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★ショパン 別れの曲

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『ショパン 別れの曲』
〜パリのサロンで花開くショパンの才と悲しい初恋〜

(1時間31分 ドイツ 1934年)
監督:ゲツァ・フォン・ボルヴァリー
出演:ヴォルフガング・リーベンアイナー、リヒャルト・ロマノスキー、ハンナ・ヴァーグ、シビル・シュミッツ、ハンス・シュレンク

2010年8月28日(土)〜テアトル梅田にてモーニングショー
公式サイト⇒  http://www.tk-telefilm.co.jp/chopin
 今年は“ピアノの詩人”ショパンの生誕200年に当たり、これを機に往年の傑作音楽映画がスクリーンでよみがえる。戦前、1934年にドイツで制作され、翌年日本で公開され、大ヒットした本作。テーマ曲の「エチュード第3番ホ長調」が「別れの曲」と呼ばれるようになったのは、この映画の邦題からくるそうだ。
 フランス人の父とポーランド人の母との間に生まれ、ポーランドで育ったショパン。1831年、ロシアからの独立運動が激しくなり、青年ショパンも友と一緒に故国のために戦おうと思いを熱くする。しかし、パリに行ってピアノの才能を磨くことこそ、ショパンにしかできない祖国への愛だと音楽教師に説き伏せられ、初恋の恋人コンスタンティアを故国に残し、パリに向かう。本作が描くのは、それからパリの社交界で認められるまでのほんの数年。夢と希望にあふれ、志を高く持ち、恋に燃え上がる20歳代の青年ショパンが生き生きと描かれ、魅了される。
 既に名声のあった音楽家フランツ・リストとショパンとが、互いの才を認め合い、友情を育んでゆくさまがすがすがしい。パリでは無名の芸術家の一人に過ぎないショパンがやっと開催できた小さな演奏会は大きな評判を得ることができなかった。しかし、唯一、女流作家ジョルジュ・サンドがショパンの天才を認め、友人のフランツ・リストとの間をとりもつ。リストとショパンが初めて出会うシーンの爽快なこと。ショパンの腕を社交界に認めさせるために、サンドとリストが立てた計画も、粋でみごたえがある。
 音楽家としての前途が開かれ、サンドとの恋に燃え上がるショパンをみて、ポーランドからパリに出てきたコンスタンティアは、自分の思いを告げることなく、そっと身を引く。いじらしい少女の切なさが、テーマ曲のメロディにのって哀しく迫ってくる。
  数々のショパンの名曲が流れるが、なかでも「英雄」ポロネーズの演奏シーンは印象的だ。人が人の才能を見出す喜びと感動にあふれ、情熱的で若々しい青年ショパンを描いた本作。デジタル上映、白黒映画とあなどることなかれ、音楽ファン必見の映画がやってきた。
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