原題 | Endhiran the Robot |
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制作年・国 | 2010年 インド |
上映時間 | 2時間19分 |
監督 | シャンカール |
出演 | ラジニカーント、アイシュワリヤー・ラーイ、ダニー・デンゾンパ |
公開日、上映劇場 | 2012年5月12日(土)~渋谷TOEI、新宿バルト9、シネマシティ、梅田ブルク7、シネマート心斎橋、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸ほか全国ロードショー |
(C)2010 SUN PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.
~さすがインド!度肝を抜く破天荒SFムービー~
製作費37億円、世界での興行収入100億円突破…なんだそうだが、いくら数字を並べられても、観る側にとってはしょせん他人が儲かってるだけの話。実際に面白くなきゃね、と斜に構えていたけれど、これでもかと使いまくられたVFXによる圧倒的なクライマックスシーンに至っては、全身で注視状態。「なんじゃ、こりゃ!」と大いに笑いつつ、ハリウッド映画からはけして出てこないだろうアクの強さにシビれ、そこにくるみ込まれたペーソスや叙情性にも引きつけられた。
ロボット工学を究めるバシー博士は、美しい恋人サナの相手をしている暇もないぐらい研究に打ち込み、ついに画期的な二足歩行型ロボットを開発した。見た目は人間の容姿、しかも、なぜだかバシー博士にそっくりのこのロボットにチッティと名づけ、学会での発表にこぎつける。ところが、先を越されてしまった恩師のボラ教授は、心中、穏やかでない。チッティに善悪の判断ができないことを教授から指摘されたため、バシー博士は神経回路の改良を試みるが、それが仇となる大変な事態に…。
人間の感情を持ったために悲劇を招くとくれば、あの名作『ブレードランナー』をすぐに思い起こしてしまうが、本作では悲劇というより、怒劇(!)、そしてあまりの過激さゆえの喜劇へと発展していく。それでいて、“ロボットの恋”の切なさや、私利私欲に走る人間たちの愚かさをあぶり出し、単なる暴走映画にとどまらない魅力を放つ。
インドのスーパースター、ラジニカーントが、博士とロボットの二役というだけで可笑しい。そして、インド映画ではお決まりの歌やダンスはもちろんあり!でも、これがどうも日本ではあまり受けないという興行的な観点から、歌やダンスのシーンを控えめに、上映時間を短縮したバージョンでの公開だ。ま、製作者たちは不本意だろうな、と少々気の毒にはなったけれど、それでも実に濃いスパイスが振りまかれたSF大作である。(宮田 彩未)
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