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 『オーケストラ!』 ラデュ・ミヘイレアニュ監督 単独インタビュー
            
2010年3月20日(土) ホテルグランドハイアット東京にて

『オーケストラ!』 (Le Concert)

(2009年 フランス 2時間04分)
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:アレクセイ・グシュコブ,ドミトリー・ナザロフ,メラニー・ロラン,フランソワ・ベルレアン, ミウ・ミウ,ヴァレリー・バリノフ,アンナ・カメンコヴァ・パブロヴァ
2010年4月17日(土) 〜Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座 他全国順次ロードショー
関西では、5月1日(土)〜梅田ガーデンシネマ、京都シネマ、神戸国際松竹、にて公開

公式サイト⇒  http://orchestra.gaga.ne.jp/

〜 奇跡のコンサートへようこそ♪ 〜

 フランス公開時、観客を感動の渦に巻き込み、『マイケル・ジャクソンのTHIS IS IT』の観客動員数を抜いた『オーケストラ!』は、この春東京で開催されたフランス映画祭でも観客賞に輝いた。
  果たせなかった夢を実現するため、ロシアからパリへやってきたボリショイ交響楽団になりすました人々。彼等が繰り広げる騒動の顛末は、予想以上の笑いと感動で、我々を音楽がもたらす至福の世界へと誘ってくれる。そんな素晴らしい映画を監督したのが、ラデュ・ミヘイレアニュ監督である。気さくで親しみやすい人柄の奥にある熱い想いは、激動の時代を生き抜いてきた人々に対する無限の優しさに溢れているようだ。
【STORY】
 ブレジネフが書記長だった頃の旧ソ連時代、アンドレイはボリショイ交響楽団の天才指揮者として世界的に有名な存在だった。しかし、追放されることになったユダヤ人楽団員をかばって指揮者の座を追われ、30年間ボリショイ劇場の清掃員として働いてきた。そんな彼が千載一遇のチャンスを掴み、昔の仲間を集めパリのシャトレ座でのコンサートを目指す。だが、ロシア人気質というか、楽団員がパリに着いた途端、勝手な行動に出てリハーサルをすっぽかすはの大騒動。それでも、ある人との果たせなかった夢を実現させるため、完璧なハーモニーの最高潮に達するため、心に重くのしかかった呪縛を解き放つため、アンドレイはコンサートに臨む……。
――― 舞台挨拶やセレモニーの間でも他のゲストの方達と写真撮ったりお喋りしたり、とても楽しそうにしておられましたね?
ええ、私のモットウは「人生は楽しむためにある!」ですから(笑)

――― 前作の『約束の旅路』(‘05)では国境を越えて生きる人々の姿を力強く描いていましたが、やはりご自身の亡命の経験からアイデンティティへのこだわりは強いのでしょうか?
はい、私の大きなテーマの一つが、アイデンティティを超えて生きていくことなんです。他者を受け入れるということだったり、自分の殻を破って一歩踏み出して生きていくことだったりが、私が大きく惹かれるテーマなんです。人生の困難を乗り越えて、人生の美しさや調和を味わいたいという私の人生観もテーマに反映されています。

――― ストーリーやキャラクター設定などはオリジナルですか?
シナリオの経緯は、2001年に香港で実際に起きた偽オーケストラ事件を2人のフランス人がストーリーにまとめたものが私のところに持ち込まれて来たのが最初です。でも、ストーリーはあまり面白くなく、偽オーケストラの部分だけを活かして、後は共同脚本家のアラン=ミシェル・ブランと創作しました。

――― それでは、ロシアやパリでの出来事はオリジナルなんですね?
そうです。アランと2人でロシアへ行って、ネタになりそうな話を捜したり、キャラクターについて研究したりしました。

――― 本作の面白いポイントの一つが、未だに熱烈な共産主義者とそうでない人とのギャップが大きいところですが、それは今のロシアを反映しているのでしょうか?
その通りです。元々共産党幹部と普通の人々との格差は大きかったのですが、経済成長率が8〜12%という現在でも、50歳代以上の人々は、映画に登場する元楽団員と同じように貧しい生活を送っている人が多いのです。

――― 中でも、ガチガチの共産主義者が神に祈るシーンは皮肉っぽくて面白かったですね。
あれは非常に極端な変化なんですが、誰でも間違った信奉心に走ることがあるということを描いています。美しい音楽によってその間違いに気付くという、象徴的なシーンですね。

――― キャラクター設定が絶妙で、笑いを誘う場面も多かったですね。特に、コンサートマスターのジプシーやユダヤ人の親子など・・・。
ロシアでは様々なアイデンティティの民族が共存しています。ユダヤ人、チェチェン人、グルジア人やジプシー等々、そうした異なる文化が出合うことに興味があるのです。
私がルーマニアにいた子供の頃ジプシーの人々と一緒に過ごしたことがあり、いずれは消滅してしまうかもしれない彼等の文化に対し、とても強い興味を持っています。

――― 特に、彼等のワールドワイドのネットワークには驚かされましたが?
ジプシーの人々は昔から差別されてきたこともあり、非常にポジティブな生き方をします。一箇所に止まらず、国境を越えて放浪しては排斥されることもあるので、世界中で仲間が助けてくれるのです。

