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開幕!大阪アジアン映画祭2010「おおさかシネマフェスティバル」
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藤本義一さん |
6日、大阪市中央区の大阪歴史博物館で「おおさかシネマフェスティバル2010」が開幕した。初日は二部構成で、第一部は昨年、96歳で亡くなった森繁久彌さんの追悼特集として、午前10時から藤本義一脚本の「喜劇
駅前競馬」を上映、その後、藤本氏によるトークショー「藤本義一、森繁を語る」が行われ満杯の客席を沸かせた。
午後からは森繁さんの名作「暖簾(のれん)」も上映され、盛りだくさんな内容に観客も地元・出身の名優を偲んでいた。「喜劇 駅前競馬」を客席で鑑賞した藤本さんはトークショーで「見るつもりはなかったんですが、観客の反応を見たかった。森繁さんや伴淳さん、フランキーが出てきたら思いがけないところで笑いが起こって45年の空白が一気に埋まった。森繁さんはセリフを間違ったことがない。きっちり役に入る人でした。人間、好きなことをやるのが一番、ということを森繁さんに教えてもらった。」と思い出話を語っていた。 |
海老瀬はなさん |
午後3時からの第二部は新作プレミアとして、立命館大学と松竹が共同で製作した山田洋次監督、阿部勉監督の共同監督による「京都太秦物語」が上映された。上映前には、主演の海老瀬はなさん(24)が舞台挨拶にたち、立命館大学のスタッフと共同製作による珍しい撮影経験やベルリン国際映画祭出席体験を語って限定公開される映画をアピールした。
映画は京都・太秦の“映画の都”復活への思いを込め、大映通り商店街の人々の哀歓を描く生活に根ざしたラブストーリー。「監督、スタッフ、キャスト、それに映画の舞台になった大映通り商店街の人々の思いがこもった映画。ベルリン国際映画祭にも出品して、お客さんが笑ってくれていたのでうれしかった。レッドカーペットを学生さんたちと歩くという貴重な体験が出来た。ベルリンのお客さんにも、観光地でない京都の生活が分かった、と言ってもらえた」と話していた。 |
笑福亭鶴瓶さん
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「おおさかシネマフェスティバル2010」は二日目の7日、メインイベントである「ベストテン発表&表彰式」が行われる。主演女優賞の松坂慶子をはじめ、主演男優賞の笑福亭鶴瓶、助演男優賞の岸部一徳、新人男優賞の渡辺大知、監督賞・撮影賞の木村大作、脚本賞の西岡琢也、音楽賞の大友良英、新人監督賞の横浜聡子、インディペンデント映画賞の飯田基晴らが出席する。助演女優賞の綾戸智恵と新人女優賞の川上未映子は欠席。
二日目は午前10時から、主演女優賞受賞記念として松坂慶子主演の「大阪ハムレット」を上映。午後2時40分からは新作プレミアとして仲里依紗主演の「時をかける少女」が上映される。 |
7日は一日通し券で、前売2800円、当日3000円。6日までチケットぴあ、ファミリーマート、サークルK,サンクスにて発売。当日券は9時半から会場の大阪歴史博物館4階講堂にて発売。但し前売完売の場合は当日券の発売はなし。
なお、大阪アジアン映画祭2010は、引き続き10日〜14日に「アジア映画最新作初上映!」、13、14日に「アジアン・ミーティング大阪2010」を開催する。 |
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3月7日、大阪市中央区の大阪歴史博物館で「おおさかシネマフェスティバル2010」のメインイベントである「ベストテン発表&表彰式」が行われた。主演女優賞の松坂慶子をはじめ、主演男優賞の笑福亭鶴瓶、助演男優賞の岸部一徳、新人男優賞の渡辺大知、監督賞・撮影賞の木村大作、脚本賞の西岡琢也、音楽賞の大友良英、新人監督賞の横浜聡子、インディペンデント映画賞の飯田基晴らが出席し、“浪速の顔”浜村淳さんの名司会で爆笑授賞式となり、観客も“型破り本音映画祭”を堪能していた。
