原題 | The Warrior's Way |
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制作年・国 | 2010年 アメリカ=韓国=ニュージーランド |
上映時間 | 1時間40分 |
監督 | イ・スンム |
出演 | チャン・ドンゴン、ケイト・ボスワース、ジェフリー・ラッシュ、ダニー・ヒューストン、トニー・コックス |
公開日、上映劇場 | 2012年4月14日(土)~シネマート新宿、テアトル梅田、 4月21日(土)~シネ・リーブル神戸、5月19日(土)~京都みなみ会館 他全国にて公開 |
(C) 2010 Laundry Warrior Ltd. All Rights Reserved.
~チャン・ドンゴンだからこそサマになる、マカロニウェスタン風“子連れ狼”~
チャン・ドンゴン、満を持してのハリウッドデビュー作! オダギリジョーとの共演で話題を呼んだ「マイウェイ 12,000キロの真実」ではその誠実な人柄が役にも反映して観客の涙を誘った。今回は全編英語セリフの完全ハリウッド映画。広い肩幅で長身のチャン・ドンゴンは、寡黙な凄腕戦士役をクールに演じきって実にカッコイイ! リン(ケイト・ボスワース)との恋模様も、愛すればこそ出来るだけ離れなければならないという宿命にホロリとさせられる。
暗殺集団“悲しき笛”の最強の戦士(チャン・ドンゴン)は、敵対勢力を全滅させるべく戦いの日々を送っていたが、最後の一人を殺せず、味方からも追われる身となった。その最後の一人とは、乳母車の中で無垢な笑顔で戦士を見つめていた赤ん坊だった。かくして、寡黙な戦士は、赤ん坊を剣の先にぶら下げて、異国の地に足を踏み入れる。遥か荒野の真っ只中に旧友を頼りにやってきたものの、旧友はすでに亡く、サーカス団の人々が時代から取り残されたように朽ちかけた観覧車の下、荒れ果てた街に住みついていた。だが、そこにも追手の手が迫っていた……。
監督はアメリカで映画製作を学んだイ・スンム。「マトリックス」にも携わってきたプロデューサー:バリー・M・オズボーンは、東洋の暗殺者たちを古き西部に登場させるという斬新さが気に入り、“異文化融合映画”の出発点として歓迎したという。剣術の鋭利な美的センスがガンアクションと融合して、香港のカンフー映画とは一線を画した迫力と面白さがある。オスカー俳優ジェフリー・ラッシュがまた奇妙な酔っぱらいの役柄で、最後には大活躍する。
ピストル相手に剣で立ち向かう……。かつて、三船敏郎、アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソン主演の「レッド・サン」('71)という映画があった。大列車強盗団相手に親善大使団の日本の侍が剣で立ち向かうという西部劇。異国の地でも侍としての誇りと礼儀を失わず、野戦での忍耐強さや創意工夫など、侍の描写がリアルで面白かった。
それに比べると今回は、暗殺集団同士の死闘という奇想天外なストーリーにワイヤーアクションや架空の荒野の街の造形など、かなり違う世界観がある。だが、凄腕剣術遣いの戦士と赤ん坊というまるで“子連れ狼”のような冥府魔道のクールさと人情味がミックスされて、さらに面白いキャラクターで魅了する。 チャン・ドンゴンが近づいただけで、両手を彼の方へ差し述べて“だっこ”をねだる赤ん坊。よほど彼に慣れていたのだろう。赤ん坊の可愛らしさにもメロメロになってしまった。(河田 真喜子)
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