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★アンストッパブル

(C) 2010 TWENTIETH CENTURY FOX
『アンストッパブル』
〜列車パニック映画に新しいテイストが入った〜

(2010年製作 アメリカ 1時間38分)
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソン、イーサン・サプリー、ケヴィン・ダン、ケヴィン・コリガン

2011年1月7日(金)〜TOHOシネマズ梅田、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、TOHOシネマズ二条、MOVIX京都ほか全国ロードショー
公式サイト⇒ http://www.unstoppable.jp
 電車・列車パニック・ムービーとなれば、みなさんは、どんな過去の作品を思い出されるだろうか。乗り物やら船舶やらに幅を広げても、いろいろあるんだけども、そんななかでも本作は、それらの諸作・名作にはなかった新しいところがある。しかも、実にシンプルで、老若男女誰にでも分かりやすい設定。これは、乗り物はバスだけど、ある速度以下になると爆発する設定だった『スピード』(1994年製作)と同じくらいの、シンプル・イズ・ベストなインパクトがあった。
 数々ある列車パニック映画だが、運転士のいない無人車というシチュエーションはかつてなかった。無人だから、乗客たちの群像劇を細かく繰り広げる必要もない。だから、ノンストップ暴走車となった、この800メートルにわたる重量貨物列車を、どう止めるのかという問題。だだその1点に集約されていく映画なのだ。デンゼル・ワシントンとクリス・パインの家庭内の問題やらも描かれるが、それはあくまで脇に置かれる。エンターテインメントまっしぐらの作品なのだから。
 パニックでも計画的・事故的・人為的らに分かれるが、本作は人為的ミスで、操車場から貨物車が最大速度設定のまま、無人で発車してしまうのだ。しかも、この貨物には有害物質やら危険物やらが、コンテナに詰まっているので、いわゆる列車大爆弾みたいなもの。さらに、その路線には急カーブのところがある。そこを最大速度で通過しようとすれば、JR西日本の尼崎脱線事故以上の大惨事は必至。コンビナートや住宅街に突っ込み、大炎上するというのだ。
 停めるのだったら、ヘリコプターやら車やら何かを使って、運転士を運転車両に乗せられればいいだけではないかと思われるかもしれない。しかし、これが列車の猛烈スピードゆえにうまくいかないのだ。そこで、退避所にいる機関車を、貨物の先頭車両とくっつけて停める案が実行されたが、スピードの違いで脱線してしまい爆発炎上。
  それなら、最後部車両との連結作戦でいこうと、デンゼル・ワシントンとクリス・パインの貨物車が、後進運転で暴走車へと向かっていく。空撮含めて暴走車を多彩なアングルで捉え、司令部と現場組とのやり取りなど、カメラを左右にパンしていく編集の連続で、緊張感をあおっていく作りが、本作にピッタリ合っていた。
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