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★ウォール・ストリート

(C) 2010 Twentieth Century Fox.
『ウォール・ストリート』
〜リーマン・ショックの年の『ウォール街』映画〜

(2010年製作 アメリカ 2時間13分)
監督:オリバー・ストーン
出演:マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ、ジョシュ・ブローリン、キャリー・マリガン、イーライ・ウォラック、スーザン・サランドン、フランク・ランジェラ

2011年2月4日(金)〜TOHOシネマズ梅田、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、MOVIX京都、T・ジョイ京都、TOHOシネマズ西宮OSほかにて全国ロードショー
公式サイト⇒ http://www.movies.foxjapan.com/wallstreet/
 オリバー・ストーン監督『ウォール街』(1987年)の、セリフ・リメイクではない。何と、23年ぶりとなる前作の続編だ。だから、本作を見る前には、できれば前作を予習しておく必要がある。なぜなら、前作で警察に逮捕されたマイケル・ダグラスが、出所してくるシーンから始まるからだ。また、前作でコンビを組んだチャーリー・シーンも、チョイ役で出演する。
 ただし、刑期中にダグラスの家族に起こった事件については、今回初めて登場するエピソードである。ダグラスの息子がヤクチュウで死に、それが原因で娘との絆が裂かれたらしい。だから、2001年に出所しても誰も迎えにこない。では、妻はどうなっているのか。そのあたりは描かれないので分からない。そして、いきなり2008年へと時代が飛ぶ。たぶんこのエピソードはスピンオフ企画として取っておこうと、監督は思っているのかもしれない。それより社会派監督としては、2008年のリーマン・ショックによる「第2の世界恐慌」へと話を進めたいわけだ。
 NYの街の遠景カットに、株の乱高下グラフをトレースしていくが、本作は摩天楼的冷たさのNY映画であり、さらに非情なマネー・ゲーム映画である点を強調している。ライバルの投資会社の中傷で、社長が自殺し会社が破綻した主人公の証券マンが、そのライバル会社に入ってリベンジを期すというストーリー展開。そこへ、ダグラスがアドバイスしたり、主人公の婚約者のダグラスの娘が、ウィキリークスみたいなサイトで告発してサポートしていく。
 一方で、ダグラスは主人公に、娘との和解を取り持てなどと言ってくる。若き頃のエドワード・ノートンのように、弱々しそうだが芯はしっかりしてそうな主人公シャイア・ラブーフ。逆に『17歳の肖像』(2009年)みたいに、強気でも弱々しそうに見える娘役キャリー・マリガン。この2人に絡むダグラスは、ライバル会社の社長を演じたジョシュ・ブローリンと共に、一筋縄ではいかない怪演技を披露する。父娘の絆を求める温かい父親なのか、それとも血も涙もないゲーマーなのか、最後まで見ればはっきりするだろう。でも、今回でエンドという感じがしない。続編はきっと作られるに違いない。
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