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助演女優賞の綾戸智恵はビデオレターで「まいど〜」で始まるざっくばらんな調子でファンにごあいさつ。新人女優賞の川上未映子については本人直筆の手紙を会場で読み上げた。「大阪ハムレット」で受賞した松坂は「映画は時代、お国柄、文化を映し出すもの。映画はホントに素敵だなあ、と思う。個性的な皆さんの中に一緒に立てることがうれしい」。今年は「ディア・ドクター」で各映画賞で表彰されている笑福亭鶴瓶は「大阪で賞をもらうのが非常にうれしい。おいしいところをいただいて、次は落語に専念したい。でも“主役”という言葉はいい響きですね。」とコメント。浜村さんとの掛け合いで、木村監督や岸部一徳らとギャグを連発し、爆笑を巻き起こした。 |
「大阪ハムレット」で松坂と共演した岸部は「大阪が舞台の映画で賞をもらえるなんて。こんな温かい、和やかな映画は初めて。肩ひじ張らない楽しい映画祭も初めて。」、新人男優賞の渡辺は「賞をいただいて、『色即ぜねれいしょん』に参加できてよかった。」と、口々に喜びを語っていた。
なお、大阪アジアン映画祭2010は、「おおさかシネマフェスティバル」終了後も、引き続き10日〜14日に「アジア映画最新作初上映!」、13、14日に「アジアン・ミーティング大阪2010」を開催する。
チケットは前売1,000円、当日1,200円。チケットぴあ等にて発売中。
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主演女優賞 松坂慶子
『大阪ハムレット』
大阪のオカンを演じて、大阪で賞をもらえたことは“合格点”を頂いたようでとても嬉しいです。『大阪ハムレット』の脚本を頂いたとき、なんて面白い作品かと思いました。私は落ち込むことがよくあるんですが、映画のテーマである“生きるべきか死ぬべきか。生きとったらそれでええやんか”という言葉が素敵だなぁと感じました。その後に大阪へ見学に来て、色んな方に役作りのヒントをもらった。大阪のオカンを演じて、人と人との距離が近く優しい大阪のいい所が見えてきました。映画って本当に素敵だなと思います。 |
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主演男優賞 笑福亭鶴瓶
『ディア・ドクター』
大阪で育ち大阪人としての誇りがあるので、こんなすばらしい賞をもらえて本当に嬉しいです。『おとうと』の前に『ディア・ドクター』の主演が決まりまして、主演は初めてでしたがやっぱり楽しい!いい響きですね、主演って(笑)『母べえ』『おとうと』の役は、地でやってるんだろうと言われますが、『ディア・ドクター』は医者の役なので演技しています(笑)西川監督は、静かでおだやか。あんなにおだやかな現場は初めてでしたね。劔岳には行かんでよかった(会場笑)おいしいとこ取りで映画界から足を洗って、今年は落語に専念したいと思います(笑) |
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助演女優賞 綾戸智恵
『60歳のラブレター』(欠席のためビデオレター)
助演女優賞なんて初めて!とても嬉しいです。私は女優ではないので、色々な役はこなせませんが、今回は私のためのような脚本で本当に楽しい撮影でした。相手役もキアヌ・リーブスとソックリのイッセー尾形さんで(笑)彼が夫役でなかったらこの賞を頂けていなかったと思います。この受賞をきっかけにハリウッドからオファーがくるかもしれませんが、それを断るのがこれからの私の楽しみです。監督さん共演者のみなさんにお礼の気持ちでいっぱいです。 |
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助演男優賞 岸部一徳
『大阪ハムレット』『のんちゃんのり弁』
『大阪ハムレット』の役柄はもっとも自分に近い役です。ああいう人生もいいかなと思いながら演じていました。『のんちゃんのり弁』の小料理屋の大将役も、普段自分で料理したりするのでやりやすかったです。大阪の賞ということで、もっと偏った選び方をするのかなと思っていたんですが、意外とバランスが取れていて(笑)しっかり映画を見てくれているんだなと嬉しく思いました。 |
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新人男優賞 渡辺大知
『色即ぜねれいしょん』
