書道パフォーマンスで町の再生を試みた女子高生たちの実話を『マリと子犬の物語』の猪股隆一が映画化。舞台となるのは日本一の紙の生産地として知られる愛媛県四国中央市。よもやの不況で商店街の店舗が相次いで閉鎖されるなど、町はかつての活気を失っていた。そんな生まれ故郷を盛り上げようと、地元高校の書道部員たちが“書道パフォーマンス甲子園”を開催する。
“書道パファーマンス甲子園”とは、書道部の高校生たちが、体の何倍もある大きな紙の上で音楽に合わせて書の腕を競い合う大会のこと。実際にも、過去に2度の大会が行われており、第3回目は2010年7月31日に開催予定となっている。映画は5月15日(土)から全国公開。そんな本編の封切に先がけて行われた試写会には、主演の成海璃子、桜庭ななみ、山下リオ、高畑充希、小島藤子ら“書道ガールズ”たちが勢揃いし、フレッシュな舞台挨拶を行った。
本作の見所は、なんと言っても書道の地味さを払拭するダイナミックなパフォーマンスにある。それぞれの役所で、見せ場は違えど5人ともパフォーマンスに挑戦済み。もちろん吹き替えは一切なし。全員でクランクインする1ヶ月前から毎日練習していたと言い、最初はみんな“筋肉痛”に悩まされたそうだ。書道で筋肉痛?と思うかもしれないが、巨大な筆の重さはなんと20キロ!!とくに出番の多かった成海は「あの筆は、最初は持てないと思ったけど、大事なのは気合いですね。気合いで持っていました。」と女優根性を垣間見せた。一方、自身のキャラクターを突拍子もない女の子と評する高畑は、この役を演じるに当たって「恥ずかしさを捨てることを覚えて、度胸が付きました」と笑う。
稽古から撮影にかけてずっと一緒にいた5人は、高畑いわく「家族みたいな関係になった」小島も「ひとりで書いているより、5人一緒の方が楽しかった」と話す。しかし、彼女たちのガールズトークは、桜庭が言うに「男の子の話は一切ない。好きな食べ物は何とかそんなことばかり」と色気より食い気だったようで、現場でもしりとりや卓球をして楽しんでいたとか。成海も「本当に毎日部活みたいだった。稽古は墨まみれになるので、2つしかないシャワーを取り合ったりしていた」と女子高生らしいエピソードを披露した。
そんな撮影の裏側で培った友情も本編に大きく反映されており、クライマックスでも息ピッタリ。山下と桜庭はそれぞれ「チームワークがよかった」「5人だから素晴らしいものができた」と確かな手ごたえを感じていた様子。そして最後に、チームの部長である成海が「この書道部でよかった。書道部には、町や周りの人たちのために何かしたいという思いがある。俳優部としても色々な重いがあったからこそ良いパフォーマンスが出来たと思います。この映画で何か感じてもらえれば嬉しいです」と笑顔で挨拶し舞台を後にした。 |