田 充規  


1.「トウキョウソナタ」
2.「おくりびと」
3.「接吻」
4.「歩いても歩いても」
5.「ハッピーフライト」

6.「ぐるりのこと。」
7.「夢のまにまに」
8.「闇の子供たち」
9.「人のセックスを笑うな」
10.「パコと魔法の絵本」



1.「ノーカントリー」
2.「4ヶ月、3週と2日」
3.「イースタン・プロミス」
4.「アウェイ・フロム・ハー」
5.「この自由の世界で」
6.「落下の王国」
7.「アドリブ・ナイト」
8.「宮廷画家ゴヤは見た」
9.「愛おしき隣人」
10.「幻影師アイゼンハイム」


*********************************************************************************
【ついでに演劇ベスト5】
1.『焼肉ドラゴン』
2.『SISTERS』
3.『冬の絵空』
4.『夜光ホテル』
5.『幸せ最高ありがとうマジで!』
次点『イザナキとイザナミ』


 ★河田 真喜子 


1.「おくりびと」
2.「ぐるりのこと。」
3.「トウキョウソナタ」
4.「歩いても歩いても」
5.「闇の子供たち」

6.「パコと魔法の絵本」
7.「歓喜の歌」
8.「パーク・アンド・ラブホテル」
9.「ハッピーフライト」
10.「容疑者Xの献身」



1.「ノーカントリー」
2.「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」
3.「潜水服は蝶の夢を見る」
4.「 ゼア・ウィル・ビ・ブラッド」
5.「 4ヶ月、3週と2日」
6.「つぐない」
7.「イースタン・プロミス」
8.「落下の王国」
9.「ぜんぶ、フィデルのせい」
10.「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」
***********************************************************************
【コメント】
 邦画に関しては、製作本数は多いもののその内容や完成度には大きな格差があるようです。 小さな作品の中にも「受験のシンデレラ」や「小さな恋のものがたり」など光るものもあり、余程アンテナを拡げて見る映画を選択しないと見逃してしまいそうですね。

 洋画の方は、メガヒット作はなかったのですが質的には高いものが多く、選定には苦労しました。フランス映画の「モンテーニュ通りのカフェ」や「ぜんぶ、フィデルのせい」「画家と庭師とカンパーニュ」「地上5センチの恋心」「パリ、恋人たちの2日間」「ぼくの大切なともだち」等々……時間が経つにつれ感動が膨らむものもあったりして、そんな映画と出会える時こそが、私にとっては至福の時と言えます。今年は、「PARIS パリ」から生きる気力をもらいました。これからどんな映画と出会えるのかとても楽しみです。
 
 ★原田 灯子

1.「おくりびと」
2.「 ハンサムスーツ」
3.「 グーグーだって猫である」
4.「 パコと魔法の絵本」
5.「 スカイクロラ」



1.「つぐない」
2.「 SEX AND THE CITY」
3.「 画家と庭師とカンパーニュ」
4.「 ブロークン・イングリッシュ」
5.「 ブーリン家の姉妹」
************************************************************************
〈2008ベスト5〉を私が選んでいいんですか!?
「生きること、死ぬこと」と「三十路女子」

 「もっと見たかった」。いつもの反省の弁がポロポロとこぼれていきます…。毎年のことながら、数には自信がありません。その分、一作品一作品との出会いを大切に、私なりのベスト5を選んでみました。

  2年前に大好きだった祖母の死を経験しました。また、友人達が新しい命を授かり、育んでいる姿を身近にし、「生きること」、「死ぬこと」に新鮮な感覚が芽生えるようになりました。『おくりびと』と『画家と庭師とカンパーニュ』が印象的です。どちらも、悲しくて切ない涙も一杯流したのに、心はホカホカ温まっていました。亡くなってからも影響力を持ち、生きている人々の支えとなっているエピソードに勇気をもらえたのです。

  また、この10作品に共通していることは、カッコいい、かわいいというだけではなくギュッと抱きしめてあげたくなるような愛おしい女性達が登場すること。三十路女子としてオススメするのであれば『ブロークン・イングリッシュ』でしょうか。なんだか等身大の自分を見ているような肩の力が抜けた状態で、共感したり切なくなったり。見終わった後は、奥に引っ込んでいた夢見る力を引っ張り出してもらえた気がします。


