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 ヤング≒アダルト

(C) 2011 Paramount Pictures and Mercury Productions, LLC. All Rights Reserved.

『ヤング≒アダルト』 (YOUNG ADULT)
〜心は17歳!?
バツイチアラフォーの切実でイタい「しあわせ探し」〜


(2011年 アメリカ 1時間34分)
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:シャーリーズ・セロン、J・K・シモンズ、パトリック・ウィルソン

2012年2月25日〜全国東宝系ロードショー
公式サイト⇒ http://www.young-adult.jp/

 パンチの効いたバツイチアラフォーの「しあわせ探し」は、過去を手放せない女の傷だらけの成長物語にも映る。『JUNO/ジュノ』の監督・脚本コンビ、ジェイソン・ライトマンとディアブロ・コディが作り出した史上最強の自信満々自己中な女を演じるのは、容姿端麗な美女、シャーリーズ・セロン。そのイメージを払しょくするかのような干物女ぶりは、笑えて、どこか共感もでき、果てには切なく見えてくる、正に絶妙なのだ。
 自称ライター、本当はヤングアダルトシリーズのゴーストライター、メイビス(シャーリーズ・セロン)は、バツイチ、連載も打ち切りで、お酒と愛犬に癒される日々。ある日高校時代の元カレ、バディ(パトリック・ウィルソン)からの「子どもが生まれました」メールを見て、とんでもないことを思いつく。「元カレとやりなおそう。」

 バディと聞いたカセットテープをBGMに、思い出の曲を巻き戻してリピートしながら、田舎へ向かうメイビスの姿は17歳の乙女のよう。久しぶりに会う高校時代の元カレ、しかも妻子持ちにモーションをかけようなんて勘違いな計画を本気で実行しようとするところがすでにコメディーなのだが、メイビスはいたって真剣。メイビスが干物女からネイルにヘアにファッションにとテンポよく変身を遂げるまではむしろワクワクものだが、バディを前にして誘惑モードに入れば入るほど、今度はイタい女ぶりが際立ってくる。
 周りから白い目で見られているとは知らないメイビスが、酔った勢いでご機嫌に自分のたくらみを打ち明ける相手として登場するのがJ・K・シモンズ演じる同級生のマット。下駄箱がメイビスの隣だったという、地味で高校時代むしろいじめられていたマットの存在が、メイビスの本音を引き出す役割を果たし、この物語に奥行きを与えていくところが興味深い。
 結果は散々に終わった元カレとの「しあわせ探し」を経て、自分が今、実は幸せであることに気付かせてくれる存在に出会えたメイビス。幸せを感じるかどうかは自分次第なのだと、傷だらけのメイビスを見て我々も気付くだろう。時には苦笑しながら、でもあまりに自信たっぷりな姿にどこか羨ましくもなる絶妙なアラフォー女子の成長物語。シャーリーズ・セロンの力強い演技にぐいぐい引っ張られ、心地よい爽快感さえ味わえた。

(江口 由美) ページトップへ

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