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★ 大阪アジアン映画祭2010 上映作品紹介
冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
【オープニング作品 】

『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』 (Vengeance)
〜合い言葉は「レ・フレール(兄弟)!」〜

(2009年 フランス・香港 1時間48分)

監督:ジョニー・トー  
出演:ジョニー・アリディ、アンソニー・ウォン、サイモン・ヤム、ラム・シュ

★ジョニー・トー監督インタビューはこちら→

 マカオで暮らす娘一家を何者かに惨殺された初老のフランス人。彼は、かつての自分と同じ匂いを持つ3人の男を雇い、復讐を開始する。やがて、事件の黒幕が、自分たちの組織と関係があることを知る男たち。でも彼らは言う「約束は守る」と。それが彼らの規範なのだ。また、雇い主の男にも秘密があり、彼も男たちとの“絆”への覚悟があった…。

 夜の雨の路地、廃品処理場、丘の斜面の公園など、独特の感性で切り取った香港・マカオの一角でくり広げられる烈しい銃撃戦。香港の名匠ジョニー・トーの映画はスタイリッシュ、なんて言うのは空が青いと言うのと同じこと。しかし、フィルム・ノワールの本家・仏から、国民的歌手であり俳優のジョニー・アリディを招いた本作は、放たれる光がいつにも増して渋い。アンソニー・ウォンらトー作品の常連俳優たちの息も合い、アクションには詩情が漂う。プロフェッショナルの規範と誇りを描いて、男をしびれさす一本だ。

(春岡 勇二)ページトップへ
紡績姑娘(クーニャン) 江口由美バージョン)
 『紡績姑娘』 (Weaving Girl)

(2009年/中国/100分)
監督:ワン・チュアンアン 
出演:ユー・ナン、グオ・タオ
 紡績工場で働くリリーは工場で淡々と働きながら、一人息子を育てる日々。夫は会社でリストラにあい、魚屋になったが決して裕福とはいえなかった。ある日突然吐血し倒れたリリーは病院で、医師が夫に自分が白血病で治療しなければ余命数カ月と告げているのを聞いてしまう。リリーは治療を断念し、北京にいるかつての恋人に会いに行くのだったが・・・。

  『トゥヤーの結婚』のワン・チュアンアン監督が描く世界は、中国の原風景ともいえる雄大な自然とそこで生きる人たち。昔ながらの紡績工場で、大勢の女性たちが淡々と働き、自転車で帰っていく。仕事のないときには職場仲間で広場に集まり、アコーディオン伴奏で合唱をしたりと、彼女たちの何気ない日常風景も丁寧に描かれている。労働者階級だから莫大なお金がかかる治療を断念せざるをえないリリーの状況に社会格差を感じながら、現実を受け入れ、自分の過去に向き合い、家族としっかり向き合う姿の美しさに心奪われるのだ。
(江口 由美)ページトップへ
紡績姑娘(クーニャン) (浅志歩バージョン)
 『紡績姑娘』 (Weaving Girl)

(2009年/中国/100分)
監督:ワン・チュアンアン 
出演:ユー・ナン、グオ・タオ
 紡績機のすさまじい音から映画は始まる。広い工場にたくさんの機械が一同にならんでいる。工場で働くリリー(ユー・ナン)は夫と幼い息子と暮らしている。リリーは病いになり、余命わずかということを知る。彼女は昔の恋人に会うために北京に旅立つ。

 初めから音が気になる作品である。人々のざわめき、屋台でのにぎわい、息子のピアノの練習の音、波の音など、いつもどこかで何かの音がする。それは人々の生活の音。生きている証。そんな印象的な音ともに映画は静かに流れていく。リリーと元恋人との間に流れる時間も静かだ。最後の時が近づいているのにリリーの心はとても穏やかなのかもしれない。

 リリーは北京の街を珍しそうに下から見上げる。巨大なビルが立ち並び、さらなる建設が続いている。ものすごい速さで変わりゆく街。取り残されたような空き地に犬の死体がそのままにされている。
(浅倉 志歩)ページトップへ
ジージャー:頑固に、美しく、猛々しく
『ジージャー:頑固に、美しく、猛々しく』
(Raging Phoenix)

(2009年/タイ/112分)
監督:ラシェーン・リムタクン
出演:ジージャー・ヤニン、カズ・パトリック・タン
 恋人に裏切られ、自暴自棄になっていたデューは突然何者かに襲われ、サニムとその仲間たちに助けられる。自分たちの妻や恋人を誘拐された辛い過去を持つ彼らは、人身売買組織ジャガーに復讐する機会を伺っていた。サニムに志願して彼らの武術を教わったデューは、サニムの恋人を助けるためおとりとなり、ジャガーのアジトに潜入するのだったが・・・。