 ★篠原 あゆみ

1.「青い鳥」
2.「百万円と苦虫女」
3.「接吻」
4.「人のセックスを笑うな」
5.「イキガミ」



1.「ハピネス」
2.「迷子の警察音楽隊」
3.「JUNO」
4.「アクロス・ザ・ユニバース」
5.「シークレットサンシャイン」
 ★中西 奈津子
1.「ぐるりのこと。」
2.「歩いても歩いても」
3.「百万円と苦虫女」
4.「純喫茶磯辺」
5.「アキレスと亀 」


1.「君のためなら千回でも」
2.「ラストコーション」
3.「ノーカントリー」
4.「この自由な世界で」
5.「落下の王国」
6.「ダークナイト」
7.「ジェイン・オースティンの読書会」
8.「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
9.「イン・トゥ・ザ・ワイルド」
10.「迷子の警察音楽隊」
【コメント】
2008年のランキング
邦画は好きなのすぐ選べましたが、洋画は数多いので悩みつつ。
とりあえず、見た直後の衝撃を思い出して選んだんですが、あとは俳優とか雰囲気の好みですね。
「トウキョウソナタ」を見ていないんですよね・・・。
見てたら上位に入りそうです。
次点・・「ウォンテッド」「モンゴル」 
あと「ウォーリー」と「ぜんぶフィデルのせい」も捨てがたい・・。「ペネロピ」とBUG、「ボーダータウン」、「バンクジョブ」も好みです。
「つぐない」「アクロス・ザ・ユニバース」「潜水服は蝶の夢をみる」 なんかも良かったですね。

【ドキュメンタリー】
1.「 ブロードウェイ・ブロードウェイ」
2.「未来を写した子どもたち」
3.「おいしいコーヒーの真実」
4.「プルミエール 私たちの出産」
5.「ヤング@ハート」

【ワーストもついでに・・】
1.「 悪魔のリズム」
2.「闘茶」
3.「スシ王子」
4.「シルク」
次点 「L チェンジ・ザ・ワールド」

 

 ★伊藤 久美子

1.「トウキョウソナタ」
2.「接吻」
3.「人のセックスを笑うな」
4.「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」
5.「歩いても歩いても」


1.「ホウ・シャオシェンのレッドバルーン」
2.「イースタン・プロミス」
3.「つぐない」
4.「ここに幸あり」
5.「告発のとき」
特別 「赤い風船/白い馬」


【コメント】
 
昨年で最も特筆すべきイベントは京都映画祭の「マキノ映画誕生100年・徹底特集」。娯楽作品というイメージが強く、なかなか上映の機会に恵まれなかったが、傑作『次郎長三国志』シリーズ(東宝版)をはじめ、20を超える作品が一挙上映された。情緒豊かで、人情の機微に飛んだ世界は、今の人たちにも十分感動を与えうるものだと思う。今年、映画評論家の「山根貞男氏が選ぶマキノ雅弘監督作品20選」が全国巡回上映されるそうだが、関西でも上映があることを切に願うばかり。

  昨年は、新作よりも旧作の鑑賞本数の方が上回った。マノエル・ド・オリヴェイラ監督(ポルトガル)、カール・ドライヤー監督(デンマーク)、エリック・ロメール監督(フランス)、昨年逝去された土本典昭監督と、数々の特集上映が行われた。光と闇の織り成す世界に目を凝らし、大勢の観客たちと共に味わう映画館での鑑賞こそ映画体験の原点。観れば観るほど、再発見することも多く、その魅力は尽きない。

  新作では、『接吻』の狂気はただものではなかった。『赤い風船』、『白い馬』は1950年代の作品で、権利問題が解決し、昨年デジタルリマスターで甦り、やっと観ることができた。映画に言葉が要らないことを痛切に感じた傑作。

 

 ★喜多 匡希

1.「ぐるりのこと。」
2.「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」
3.「おくりびと」
4.「トウキョウソナタ」
5.「その日のまえに」
6.「ひゃくはち」
7.「きみの友だち」
8.「蛇にピアス」
9.「ブタがいた教室」
10.「休暇」