『色即ぜねれいしょん』に参加できたことを誇りに思います。映画に出させていただくのは初めてでしたが、自分に似ている部分もあったので楽しみながら演じました。普段から関西出身の俳優さんには親近感をもっていたので、今度は僕がそういう立場になれたことが嬉しいです。でも、本職はバンドマンなので、これからはバンドを中心に頑張って行きたいと思います。 |
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撮影賞&監督賞 木村大作
『劔岳 点の記』
大阪での賞は東京でもらうより嬉しい。劔岳での撮影は、腰にロープを付けながら臨んだ。断崖絶壁に役者を置いてカメラが下から撮っているんじゃ意味がないからね。カメラが率先して危険な所にいかないと役者は納得してくれないですよ。映画ではいつも香川照之さんが先頭を歩いているんだけど、断崖絶壁の場面でもう少し後ろに下がってくれと注文を出したら、香川さんは「監督、もう空中ですよ!」と言いながら10センチ後ろに寄ってくれた。さすが俳優だと思ったね。それで、映像が変わるんだよ。ヘリを使って機材を運ぶなど姑息なこともしていません!無理をしないと自分の心は伝わらない。これは苦行だと思って撮影していました。 |
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新人監督賞 横浜聡子
『ウルトラミラクルラブストーリー』
新人監督賞を頂いたのは今回が始めてなので、大阪のみなさんに感謝しております。私の映画人生は大阪から始まっているので、この場に立てて光栄です。私は青森出身で無口でシャイな性格なんですが、作る映画はその逆でパワフルでありたいと思っているので、その映画が受け入れられたことがとても嬉しいです。 |
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脚本賞 西岡琢也
『沈まぬ太陽』
2年連続の受賞ということで、関西出身の脚本家がいかに少ないかが分かりました(笑)『沈まぬ太陽』はモデルになった会社がややこしい所で、製作の問題や上映の差し止めなど対応が大変だった。そして、原作の山崎先生の細かいチェックに耐え忍びながら完成させたわけです(笑)なので今回こそは大阪以外でも賞を取れると期待していたのですが、『ディア・ドクター』のべっぴん監督・西川美和さんにすべてもっていかれました(会場笑)次は大阪以外の賞を頂きたいです(笑) |
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音楽賞 大友良英
『色即ぜねれいしょん』『ウルトラミラクルラブストーリー』
『色即ぜねれいしょん』の音楽録音はテープレコーダーなど、舞台である1970年代までにあった機材で録っていました。『ウルトラミラクルラブストーリー』は、横浜監督が変わった人なので、監督の頭の中を想像しながら製作に励みました。この2作は、お世辞でなく僕のキャリアの中でもとても気に入っている作品です。映画祭で音楽賞って少ないので、この賞を頂けて光栄です。あと、KBS京都で4月からレギュラー番組をもつので聴いてください(笑)毎週金曜日の夜24:30から25:00までです。よろしくお願いします。 |
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インディペンド映画賞 飯田基晴
『犬と猫と人間と』
この作品は、あるおばあさんに不幸な犬や猫を減らすために映画を作ってほしいと依頼されたところから始まりました。処分される犬や猫を見るのはとても辛いことだから、この映画を見るのを躊躇ったとよく聞きます。でも、鑑賞後は見てよかったと言ってもらえる。大阪のみなさんはサービス精神がすごいですね。僕は映画もサービス精神が重要だと思っていて、いくらシリアスなテーマでも暗くなるのは嫌。どこか明るく希望をもってほしいと思い作ったので、それが大阪の人に認められてとても嬉しく思っております。
『犬と猫と人間と』4月10日から宝塚のシネ・ピピアで上映 |
新人女優賞を受賞した『パンドラの匣』の川上未映子は欠席。
特別賞は森繁久彌 |
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