 プラッチャヤー・ピンゲーオ監督作品『チョコレート・ファイター』で鮮烈デビューを飾ったジージャー・ヤニンの主演第2作。愛に飢え、愛のために闘うデューの姿は成長したジージャーの姿と重なる。時には華麗に、時にはヒップホップを踊るように、そしてつねに生傷絶えないジージャーアクションはもはや唯一無比。海辺のシーンから、アジトでの決闘シーンまで、見ていて飽きさせない展開はさすがだ。普通のラブストーリーでは終わらない、ハードで、プラトニックで、そして切ないウルトラアクションラブストーリーを堪能してほしい。

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聴説
『聴説』(Hear Me)

(2009年 台湾 109分)
監督:チェン・フェンフェン
出演: エディ・ポン、アイビー・チェン、ミシェル・チェン
★監督とプロデューサーへのインタビューはこちら→
 ヤンヤンとティエンクオ(エディ・ボン)はスイミングプールで出会う。ヤンヤンのかわいい笑顔にティエンクオは一目ぼれ。彼女を喜ばせようとスペシャル・ランチを作ってごちそうしようとしたり、けがをした彼女を病院に連れて行っていったりする。ティエンクオの行動はストレートで一途。でも、ヤンヤンはティエンクオに惹かれながらも、彼の気持ちを受け入れられない。

 この映画の見所は彼らが言葉ではなく、手話で心を伝えようとするところだ。あふれる思いを手話を通して、必死に伝えようとするが、なかなか伝わらない。話して伝える言葉よりも、手話はもどかしい。手話は耳で聞く言葉よりも飾らないストレートな感情がぶつかり合う。そして、手話がお互いの心の奥底に届いたとき、相手を思う深い気持ちに気づく。

 あなたが誰かを大切に思うとき、きっと誰かもあなたを大切に思ってくれている。そんな日常にあるやさしさや温かさを思い出させてくれる。女性監督がキャラクターの感情を丁寧に紡ぎ、入り口は若い人のラブ・ストーリーだが、出口は自立や家族愛、それぞれの生き方をさわやかに描きだしてるので、誰の心にも温かなぬくもりが残るはず。2009年台湾でナンバーワンヒットした作品、ぜひお楽しみいただきたい。
(浅倉 志歩 )ページトップへ
デーヴD
『デーヴD』

〜インドで大ヒットしたスタイリッシュな
                恋愛ドラマ〜


(2009年 インド 2時間24分)
監督 アヌラーグ・カシヤブ
出演 アバイ・デーオール カールキー・ケクラン マーヒー・ギル
 
 『スラムドッグ$ミリオネア』にスタッフとして参加したアヌラーグ・カシヤブが、インドの古典悲恋『デーヴダース』を現代風にアレンジ。ある小さな誤解から愛する女性を失ってしまった男・デーヴの破滅と癒しを紡ぎ出す。

  家族で楽しめるボリウッドの娯楽イメージから一転して、本作は失恋で自棄になった主人公が娼館へ通い、クスリに依存するなど不健全な場面も多く描かれる。だが、ダニー・ボイルを意識した斬新なカメラワーク、革新的なインドミュージックのリズムと相まって、不埒な若者の退廃が魅惑の転落劇へと進化した。さらに、洗練された色彩表現も素晴らしく、生命の躍動や希望に満ちた前半では鮮やかな赤と黄を多用し、悲しみに蝕まれる後半にはブルーを基調に使用するなど、カラフルなビジュアルの変化にもセンスを感じさせる。音楽では特に、プレスリー風の格好をした2人の男が、ブラスバンドの演奏をバックに歌う独創的な失恋ソング『Emosanal attyachar』は必聴の価値ありだ。
(中西 奈津子)ページトップへ
KJ 音楽人生 (江口由美バージョン)
『KJ 音楽人生』 (KJ : Music and Life)

(2009年/香港/90分)
監督:チョン・キンワイ(張経緯) 
出演:KJ
 11歳で香港学校音楽節最優秀ピアニストの称号を得た若き天才少年KJ。17歳になった彼は、学校のオーケストラ指揮者として、また自らが率いるカルテットのピアニストとしても活躍している。そんな香港の天才音楽少年KJの音楽性や素顔、そして人間性にまで迫る香港発の音楽ドキュメンタリー作品。

 まさに、日本で大人気のクラッシックアニメ『のだめカンタービレ』の天才指揮者千秋真一を地でいくようなKJの姿がスクリーンに映し出される。KJが指揮をしたり、団員に指導するときの情熱や躍動感はハンパじゃない。ただ演奏シーンを見せるだけでなく、11歳の頃のレッスンの様子や、KJ本人への(多分監督から)の様々なインタビューで構成され、彼を導いてきた人たちにもスポットを当てている。若くして脚光を浴びている彼の本当の姿は、実に人間味に溢れ、周りの人たちにエネルギーを与えてくれるのだ。

