原題 | THE LINCOLN LAWYER |
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制作年・国 | 2011年 アメリカ |
上映時間 | 1時間59分 |
監督 | ブラッド・ファーマン |
出演 | マシュー・マコノヒー、ライアン・フィリップ、マリサ・トメイ、ウィリアム・H・メイシー、ジョシュ・ルーカスほか |
公開日、上映劇場 | 2012年7月14日(土)~丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー、テアトル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹ほか全国ロードショー |
©2010 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LLC And LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.
~難事件に挑む、型破り弁護士の苦闘~
マシュー・マコノヒーといえば、ジョン・グリシャムの原作をジョエル・シューマカー監督で映画化した『評決のとき』の弁護士役で大いに注目を浴びたが、あれから彼も年を重ね、本作ではちょっと崩れた感じの弁護士を演じていて、これまた人間くさくてなかなか良いのだ。
ミックは、ロサンゼルスの街で腕をふるう弁護士。離婚2回、検事の仕事をしている元妻との間に娘が一人、運転手付きのリンカーン・コンチネンタルを、“移動するオフィス”として利用している。検察との司法取引という手段を多用して、けっこう要領よく仕事をこなしてきたミックのもとに、ある日、“おいしい話”が転がり込む。資産家の息子ルイスが、女性への殺人未遂容疑で告発されたのだ。いつものように、司法取引でコトは簡単に済むはずだったが…。
ルイスが司法取引を拒否したため、裁判に持ち込まれるのだが、彼の弁護をするミックを鼻でせせら笑うように、じわじわと正体を現すルイスの不気味さ。表の駆け引きと裏の駆け引き。そんななかで真相に近づいていくが、ミックに大きな壁が立ちはだかる。それは、弁護士としての「守秘義務」だ。この守秘義務と正義感の間で揺れるミックの葛藤に、観る者の心はどんどん引き寄せられる。過去に手がけた事件まで引きずり出され、主人公周辺の人間の生命にまで危機が及んでくる。そのサスペンスタッチに夢中にさせられる。
法廷ものの面白さは、やはり「ああ言えば、こう言う」の丁々発止のやりとり。そうして、紆余曲折の後の、一発逆転サヨナラホームランの快感をじっくりと楽しんでほしい。ラストシーンの主人公の茶目っ気もいい。キャストにはクセのある人が並んでいて、ルイス役のライアン・フィリップは敢闘賞。でも、チャーミングな容貌と演技力を兼ね備え、『レスラー』での存在感が記憶に濃いマリサ・トメイの持ち味は、もっと出してほしかったなあというのが、正直な感想である。(宮田彩未)
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