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★レオニー

(c)レオニーパートナーズ合同会社
『レオニー』 (原題:LEONIE)
〜息子の才能を信じる母の強さ〜

(2010年 日本=アメリカ 2時間12分)
監督:松井久子
原案:トヴス昌代「イサム・ノグチ〜宿命の越境者」
出演:エミリー・モーティマ、中村獅童、原田美枝子、竹下景子、
    中村雅俊、勅使河原三郎他

2010年11月20日〜梅田ガーデンシネマ、京都シネマ、三宮シネフェニックスほか全国ロードショー
・松井久子監督インタビューは→こちら
・公式サイト⇒
 http://leoniethemovie.com/
 エミリー・モーティマ演じるレオニーが生まれたての赤ちゃんを心から愛おしそうに抱きしめるチラシを見て、みなぎる愛のオーラが伝わってきた。今から100年も前に幼子を連れて明治時代の日本に渡ってきたレオニーが、後に日本を代表する彫刻家となるイサム・ノグチをどのように育て、そしてどのように自分の人生を切り開いていったのか。
  1901年フィラデルフィア、大学卒業後教鞭をとりながら編集者への夢を諦めていなかったレオニー・ギルモア(エミリー・モーティマー)は、日本人のヨネ・ノグチ(中村獅童)と出会い、彼の詩集の編集を手伝い始める、愛を深めていった二人だったが、レオニーから妊娠を告げられたヨネは、レオニーを置いたまま帰国してしまう。残されたレオニーは母の故郷で子どもを産む決意をし、出産後ヨネの導きで日本へ渡ることになったのだった・・・。
 物語を貫くのは、どんなピンチにも嘆き悲しむことなく、運命を受け入れる一方で、息子イサムの才能を開花させるためなら果敢な決断もいとわない母レオニーの強さだ。エミリー・モーティマの持つ気品と芯の強さが、異国日本の懐かしい風景とも馴染み、物語を格調高く詩情あふれたものにしている。作品中随所に挿入されるのが、イサム・ノグチを彷彿とさせる彫刻家役の勅使河原三郎のストイックな姿。現代と100年前の物語をつなぐだけでなく、極めた芸術家の持つ鋭い眼光が脳裏に焼きつく。
 松井久子監督がシナリオに熟考を重ねて7年もの年月をかけて完成させた本作。日本の四季やアメリカの広大な自然の情景を織り交ぜながら情緒豊かに語られるレオニーの物語は、その語り口とは裏腹に客観的に見れば相当シビアなものだ。それでも観終わって、親子が紡いできた揺るぎない信頼、そして自分らしさを手に入れるための勇気がしっかりと心に残ることだろう。
(江口 由美)ページトップへ
   
             
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