制作年・国 | 2011年 日本 |
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上映時間 | 1時間59分 |
監督 | 若松孝二 |
出演 | 井浦新、満島真之介、岩間天嗣、永岡佑、鈴之助、渋川清彦、大西信満、地曳豪、寺島しのぶ |
公開日、上映劇場 | 2012年6月2日(土)~テアトル新宿、テアトル梅田 他にて公開 |
(C)若松プロダクション
若松孝二監督が「実録連合赤軍 浅間山荘への道程」に続いて現代史の衝撃事件を映画化した問題作。 極左・赤軍の次は右翼というバランス感覚だろうか。 学生(新左翼)運動が最高潮に達しようとしていた70年、文学作品でも右翼的思想を標榜していた三島由紀夫は、私設の学生右翼団体「盾の会」のメンバー数人と防衛庁内に入り、割腹自殺を遂げた。ノーベル賞候補にもなったミシマの「ハラキリ」事件は床にゴロリと転がった生首の写真とともに世界中に衝撃を与え「日本人の不可解さ、不気味さ」を知らしめる結果になった。
60年の浅沼稲次郎社会党委員長(当時)を壇上で刺殺した17歳の右翼少年・山口二矢(おとや)の白色テロかに始まる映画は当初、この少年を主人公に映画化される予定だった。山口少年の映画がなぜ三島由紀夫にまで膨れ上がったのか、映画はその道筋をたどる。
1968年、69年、10・21国際反戦デーで新左翼勢力が大暴れし東京都内は大混乱に陥った。三島由紀夫と盾の会会員は自衛隊の治安出動を期待したが、警察は騒乱罪を適用しデモ隊は大量の検挙者を出した。“暴徒鎮圧”は警察権力に委ねられたことが三島たちの“討ち入り”の引き金になった。
長官を縛り上げ、隊員を集めて前でゲキを飛ばす三島由紀夫の姿は悲壮だが、当時どこか滑稽にも見えた。彼のアジ演説に隊員たちが耳を貸すわけもなく、野次と怒号が飛びかった。この後、三島由紀夫と盾の会の森田必勝は割腹自殺する。三島由紀夫が何をしようとしてしたのか、当時はもちろん、今もって分からない。若松監督自身、「分からない」と撮影後に語っている。これが三島由紀夫映画化の動機だった。
(安永 五郎)
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