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★ミックマック

2009(C) EPITHETE FILMS -TAPIOCA FILMS ?WARNER BROS. PICTURES -FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMA
『ミックマック』 (原題:Micmacsa Tire-Larigot)
〜愉快な仲間が世界を救う!?痛快イタズラ大作戦!〜

(2009年 フランス 1時間44分)
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:ダニー・ブーン、ドミニク・ピノン、アンドレ・デュソリエ、ユランド・モロー他

2010年9月4日〜恵比寿ガーデンシネマ、
9月18日〜梅田ガーデンシネマ、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほか全国で公開

ジャン=ピエール・ジュネ監督インタビューはこちら
・公式サイト⇒ http://www.micmacs.jp/
 こんな笑えるフランス映画は初めて見たかもしれない。フライヤーを見ただけで、何かとんでもないことが起こる予感はしていたが、『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督が生みだしたキャラクターたちが繰り広げるイタズラの数々は半端じゃなかった。新しいジュネワールドへようこそ!
 主人公は小さい頃に地雷で父を失い、自分も発砲事件の流れ弾が頭に命中した不運な男、バジル。すべてを失った彼の前に現れたのは、ガラクタハウスの中で廃品利用の発明品を作りながら暮らすちょっと不思議な仲間たち。個性豊かな彼らと過ごしながら、バジルの中に積もり積もった怒りの矛先はついに地雷や銃弾を作った巨大企業へと向かっていく。
 黄ばんだ風合いの映像を見たとたんに、ジュネワールドに吸い込まれてしまった。ダニー・ブーン演じるバジルは、無口だけれどパントマイムが人一倍上手で、悲しみを表に出さない寓話めいた雰囲気を醸し出す。年齢も得意なこともバラバラな仲間たちが、それぞれを認め合って大家族のように手料理を囲むシーンは、どこかに自分の本当の居場所があることを気付かせてくれるのだ。バジルたちが、人間爆弾や廃棄車処理用の大磁石などを使って、とことんアナログな闘いぶりをみせる様子は、単に可笑しいだけでなくハイテクが蔓延した今の世の中を皮肉るジュネ流の風刺がピリッと効いていた。
 本作の見どころでもある美しいパリの河岸に出現するガラクタの家や、不思議な発明品たちは、なぜか観ているだけで心が温かくなる。そしてバジルたちが、最後に武器商人たちに見せた武器の被害にあった子どもたちの写真は、笑いに包まれた本作の中で、リアルな痛みを感じさせるのだ。シリアスなテーマをとびきりのファンタスティックコメディーに昇華させたジャン=ピエール・ジュネ監督のイマジネーションに是非触れてほしい。
(江口 由美)ページトップへ
ミックマック

2009(C) EPITHETE FILMS -TAPIOCA FILMS ?WARNER BROS. PICTURES -FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMA
『ミックマック』(原題)(Micmacs a tire-larigot)
〜世界の平和に貢献!? ジュネ流リベンジのススメ〜
          

(2009年 フランス 1時間44分)
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:ダニー・ブーン、ドミニク・ピノン、アンドレ・デュソリエ、ユランド・モロー他

2010年9月4日〜恵比寿ガーデンシネマ、
9月18日〜梅田ガーデンシネマ、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほか全国で公開

ジャン=ピエール・ジュネ監督インタビューはこちら
・公式サイト⇒ http://www.micmacs.jp/
 バジールは、父親を地雷で亡くし、自らも銃撃事件の巻き添えとなり家も仕事も失い、廃品回収業の仲間達と武器製造会社に復讐を誓う。彼等は、廃品を使った道具を次々と発明するが、決して武器を作らず、なんともアナログ的な方法で攻撃を仕掛ける。

 復讐劇も『デリカテッセン』や『アメリ』のジュネ監督に掛かると、ブラックユーモアたっぷりの温もりのある痛快劇になってしまうから不思議だ。お馴染みの超個性的な人物像やコケティッシュで濃厚な映像が醸し出す、どこか異次元の世界観も健在。だが、武器製造業者が得る巨万の富とは膨大な数の犠牲者の上に成り立っているのも事実だろう。

 昨年上映された『コード』でも頼りなげだが愛情深い表情が印象的だったダニー・ブーンが、頭に銃弾を残したままいつ死ぬか分からないという主人公を、パントマイムを活かした演技で楽しませてくれる。バジールと愉快な仲間たちの奇想天外な活躍をご覧あれ!

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