――― キャスティングは監督が決めたのですか?
主な登場人物は勿論ですが、ロシアでのオーディションにも立ち会ってキャストを決めました。

――― ロシアの俳優たちは、まさか映画の中のように大騒ぎしたりパリで商売を始めたりはしなかったでしょうね?
一部は映画の中と同じような状態になりました(笑)。ロシア人は、自分たちの権威を示そうとしたり、権利を主張したりすることがありましたが、私の意図を理解すると、協力的になってスムーズにいきました。私自身、あのような混沌とした状態が嫌いではないので、結構楽しんでましたよ。

――― 赤の広場から空港へ向かうシーンは、テオ・アンゲロプロス監督の『旅芸人の記録』の中の集団で歩いていくシーンを明るくしたような感じでしたが・・・?
あらゆる理由で祖国を追われていく貧しい人々。それがアフリカの人々だろうがカンボジア人だろうが強制連行されるユダヤ人だろうが、悲しい想いを背負ってトボトボと歩いていくしかない人々の姿は共通するシーンでもあります。いつかエルドラド(安息の地)に辿り着けるだろうと希望を持って歩いていく・・・。

――― 撮影で一番苦労した点は?
一言では言えない程沢山ありました。赤の広場や空港でのシーンや、セーヌ川のバトン・ルージュ(遊覧船)でのシーンなど、出演者が多いので演出だけでなく光やカメラなど撮影技術など難しかったですね。特に、ラストのコンサートシーンには神経を遣いました。
―――でも、そういうご苦労があったからこそ、素晴らしい作品が出来上がったのですね。無性にチャイコスキーのコンサートに行きたくなりまたよ〜♪
フランスでは公開後、人気作曲家No.1にチャイコフスキーが選ばれ、本作で使われた「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35第1楽章」のCDの売上もNo.1になりました。日本でも発売予定です。
若い人達がこの映画を見て、クラシック音楽やチャイコフスキーなどに興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

【プロフィール】
1958年、ルーマニアのブカレスト生まれ。チャウシェスク独裁政権下にあったルーマニアから1980年に亡命。ユダヤ系ジャーナリストの息子としてイスラエルの保護下に入り、次にフランスへ移り、IDHEC(高等映画学校)で映画を学ぶ。80年代、マルコ・フェレーリ監督の助監督を務める。長編映画3作目の『約束の旅路』(2005年)でセザール賞最優秀脚本賞を受賞し、ベルリン国際映画祭でも審査員賞をはじめ三つの賞を獲得した。

(河田 真喜子)ページトップへ

 『オーケストラ!』 公開記念イベント

『オーケストラ!』 (Le Concert)

(2009年 フランス 2時間04分)
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:アレクセイ・グシュコブ,ドミトリー・ナザロフ,メラニー・ロラン,フランソワ・ベルレアン,
    ミウ・ミウ,ヴァレリー・バリノフ,アンナ・カメンコヴァ・パブロヴァ
2010年4月17日(土) Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座 他全国順次ロードショー
関西では、5月1日(土)〜梅田ガーデンシネマ、京都シネマ、神戸国際松竹、にて公開

作品紹介⇒ こちら
公式サイト⇒
  http://orchestra.gaga.ne.jp/
【日程】 4月13日(火)
【会場】 シネマート六本木 (港区六本木3-8-15 シネマート六本木3F)

綾戸:まいどー!ボリショイサーカスからやってきました。綾戸です。
ってちゃうか。ほんとにね、ご心配おかけしました。
入院して、病院でワイドショー見て、わ!出とるわ!と、びっくりしました。ほんまにね、こんなにたくさんの方に心配していただいて、改めて、大変な仕事をさせていただいていると思いました。これからは体調に気をつけて頑張るわ!


MC:このお衣装は?(指揮者の衣装で登場!)
綾戸:借りもんやねん。ぶかぶかやろ〜。わたし小さいから。でも似合うやろ!

MC:映画『オーケストラ!』の応援隊長となった感想は?
綾戸:嬉しいわあ。ほんま。しゃべれる、歌える、コメディアンですから。ちゃうって。
これでも、私もクラシック出身ですからね。ほんと嬉しいです。

MC:この映画を見た感想は?
綾戸:新鮮な驚きがありましたよ。
あのね、最初は『オーケストラ!』という題名から、難しいのかなあ?と思っていたんですが、違いましたね〜。感動しました。何歳からでも遅くない、ほんま勇気を与えてくれる映画です。

MC:主人公アンドレイは挫折から始まりますが、綾戸さんの挫折とは?
綾戸:人生、挫折だらけや!でもな、挫折がなかったら次の日へ行けへんやろ。挫折があるから、もっぺんやったろ、挫折を利用して次の日がんばろと思えるもんやね。
このおっさん(アンドレイ)は、ほんまええ眼をしてて、そして挫折してもがんばれるのは、良い家族、仲間に恵まれてるからやね。素晴らしいね。私の挫折といえば、やっぱり手が小さかったことかな。イチオクターブ届かへんねん。ほんと大変で、譜面どおりに弾けへんから、アレンジして弾いたんですね。そしたら先生から、怒られたんですわ。でね、私その時言ったんです。
「もう、ベートーベン死んでるからええやんか。」(会場大笑い)
そうしたら、先生が、じゃあジャズをやってみたらいい、と言ったので、それで、ジャズ始めたんです。中学生の時でした。
クラシックあかんな〜と思っても、やめずにどないでも何でも音楽やりたい、という気持ち、それがあったから「自分の住む川・ジャスの川」を見つけられたんですよ。

MC:この映画に一言お願いします。
綾戸:『オーケストラ!』はね、人間を描いているんです。
最後12分間の演奏のところ、ほんま心が震えました。改めて音楽ってすばらしいですよね。

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