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KJ 音楽人生 (eyanバージョン)
『KJ 音楽人生』 (KJ : Music and Life)

(2009年/香港/90分)
監督:チョン・キンワイ(張経緯) 
出演:KJ
 美とは何か。神は存在するのか。人はなぜ生きるのか。あらゆる芸術家にとって、あらゆる人間にとって、問われるべき本質的な問いを、KJは自分の身を賭して探究しようとしている。まぎれもない「天才」―――しかも彼は現代のアジアで実際に生きている。ドキュメンタリー映画というかたちでその現実をつきつけられた衝撃が、私の心を揺さぶり、不安にもし、そして深く感動させた。

  全編に流れるクラシック音楽の数々はすばらしいと同時に、音楽というものの恐ろしさをも感じさせる。わずか11歳の少年をあれほどの深い虚無主義に陥らせてしまう(目覚めさせてしまう)音楽とは、いったい何なのだろう・・・。

  芸術家である前にすぐれた人間であれ、と周りの仲間や後輩たちを教化しようとするKJ自身が、身近な人々から煙たがられているという矛盾。その矛盾をじゅうぶん自覚しながらも、人々を「教化」するというみずからの使命をあくまで貫こうとするKJの孤独。そんなKJの行く末を案じたとしても、この若きツァラトゥストラを変えることはだれにもできないし、すべきでもないだろう。

  「ぼくはいずれ自殺するよ」と言い放ったあと、父の腕のなかで突然泣き出す幼いKJ。あの一瞬に、彼の全存在の苦悩があらわれていたという気がしてならない。彼の涙のわけは誰にも、父親でさえ、永遠に理解することはできず、謎をかかえたまま、表面的にはただのこどもの涙として映画に記録された、でも、この記録の意義ははかりしれないほど大きいし、歳月を経るごとにもっと大きくなっていくにちがいない。

  KJの苦しみが運命だとしても、彼が経験を重ねて、強く先へすすんでゆく姿をせめて見守りつづけることができたらと願う。キンワイ監督にはぜひこれからもKJを追い続けてほしい。
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見捨てられた青春

『見捨てられた青春』 (Squalor)

(2009年/フィリピン/91分)
監督:ジュゼッペ・ベード・サンペドロ
出演:デニス・トリロ、シド・ルセロ、アーノルド・レイエス
★監督・俳優・プロデューサーへの
インタビューはこちら→

 マニラで偽造文書の裏取引をしながら結婚詐欺を重ねるアリエル。ある日ネットカフェで出会った高校生のエルジンと恋に落ち、素性を隠したままエルジンと一夜を共にするが、罪の意識から連絡を絶ってしまう。またマニラの貧民街では、身重の妻のためスキンケア商品の行商をしていた青年が出産資金を稼ぐため取引先のボスとのある取引に応じてしまう・・・。

 褪せた色合いの映像の中、4人の青年たちの希望と挫折に満ちた人生がマニラの貧民街で交錯する。夢のため、または生きていくため、そして時にはお金のために自らを偽りその身をさし出す青年たちの姿は、時には痛々しくもあり、切なく胸に刺さるのだ。本作が監督デビューとなるジュゼッペ・ベード・サンペドロ監督は、犯罪、貧困、ゲイといった社会的なテーマを独自の映像手法で詩的に表現している。リアルな現実を描きながらも、青年たちの心情を浮かび上がらせており、観終わったあとウォン・カーウァイの世界感に通じるものを見いだすのは、私だけではないだろう。

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ホワイト・オン・ライス

『ホワイト・オン・ライス』 (White on Rice)
〜今、この家族が熱い!
            そんなコメディ♪〜

2009年/アメリカ/85分
監督・脚本:デイヴ・ボイル
出演:渡辺 広、裕木奈江、高田 澪、ジェームズ・カイソン・リー
★監督・俳優へのインタビューはこちら→

 結婚に失敗し、俳優の夢にも破れたハジメ(渡辺 広)は、米国に住む妹・アイコ(裕木奈江)の家に身を寄せる。自称・ジミーと名乗るこの男、「天真爛漫」を絵に描いたような人物で、とにかく行く先々で騒動を巻き起こすのだった。アイコの旦那さまをはじめ、巻き込まれた人々は苦い顔。しかし、妹のアイコはそんな兄を温かく見守って…。

  ハジメの猪突猛進振りには呆気に取られるが、なぜだか憎めない。その嘘偽りのない正直すぎるほどの気持ちと、ものの手順や固定概念を飛び越えた一直線な発想が清々しいのだ。
渡辺 広のくるくる変わる表情、裕木奈江のキラキラした瞳が魅力的! 妻の気をひこうとやっきになる姿がかわいらしいアイコの旦那さまや、クールでマルチなアイコの息子など個性的な脇役陣も楽しい。
(原田 灯子)ページトップへ
 
 

 

 
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