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★嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん

(C) 2010「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」製作委員会
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』
〜リアルとファンタジーを自由に行きかう不思議な魅力〜

(2010年 日本 1時間50分)
監督・脚本:瀬田なつき
原作:入間人間
出演:大政絢、染谷将太、田畑智子、鈴木京香

2011年1月22日〜 なんばパークスシネマ、109シネマズHAT神戸、MOVIX京都
公式サイト⇒ http://usodakedo.net
 まーちゃんことマユを演じる大政絢、みーくんを演じる染谷将太と、今をときめく若い俳優のキュートな魅力を存分に引き出し、リズム感のあるセリフ、切ないラブ・ストーリーで観客の心を釘付けにする。

  誘拐監禁事件で被害者となった幼なじみのマユとみーくん。10年後、二人は再会し、一緒に暮らし始める。街では連続殺人事件が起こり、犯人探しが進められる一方、10年前の事件の真相も明らかになっていく。みーくんはマユの心の傷を治そうと考えるが…。
 色とりどりの風船が飛んでいくラストの祝祭的空間の広がりには息を呑んだ。地学の授業でスライドをみていた視聴覚教室がいきなりスクリーン・プロセスによって、壮大な宇宙をバックにしての、みーくんのマユに対する愛の告白の空間へと変わる面白さ。リアルとファンタジーを自由に行き来する瀬田監督独自の映像スタイルを楽しんでほしい。
 大政は“壊れたまーちゃん”を好演。過去の悲惨な事件の記憶のために、みーくん以外の人には心を開かず、自分だけの世界に閉じこもってしまう。乱暴でワガママなふるまいは、ねじがとんでしまったようで、何を考えているのか、とらえどころがない。それでいて、大きくてチャーミングな瞳と危なげな存在感から目が離せない。
 みーくんがマユを守ろうとする、一途なまでの不器用さが愛おしい。「嘘だけど」と何度もつぶやくセリフが不思議な魅力を生み出す。同じフレーズを繰り返して使う場面展開は瀬田なつき監督の得意とするところで、『彼方からの手紙』(08)の「はじめまして」というフレーズをほうふつさせる。「嘘だけど」と言いながら、ホントのようでもあり、屈折した思いを伝えるこの言葉は、残酷な現実から心が壊れないよう守るためのおまじないのようにも思える。
 マユの住むマンションの白い部屋、カラフルな家具などポップな空間は、10年前に監禁された埃漂う薄暗い空間とは対照的だ。現在と10年前とをうまく交錯させることで、スリル感が増す。二人の過去を知る女性刑事の田畑智子、精神科医の鈴木京香が、年上の女性として、温かくみーくんを見守る。コミカルに繰り広げられる二人のセリフのかけあいにも注目。

 屈折していても、自分の思いにまっすぐな二人の純粋さは、不思議な映像世界や、テンポのよい会話のおもしろさとともに、見る者の心に焼きつくにちがいない。
(伊藤 久美子)ページトップへ
   
             
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