1.「イントゥ・ザ・ワイルド」
2.「画家と庭師とカンパーニュ」
3.「その土曜日7時58分」
4.「落下の王国」
5.「ホット・ファズ 俺たちスーパー・ポリスメン!」
6.「ノーカントリー」
7.「イースタン・プロミス」
8.「4ヶ月、3週と2日」
9.「この自由な世界で」
10.「言えない秘密」

(寸評)
【邦画】
 『おくりびと』の総合1位を予想しつつ、敢えて『ぐるりのこと。』『実録・連合赤軍〜』を上位としたのは“現在(いま)、この作品が放たれたことの意義”にこだわったがゆえ。橋口亮輔の“痛みから生まれた優しさ”と若松孝ニの“あの時代へのケジメ=総括”に宿る映画作家としての魂に心が震えた。以下、『トウキョウソナタ』『その日のまえに』までのベスト5は、いずれも“この監督ならではの輝き”を放っている。

 『ひゃくはち』と『きみの友だち』は共に青春映画の秀作。こういった作品がほとんど話題とならずにひっそりと公開終了となる現状が悲しい。下半期のキーワードであった“老人力&こども”から一本ずつ選び、最後に“間(ま)”の演出が素晴らしかった『休暇』で締めた。世評の高い『闇の子供たち』は、その意欲こそ大いに買うが、安易な勧善懲悪物になってしまっているのが気に掛かったため、選外とした。

【洋画】
 アメリカン・ニューシネマの魂を受け継ぎつつ、破滅志向に陥ることなく“生の輝き”をこそ叩きつけて見せた『イントゥ・ザ・ワイルド』。そのショーン・ペンの心意気に拍手!! 『画家と庭師とカンパーニュ』は2008年度最大の拾い物! イマジネーションの洪水だった『落下の王国』は、「映画はまず目で見るもの」という淀川長治先生の名言を思い出させてくれた。『ホット・ファズ〜』は我が偏愛の隠し玉。ベスト5の最後で自己主張させて下さいな(笑)

 『ノーカントリー』の無常観は現実感を伴った神話として素晴らしい。『イースタン・プロミス』におけるナイフ&肉弾戦の暴力は、前作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』における銃の暴力と対をなす兄弟のような作品。コーエン兄弟とクローネンバーグがなんだか凄いことになってきた。『4ヶ月、3週間と2日』『この自由な世界で』は、娯楽ではないもう一つの映画の力を示して深い余韻を残す。ベストテンの最後は、ラストの粗さが気になるものの、監督デビュー作として大いなる才能を感じさせた『言えない秘密』に飾ってもらおう。
 
【 2008年総評】
2008年の映画界は興行成績・内容の両面で邦高洋低の年となった。しかし、邦画バブルと喜んでばかりはいられない。その裏にある格差の増大は深刻な問題だ。メジャー系・単館系共に、当たる作品は超のつく大ヒットを飛ばすが、そうではない作品は徹底的にコケるという状態で間がない。バランスが悪すぎる。更に、洋画の不振が重なって、続編&リメイク作品の安易な量産に繋がってもいる。続編やリメイクが悪いとは言わないが、そればかりではいけない。そのため、今回のベスト選出では敢えてオリジナル作品にこだわってみた。傑作『ダークナイト』『12人の怒れる男たち』が選外なのはそのためであるが、現状に対する一つの問題提起として受け止めていただきたい。

忘れてならないのがドキュメンタリー映画『靖国 YASUKUNI』公開の是非を巡る大騒動。作品の出来には懐疑的な筆者だが、映画が映画として扱われなかったのは悲しい。その中で、我らがナナゲイ(第七藝術劇場)が「いつも通り」を追求して日本で唯一の砦となったことは実に頼もしい。
 
  最後になるが、市川崑監督の訃報は痛恨の極みだった。崑さんの映画との出会いは筆者にとってまさに天啓。崑さんこそ、我が“映画の父”。一晩中泣き明かした。今はただ、心からの感謝を送りつつ、御冥福をお祈りするばかりである。


             
HOME /ご利用に当たって