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★天国からのエール
『天国からのエール』
〜若者たちの夢を育てた男の熱い生きざま〜

 (2011年 日本 1時間54分)
監督:熊澤誓人
出演:阿部寛、ミムラ、桜庭ななみ、矢野聖人、森崎ウィン、
    野村周平

2011年10月1日〜梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸ほか

・舞台挨拶⇒ こちら
・公式サイト⇒
  http://yell-movie.com/
 沖縄の田舎町、本部町に手づくりの音楽スタジオがある。その名も「あじさい音楽村」。ここから、本作のテーマソングを歌うガールズロックバンド「ステレオポニー」はじめ、幾つものアーティストが生まれてきた。このスタジオをつくった実在の人物、仲宗根陽(なかそねひかる)さんの半生を映画化。頑張る子どもたちが大好きで、エールを送り続けた陽さんの熱い生きざまが伝わる。
 弁当屋を営んでいた陽は、近所の高校生たちがロックをやりたくても、練習する場所がないことを知り、ガレージにスタジオをつくり、機材も無料で提供する。陽のすごいところは、施設をつくるだけでなく、子どもたちに関わり続けたこと。規則を守れない子は容赦なく叱り、礼儀を教え、挨拶を徹底し、人への思いやりを教える。本気で叱ってくれる陽を、子どもたちは“ニイニイ”と呼び、兄貴のように慕う。プロの夢を諦めきれない彼らを応援しようと、デモテープを手に、自ら音楽会社をまわる陽。しかし、あるとき激しい痛みが陽を襲う……。
 子どもたちのことを大切に思い、全身でぶつかっていくような人だったという陽さんを阿部寛が熱演。本気で叱ることが本気で愛することになる、と信じるエネルギッシュで不器用な男の、口に出さない思い、熱い願いが、阿部の力強い目線から、大柄で無骨な全身からにじみだす。

 沖縄の青い海、緑深い山、と大自然の風景が美しい。撮影は、地元の協力の下、実際のあじさい音楽村や弁当屋で行われ、本部町内でのオールロケ。ときに喧嘩しながらも夫を笑顔で支え続ける妻をミムラが好演。弁当屋を営む、陽の家族たちが差し入れやご馳走をし、食をとおして、音楽をとおして、子どもたちを明るく強く成長させていく姿がすがすがしい。優しさと厳しさをあわせもった大人であることの重みと、誰かのために何かできるはずと思うことの尊さが胸に迫る。 
(伊藤 久美子)ページトップへ
   
             
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